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トランプ大敗?【フィスコ・コラム】

注目トピックス 市況・概況
アメリカ大統領選まで4カ月弱。直近の支持率調査で、トランプ大統領は民主党が指名候補として正式決定するバイデン前副大統領に大きく水を空けられています。ただ、こうした調査は4年前もクリントン優勢の事前予想をことごとく外しており、今回もあてにならないかもしれません。


NYタイムズとシエナ・カレッジが6月中下旬に実施した支持率調査によると、バイデン氏は50%となり、36%のトランプ氏を大幅に上回りました。トランプ政権が新型コロナウイルスの感染拡大をそもそも軽視していたこと、経済優先のため制限措置の緩和を急いだこと、さらに人種差別や警察の暴力に対する世論の批判も加わり、いかにもありそうな結果です。現時点での14ポイントの大差は、ひっくり返すのは困難に思えます。


しかし、本当にそうでしょうか。4年前の前回選挙を振り返ってみると、大半のメディアが「クリントン元国務長官リード」を断定的に報じていました。終盤になってトランプ氏の猛追で両候補の「拮抗」が伝えられましたが、クリントン氏優勢の見方は最後まで変わりませんでした。特に、NYタイムズが選挙直前に同紙の支持するクリントン氏が80%の確率で勝利すると報じたことは有名です。


確かに、コロナ感染による死者は世界で50万人を突破し、国別トップのアメリカは12万人超に達しています。感染者も世界全体の1000万人のうち、アメリカだけで250万人超と4分の1を占める状況です。経済への打撃も凄まじく、失業率は2ケタ台に急上昇。今月末に発表される4-6月期国内総生産(GDP)は1-3月期の前期比年率-5.0%からさらに大幅に落ち込むと予想され、回復はみえてきません。





選挙を制する要因が経済であるなら、トランプ氏の不利は否めないでしょう。ただ、CNNの調査で55%がバイデン氏に投票すると答えたものの、そのうちの6割はトランプ氏への批判票で積極的にバイデン氏を支持するとの回答者は4割以下にとどまります。焦点となる副大統領候補には民主党らしく女性やマイノリティを選ぶ考えのようですが、「サプライズ」で支持を広げられるかどうかは未知数です。


2月に始まった予備選による民主党の指名候補争いは、スーパー・チューズデーを経てバイデン、サンダース上院議員の2人に絞られ、ウイルスの感染拡大で劣勢のサンダース氏は3月に撤退。早い時点で候補者が一本化されたため、4年前のような党内の亀裂は避けられるかもしれません。しかし、だからといってサンダース票はそのままバイデン票とはならない可能性があります。

※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


(吉池 威)


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