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新興市場見通し:ノーベル賞発表など手掛かりに中小型株物色の流れ、3社がIPO

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに強い動きを見せた。日米の政治情勢を睨み日経平均が2万円台で一進一退の展開となるなか、個人投資家の資金が中小型株に向かったようだ。マザーズ市場の1日の売買代金は9月28日、約3週間ぶりに節目の1000億円を上回った。量子コンピューター関連等のテーマ株が活況を見せたほか、直近IPO銘柄の一角も好調に推移した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.3%であったのに対して、マザーズ指数は+3.4%、日経ジャスダック平均は+2.3%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で1.8%安となる一方、サイバーダイン<7779>が同6.7%高、そーせいグループ<4565>が同3.3%高と堅調だった。また、9月22日に上場したPKSHA Technology<3993>の人気が続き、早くも時価総額が1000億円の大台に乗った。マザーズ売買代金上位では、スマートフォン向けゲームの中国でのベータテスト開始を発表したサイバーステップ<3810>、電気自動車(EV)関連とされる大泉製作所<6618>も大きく上昇した。反面、シリコンスタジオ<3907>が週間のマザーズ下落率トップだった。ジャスダック主力では、エン・ジャパン<4849>が同5.8%高となるなど人材サービス関連が堅調だった。また、YKT<2693>が量子コンピューター関連との見方から人気化し、株価が1週間で2.5倍となった。岡本硝子<7746>やユビキタス<3858>なども大きく買われた。一方、業績予想を下方修正したアイビー化粧品<4918>が週間のジャスダック下落率トップだった。IPOでは、29日上場のマネーフォワード<3994>が公開価格を9割強上回る強い初値形成となった。26日の壽屋<7809>、28日のロードスターキャピタル<3482>、29日のテックポイント・インク<6697>も堅調な初値を付け、テックポイントはストップ高水準まで買われて初日の取引を終えた。

今週の新興市場は、中小型株物色の流れが続き堅調に推移しそうだ。衆院選に向けて政治の動きが活発となっているうえ、海外では週末に米9月雇用統計の発表が控えており、日経平均は引き続きこう着感の強い展開となることが見込まれる。値幅取り狙いの物色は中小型のテーマ株や材料株、直近IPO銘柄に向かうだろう。マザーズ指数は依然出遅れ感があり、資金が集まりやすいと考えられる。

今週はノーベル賞の発表が予定されており、物色テーマとして注目されそうだ。また、10月3日から6日まで家電・IT見本市「CEATEC JAPAN 2017」が開催されるため、アスカネット<2438>などの出展企業の動向を注視しておきたい。なお、今週は3日に放電精密加工研究所<6469>、5日にフロイント産業<6312>、6日にシグマ光機<7713>などが決算発表を予定しているほか、シリコンスタジオも10月上旬の決算発表が見込まれる。

IPO関連では、10月5日にMS&Consulting<6555>とウェルビー<6556>がマザーズへ、大阪油化工業<4124>がジャスダックへそれぞれ新規上場する。このうちウェルビーは障害福祉サービスという事業内容で関心を集めているようだ。ただ、マザーズ上場の2社は公開規模が大きく、初値買い資金の分散も想定される。なお、先週はCasa<7196>(10月31日、東証2部)の新規上場が発表されている。10月のIPO件数は計7社となった。




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