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就職活動をする学生に自覚してもらうべきこと

3年以内の退職率を下げるために、これからの新卒就職活動生に伝えるべきことは、社会保険制度の仕組みと、学生と社会人の立場の違い。
10月に入り、2009年度の新卒採用が始まった。都内で学生の
就職活動を支援するWILL62では、学生の就職活に対する敏感な動きを
毎日自社ホームページへのアクセスキーワードで感知している。

大学の後期授業がはじまった9月半ば頃(就職活動オープン約2週間前)
から、就職活動に関するキーワードでの検索率が全国的に高くなっている。
スポンサーサイトを使っての掲載のため、予算の関係上、急遽関東のみの
表示に切り替えたほどだ。それでも毎日多くの学生が、就職活動に関する
情報を集めようとしていることが分かる。

マニュアル世代といわれている世代らしく、今の学生が気になる事柄は
テクニック的なことだ。「就職活動セミナー」、「面接対策」「面接マナー」
「グループディスカッション」などが特に集中して検索に用いられる
キーワードとなっている。その中でも特に、人と関わらなくてはならない
面接やディスカッションについては、関東だけでも多い日は1,000回以上
も、それらのキーワードが検索で用いられている。Yahooを利用した検索
なので、GoogleやMSNなど他のサイトを利用している人を含めるとそれ以上に
なる。

WILL62が開催する無料セミナーでは、そのようなテクニックを求める
学生に、まずは学生と社会人の違いを根本から理解してもらい、社会人に
なるという自覚をしっかり身につけてもらっている。3年以内に退職して
しまう大卒新人が36.5%といわれている現在、どんなに小手先の
テクニックをつけて内定を得たとしても、問題はその後である。

イージーに、企業体質が合わなかったらチェンジする、数年の内に退職する
という傾向にある学生に、現実はイージーではないことをまずは社会保険制度
の仕組みを解説しながら知ってもらうのである。

毎回セミナーには10から20名の学生が参加する。その彼らに国民年金の
金額を問うと、多くの学生が保護者によって支払われているため、金額を
知る人は殆どいない。中には、オレンジ色の手帳を見たことが無い学生もいる。
現在毎月14,100円の国民年金が、会社に入社すると厚生年金になる
ということを教え、料金の高い厚生年金が将来的に受給する時に、国民年金
だけを納めてきた人に比べて、受け取る年金が高くなるということを伝える。
しかし、もし次の就職先が決まらない内に退職をした場合、国民年金を払い
続けることができるのかどうかを尋ねると、学生はハッとする。大学を卒業
した社会人の自分達のために、保護者は一体払ってくれるのだろうかと不安を
抱く。改めて14,100円の大きさに気づくのである。

また、健康保険についても同様、現在は保護者の扶養家族として申請されて
いることを知ってもらい、もし、入社してすぐに退職するとなると、改めて
保護者の扶養家族に入ることができるのか、またそれは恥ずかしくないこと
なのかを問う。退職後に任意継続という手続きもあるが、その対象となる
条件などを伝えることによって、身を引き締めてもらう。国民健康保険料と、
組織から加入する健康保険料の金額の違いを認識してもらい、お給料を得る
ことの大切さや、退職した場合のリスクをリアルに伝えると、学生の就職に
対する真剣さは変わってくるのである。

失業保険についても説明をする。継続して雇用保険に6ケ月加入していなくて
はならないこと、そして本人都合で退職している場合は、ハローワークに
申請してから約3ケ月後でないと失業手当は発生しないことを伝える。大学
卒業後は、もう学生ではないのだ。経済的に社会人として自立するという
ことが、どういうことかを伝えると、学生は考え方が変わってくる。

実際、社会保険制度について大学の就職課では語られているだろうか?また、
新入社員に改めてこれらの仕組みについて説明している企業はどれだけいる
だろうか。恐らく、多くの大人は語らずとも知っているであろうということを
前提に、学生や新人と接してきていると推察される。セミナーに参加した
学生からは「大学のセミナーや就職活動対策本ではなかなか知ることのでき
ない貴重な情報だった」「特に社会保険の重要性などは気にしたことが
なかったので、こういうことも考えなければならないのかと思った」
「社会保険の重要性など、今までは気づけなかったことに目を向けられる
ようになった」とメールで感想が寄せられてくる。

また、早すぎる退職は決っして次に採用する企業にとって、魅力のある人材
ではないことを諭す。学生が就職活動に必要となるのは、履歴書である。
しかしこれが一度社会人になると職務経歴書が伴う。採用する側は、何を
どのくらい経験したかを見るのだ。そこでスキルとキャリアが求められる
ということを説明する。そこにどれだけ説得力を持たせることができるかは、
やはり年数も関係するということを伝え、継続するからこそ得られるもの、
耐えるからこそ認められるもの、長く携わるから悟ることなどの大切さを
理解してもらう。

かつて終身雇用という観念が基本だった時代は、退職する人が現在ほどは
多くはなかったので、改めて社会保険制度や退職後のリスクを説明する
必要性が無かったであろう。しかし、大卒新人の3年以内の退職率が高いと
されている今、本人達の将来にとっても自覚する必要性がある。社会人に
なるということ、経済的に自立するということ、そして継続は力なりと
いうことを。

株式会社WILL62
代表取締役 大久保 直子
info@will62.co.jp
http://www.will62.co.jp

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