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イエメン:食料危機の高まりに国連3機関が警鐘

命を救うための人道支援の拡大が急務です。




[画像: https://prtimes.jp/i/9064/245/resize/d9064-245-753122-0.jpg ]

2018年12月8日 ローマ– 世界で最も深刻な人道危機に直面するなか、イエメンでは、約2,000万人が食料危機に陥っています。8日、FAO(国連食糧農業機関)、ユニセフ(国連児童基金)、国連WFPと人道支援のパートナー団体は、食料安全保障についての客観的な分析である「総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)」の最新報告を発表しました。現在イエメンでは、1,590万人が空腹の状態で目を覚ます生活をしていると指摘しています。

最新のIPC報告(英語):http://www.ipcinfo.org/fileadmin/user_upload/ipcinfo/docs/1_IPC_Yemen_AFI_Situation_2018Dec2019Jan.pdf


「IPCの結果は私たちに警告しています」とイエメンの人道調整官であるリセ・グランデは話しました。「6万5,000人が今この瞬間もかろうじて命をつないでいる状況で、少なくとも25万人が先行きの見えない日々を送っています。定期的に食料を手に入れられなくなるなど、どのような状況の変化も彼らを死に追いやりかねません」と続けました。

紛争は依然としてこの食料危機の大きな要因です。生計手段や収入を失ったり、生活必需品の価格高騰が、家庭で食料を購入することを難しくさせています。また、為替レートの予測のつかない変動や信用取引の規制が輸入に影響を及ぼしています。公共サービスや社会保障の崩壊、そしてそれに対処するメカニズムの衰えにより、数百万人ものイエメンの人々が危機に対してより脆弱な状態に追いやられています。

「農業と生計手段の支援はイエメンの人道的対応の重要な役割を担います。争いが激しさを増す前には、人口の73%が農業や漁業で生計を立てていました。FAOは、市場が混乱している時に人々が自分や地域社会のために食料を生産できるようにするだけでなく、イエメンの農業を守り、保護し、回復させるために努めています。例えば、害虫や病気を防ぐために100万頭を超える動物にワクチンを接種させています。しかし、農業を営む数百万人のイエメンの家族のためにより多くの資金が必要です」とFAOのジョゼ・グラチアノ・ダ・シルバ事務局長は述べました。

「大人による戦争で、真っ先に、そして最も困難を強いられるのが子どもたちです」とユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局長は話します。「もし紛争や経済危機が直ちに改善されなければ、イエメンの何千人もの子どもたちが重度の栄養不良で命を落とすおそれがあります。紛争当事者は、争いを止め命を救うのか、或いは争いを続けてさらに多くの子どもたちを死なせるのか、いずれかを選択しなければなりません」

「国際社会の支援の下、国連WFPは毎月約800万人に食料を支援しています。そうでなければ、人口の3分の2の人々が悲惨な食料不足、飢餓、に直面することとなります」と国連WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長は話しました。「この報告書は、飢えの深刻度が増していること、そして、何百万ものイエメンの人々を救うために大規模な支援の拡大とイエメン全土への安定したアクセスの確保が必要であるということを表す警報です」と続けました。

子どもたちを取り巻く深刻な栄養不良
子どもたちの急性栄養不良の程度は依然として重いままです。イエメンでは、180万人の子どもたちが急性栄養不良で、それには最も深刻な状態にある約40万人の子どもが含まれます。重度の急性栄養不良の子どもが適切な治療を受けられなければ、同じ年齢の健康な子どもに比べ、死亡リスクが11倍高まります。重度の栄養不良は、食料不足、乏しい家庭での食事習慣、体調不良、水や衛生システム、病気の流行、経済の崩壊など、複合的な要因によって悪化します。

高騰した食料に手が届かず
市場は開いているものの、人々が金銭的な理由で食料に手が届かないということが大きな懸念となっています。比較的安定している地域でも、食料価格が危機以前に比べて150%高くなっており、人口の大部分は、基本的な食料を手に入れることができません。調理用のガスを含む燃料の価格も高騰しています。

農業も紛争の甚大な影響を受け、食料生産が急激に落ち込んでいます。長引く危機の中でも、農業は、人口の4分の3の人々の主要な生計手段です。彼らにとって唯一の収入減であり、食料を市場に売りに出すアクセスを確保することは不可欠です。農業と農村生活は、地域の食料生産を支援し、生計を守り、食料の安全保障を改善するための人道的対応に欠かせません。

イエメンは紛争が始まる前でさえ、輸入への依存を原因として慢性的な食料不足に陥りやすい傾向がありました。国の食料需要の75%以上を輸入に頼り、80%以上の人々が貧困ラインを下回る生活をしていました。

人道支援
最大規模の人道支援活動がイエメンで行われています。食料安全保障の状況が悪化するにつれて、国連WFPは急速に支援活動を拡大し、毎月1,200万人に直ちに必要とされている食料と栄養支援を届けます。そのうち300万人は、栄養不良の治療と予防のための特別な支援を必要とする女性や子どもたちです。

FAOは生計を守るために500万人以上に対し、作物や野菜の種、漁具、鶏の生産キット、家畜のワクチン接種と治療、農業のインフラ復旧事業の労働に対する現金支援を行っています。

ユニセフは子どもたちの重度の急性栄養不良を予防し治療するために、イエメンの既存の保健医療施設において専門プログラムの実施を加速させています。これには、スタッフのトレーニングや、必要不可欠な備品、深刻な栄養不良の子どもへの特別な食料、そして薬を備えた設備を供給することが含まれています。2018年現在、23万人近くの子どもたちが重度の急性栄養不良の治療を受けました。

[動画: https://www.youtube.com/watch?v=10TCWfGIG7g ]



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国連WFPは世界約80ヵ国8000万人に対して、紛争や自然災害などの緊急時に命を救うための食料支援を届けるとともに、将来にわたって持続的に発展していくための強い社会づくりに取り組んでいます。

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