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欧米為替見通し:積極的なドル買いは手控え、利上げ時期後退はほぼ確実視との指摘も

注目トピックス 市況・概況

今日の欧米市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる9月利上げスタンスの後退や、上海総合指数の反発の弱さなどが意識されて積極的なドル買いは手控えられよう。

アトランタ連銀のロックハート総裁は直近の講演で9月利上げには言及せず、「人民元、ドル、原油価格が米国経済の見通しを複雑化した」と利上げ時期の後退を示唆した。同総裁はFOMCの中では「中間派」とされるが、4日の米紙とのインタビューで経済状況の改善を理由に9月の利上げに前向きな姿勢を示し、8月中旬にかけてドルが125円に上昇する流れを作った。ただ、直近の同総裁の発言を受けて、一部の市場関係者は「利上げ時期の後退をほぼ確実視している」と指摘。利上げをベースとしたドル買いのシナリオが崩れつつあるとも言えよう。

足元の市場関係者の関心は、27日から米ワイオミング州ジャクソンホールで開催が予定されているカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムに関心が向けられている。米国のインフレ動向をテーマに議論される予定で、フィッシャー副議長は29日にパネルディスカッションに参加するという。他の米当局者の参加は予定されていないことから、フィッシャー副議長の発言が9月利上げに向けさらに後退した内容なら、一段のドル売りにつながる可能性もある。

一方、中国政府当局による矢継ぎ早の金融政策が実施されても、上海総合指数の反応はいまいちなことから世界的なリスク回避の動きはなかなか弱まらない。市場関係者は、節目の3000ポイントが明確なサポートとなるかを注目している。上海総合指数のボラティリティの高さも、リスク選好のドル買いが活発化しない要因と言えよう。


【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・7月マネーサプライM3(前年比予想:+4.9%、6月:+5.0%)
・18:30 南ア・7月生産者物価指数(前年比予想:+3.8%、6月:+3.7%)
・21:30 米・新規失業保険申請件数(予想:27.5万件、前回:27.7万件)
・21:30 米・4-6月期GDP改定値(前期比年率予想:+3.2%、速報値:+2.3%)
・23:00 米・7月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+1.0%、6月:-1.8%)
・02:00 米財務省7年債入札(290億ドル)
・米カンザスシティ連銀主催シンポジウム(29日まで)



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