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一尾仁司の「虎視眈々」:◆「金利を求めて何処までも〜」◆

注目トピックス 経済総合


●金融市場の三つの動き●


昨日、金融市場を巡る三つのニュースがあった。一つは財務省発表の対外対内証券投資。7/3〜7/9週は対外中長期債投資が2兆5491億円と過去最高の買い越しに膨らんだ。株式・投資ファンド持分2212億円を加えると2兆7703億円の規模。月初に膨らむ傾向はあるが、6月は9975億円(株式は1295億円)だった。


ロイターの報道によると「日本の20年物国債まで一時マイナス金利に沈み、これまで慎重だった投資家も腹を括ったのではないか」との生保幹部のコメントを伝えている。ドル円100円攻防の円高局面を好機と捉えた可能性もある。ただ、ドル円のヘッジコストは1.3%程度と見られ、1.5%割れの米10年国債はギリギリのプラス金利。1.4%はかなり厳しい分岐点。ロイターは国債から一部米モーゲージ債に資金が向かっていると伝えている。ただし、期日前償還リスクが高いなど、短期でヘッジしなければならずコスト高。欧米銀が四半期末毎にポジション圧縮を行い、ドル調達コストが跳ね上がるリスクなどがある。ヘッジをするにしても、為替相場の円高進行を抑えたと受け止められる。ヘッジファンドを中心とした思惑的な円高に(政府・日銀の介入が無くとも)対抗する力があることを示したと考えられる。


二つ目は英中銀が利下げを見送ったこと。一時、ポンド相場や英株が乱高下した。声明では「8月の利下げ」を示唆しているので、基調が大きく変化した訳ではないが、英中銀がポンド安進行に警戒的スタンスを示した可能性がある。7月末の日銀政策決定会合で、「追加緩和があっても無かっても円高」との観測が流れ、円高の膠着局面だったが、壁となっていたドル円105円のフシ目が払われた。全体として、金融政策をキッカケとする円高仕掛けは4月末、6月中旬とスケールダウンしている印象を受ける。英中銀のスタンスが、金融政策依存からの脱却を示す流れになるのか、注目されるところだ。ただし、英中銀は「短期的に商業用不動産価格は『相当下落する』」との見通しを示している。14日、英王立公認不動産鑑定士協会発表の不動産業者指数はマイナス46、前月のマイナス35から大幅に落ち込んでおり、警戒ムードがある。


三つ目はJPモルガンの決算。第2四半期は管理コスト低下、融資拡大、資本市場の回復を受け、市場予想を上回った。債券トレーディング収入が前年同期比35%増の39.6億ドルと伸びた。注目は、そのJPモルガンが経営危機の伊モンテ・パスキの不良債権を買い取る機関「アトランテ」に70億ユーロのつなぎ融資を行う可能性があると報じられたこと。モンテ・パスキは70%割引で不良債権を売り、40億ユーロ程度の資本不足に陥ると見られているが、UBSと米シティが中心になって、国際的銀行約15行に出資を打診していると伝えられる。イタリアの銀行問題がそれほど深刻な事態にならずに済んでいる背景と考えられる。


以上



出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(16/7/15号)




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