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パート・アルバイト戦力化の可能性を調査  「平成23年版 パートタイマー白書」を発表 〜労働力不足時代を乗り越えるカギは「柔軟な雇用管理」〜【アイデム人と仕事研究所】




求人広告を企画・発行する株式会社アイデム(東京都新宿区、代表取締役社長:椛山亮、以下アイデム) http://www.aidem.co.jpの研究開発部門・人と仕事研究所は、調査資料として「平成23年版 パートタイマー白書」を発表いたしました。
平成23年版では、労働力不足が懸念される将来を見据え、「パート・アルバイトの可能性 ―柔軟な雇用管理で、労働力不足時代に備える―」をテーマとしてアンケート調査を行いました。パート・アルバイトとして働く側・雇用する企業側からの回答をもとに、パートタイマーは正社員の代替戦力となり得るのか、どのようにすればその力を企業経営に有効に活かせるのか、について分析しています。
同調査資料の全文は、アイデム 人と仕事研究所のホームページ( http://apj.aidem.co.jp/ )でも、期間限定(2011年9月30日まで)でご覧いただけます。

【調査結果 概要】 ※図・表については添付資料をご参照ください。

1 都合のいい時間に働ける「パート・アルバイト」― 一方で「正社員」への壁
今回の調査に回答した「パート・アルバイト」の内訳は、主婦パート(既婚女性)と一般パート・アルバイト(学生を除く男女)が約半数ずつ。現在の働き方を選んだ理由を聞くと、「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」との回答が最も多く、全体の49.6%でした。また、一般パート・アルバイトにおいては約半数が「正社員としての職が得られないから」と答え、正社員として「働きたくとも働けない」現在の厳しい雇用情勢を反映する結果となりました。【表1】

2 業務内容と責任-正社員と重複しているにもかかわらず「賃金格差」を実感
パート・アルバイトの業務実態に関する調査では、47%の企業でパート・アルバイトと正社員の業務内容の「大部分が重複」していることがわかり、責任の面においても同様の傾向が見られました。そして、パート・アルバイトと正社員の業務内容・責任の大部分が重複するとした企業のうち、約6割は「正社員とのバランスを考慮した賃金になっている」と回答しました。
一方、パート・アルバイト側は、6割強が正社員と「業務内容に重複がある」と答え、うち8割以上はその正社員よりも自身の賃金が低いと感じていました。また、賃金格差への納得度は、業務内容・責任が正社員と同じだと考えている人ほど低くなる傾向にありました。パート・アルバイトが自身の待遇に納得して働き、力を発揮するには、企業側が正社員との業務内容・責任の違いを明確に提示する必要があるようです。【図1、表2】

3 働きぶりへの「評価」-働く側・雇用する側の双方が肯定
パート・アルバイトへの評価実態についても調べたところ、企業側の回答は「評価する基準を定めている」が約6割、「明確な基準がなく管理者に評価を任せている」が約4割となりました。評価結果を活用している企業については、95.3%が「評価することは有益」と答え、その理由として「本人のモチベーション向上」や「適正な人員配置に役立つ」と考えていることがわかりました。【表3】
しかし、パート・アルバイト側では、「自身の働きぶりで処遇に違いが出る」との回答は2〜3割にとどまり、企業側の認識との間には差が生じていることが明らかになりました。パート・アルバイトの6割強は「働きぶりに応じて同僚と賃金や待遇に差がつくこと」を肯定していることから、評価基準を明確化・公開し、さらにそれを処遇に反映させることが、働く側の労働意欲喚起と雇う側の適正な雇用管理という成果につながると考えられます。【図2】

4 正社員登用―真の課題は「評価の基準」
正社員登用の実態について調べると、約8割の企業に登用の実績があり、登用の際の判断基準としては「仕事を遂行するための能力」という点が最も重視されていることがわかりました。
また、企業側に正社員登用のメリットを聞くと、「本人のモチベーションが向上する」という回答が最多の45.5%となりました。登用実績の有無で比較すると、すべての選択肢において、実績が“ある”企業は実績が“ない”企業よりもメリットとして挙げている割合が高かったことから、正社員登用の実績が“ある”企業はそのメリットを強く実感していると言えます。
一方、課題については、約4割が「人件費等のコスト増」を挙げていました。登用実績の有無で見ると、実績が“ない”企業における想定上の回答割合が全体的に高くなりました。また、実績が“ある”企業においては「評価管理者によって評価に偏りが出る」という回答が実績が“ない”企業よりも多く挙がっていました。実際に、登用制度もしくは実績が“ある”企業の約6割が「登用に明確な基準がなく、評価管理者に委ねている」と回答していることから、評価管理者の教育も課題を解消する上で考慮すべき点になると考えられます。【図3】
以上の結果より、優秀なパート・アルバイトの正社員登用は企業側に様々なメリットをもたらすことが確認できました。ただし、登用後も力を発揮してもらうためには、明確な基準と透明性の高い制度の構築が、まず取り組むべき課題となるようです。

5 雇用形態にとらわれない適切な評価が、人材の「有効活用」につながる
企業側はパート・アルバイトを自社戦力としてどのように感じているか、同時にパート・アルバイト側は仕事に対してどのように考えているかについての調査を通じて、パート・アルバイトのさらなる戦力化の可能性を分析しました。
企業側にパート・アルバイトの働きぶりについて問うと、約7割以上が「良い」と高く評価しており、正社員登用後の働きぶりについても、8割以上がプラスの評価をしていました。これにより、パート・アルバイトは、十分に正社員の代替戦力になり得ると考えられます。
また、パート・アルバイト側についても、約4割が「正社員になりたい」、6割以上が「働くことやキャリアアップに意欲がある」と答えました。さらに、企業が正社員に最も求める資質である「会社の理念や方向性を理解した行動」に関しても、約3割のパート・アルバイトが「会社の理念や方向性」を知っており、教育を受けているほどその共感度も高いことがわかりました。これは、教育次第で正社員として必要な資質を伸ばせることを示しています。【図4〜5、表4】
以上の調査・分析により、人材不足を感じる企業が意欲のあるパート・アルバイトを見出し、活用することは、有効かつ効率的な人材確保の手段となるという結論に至りました。「柔軟な雇用管理」=「雇用形態にとらわれず人材の力を見極め、明確な基準・制度で評価・登用し、適切に活用すること」こそが、労働力不足時代の企業経営において不可欠な要素と言えるでしょう。

※「平成23年版 パートタイマー白書」冊子版については、7月8日発行予定です。

【調査概要】
■パート・アルバイト雇用調査[企業]
調査対象/弊社営業エリア内または短時間労働者数50,000人以上(厚生労働省:平成22年賃金構造基本統計調査)の都道府県にある企業で、人材の雇用(採用・育成・活用等)に決定権、もしくはある程度の裁量権を持っている方
有効回答数/1,445社、調査期間/平成23年4月22日〜4月25日、調査方法/マクロミルモニタを利用したWebアンケート調査

■パート・アルバイトの働き方に関する調査[個人]
調査対象/パート・アルバイトとして働いている20歳以上の男女(学生除く)
有効回答数/1,025人、 調査期間/平成23年4月22日〜4月24日、調査方法/マクロミルモニタを利用したWebアンケート調査          


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