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【ダイキン】「熱中症リスク軽減に不可欠なエアコンの使用実態」を調査


近年、熱中症はより深刻な社会課題となっています。6月の梅雨時期から8月の夏本番を中心に、毎年4万人以上が救急搬送され(※1)、1,000人以上が亡くなる年が続いています(※2)。こうした状況から、政府は、熱中症対策の強化を目的に気候変動適応法を改正し、2023年5月に公布(※3)しました。また、法律の改正を受け、政府は熱中症対策への取り組みや啓発活動のさらなる強化に向けて、熱中症のリスクが高まる高温多湿の環境への注意喚起とともに、エアコンを使って温度と湿度を調節することも推奨(※4)しています。
こうした中、当社は、生活者の熱中症対策への意識や、梅雨時期や夏場のエアコンの使用実態などを把握するため、全国の20代〜60代の男女1,046名を対象に「熱中症リスク軽減に不可欠なエアコンの使用実態」について調査しました。
今回の調査では、梅雨時期から夏場にかけて、9割近い人が自分なりの熱中症対策に取り組んでいることや、熱中症対策に取り組む人の多くはエアコンを使用していることが分かりました。一方で、全体に占めるエアコン使用者は約6割〜7割に留まり、梅雨時期には2.5人に1人が、夏場には3人に1人がエアコンを使っていないことも分かりました。
エアコンを使わない人にその理由を尋ねたところ、約半数が「電気代がもったいないから」と回答しています。また、エアコンを使っている人も電気代への意識が強く、エアコン使用者の約7割がエアコンの電気代の高さに不満を感じていることが分かりました。電気代の値上げが続く中、消費電力の大きいエアコンを使うことへのジレンマが伺えます。熱中症死亡者のうちの9割以上がエアコン不使用だったという調査結果(※5)もある中、エアコンを使うことへのためらいの低減は重要です。そこで本資料では、室内の温度や湿度を下げることの重要性に加えて、エアコンの上手な使い方や選び方をご紹介します。
なお、当社は、熱中症による死亡者を2030年までに半減させることを目標に掲げる政府と連携した啓発活動に取り組むため、本資料を通じて、熱中症対策の啓発活動を行う環境省から生活者に向けたメッセージもご紹介します。
約9割が熱中症対策に取り組む反面、エアコンを使わない人も多数。梅雨時期には2.5人に1人が、夏場には3人に1人がエアコン不使用
梅雨時期から夏場にかけて気温や湿度が上昇することで、人の体が実際に感じる温度である「体感温度」が上がり、不快な暑さとともに熱中症の懸念も高まります。体感温度のコントロールにおいて温度と湿度の調節は重要で、エアコンの使用は欠かせません。熱中症死亡者のうちの9割以上がエアコン不使用だったという調査結果もある中、熱中症対策の専門家はエアコンは涼しい環境を保つために必須だと指摘しています(※6)。
今回の調査では、梅雨時期から夏場にかけて、87.9%の人が自分なりの熱中症対策に取り組んでいることや、熱中症対策に取り組む人の多くはエアコンを使用していることが分かりました。一方で、全体に占めるエアコン使用者に目をやると、梅雨時期で59.6%、夏場で68.7%に留まっていることも分かりました。熱中症対策をしていない人を含めると、梅雨時期には2.5人に1人が、夏場には3人に1人がエアコンを使っていない実態が明らかとなりました。
画像 : https://newscast.jp/attachments/FcI6J2MvNxEGiKdEJ2LJ.jpg
エアコン不使用の理由、一番は「電気代がもったいない」次いで「肌寒い」。エアコンを使っている人にとっても電気代や肌寒さは不満
今回、梅雨時期や夏場にエアコンを使わない人にその理由を尋ねたところ、「電気代がもったいない」が最多で、梅雨時期と夏場いずれにおいても約半数(梅雨時期には46.7%、夏場には50.4%)を占めていることが分かりました。電気代への関心の高さはエアコンを使っている人も同様で、エアコン使用者の約7割が、エアコン使用時の電気代の高さに不満を感じていることも明らかとなりました。また、2023年5月に当社が実施した調査(※7)では、昨今の電気代値上げを背景に、61.7%もの人がエアコンの使用を控えようと思っていることも明らかになっています。電気代の値上げが続く中、消費電力の大きいエアコンを使うことへのジレンマやためらいがあることが伺えます。
エアコンを使わない理由やエアコン使用時の不満は、電気代のほかにも、「エアコン使用時に肌寒くなる」ことや「湿気による不快感が解消できない」ことも挙げられました。政府や熱中症対策の専門家がエアコンの使用を推奨する中、より多くの人に、ためらわず適切にエアコンを使っていただくため、電気代や快適性への不安や不満をできるだけ和らげるための情報提供の必要性を感じる結果となりました。
画像 : https://newscast.jp/attachments/4BghU1Q2HjhqdaOWAQwO.jpg
体感温度の低減や熱中症の予防には温度や湿度のコントロールも重要。エアコンを使っていない人のうち約7割は、それを知りつつもエアコン不使用
環境省は、熱中症予防の一環として、熱中症のリスクを評価する指標である「暑さ指数(WBGT)」の活用を推奨しています。「暑さ指数(WBGT)」は、熱中症のリスクを増大する要因である「気温」「湿度」「日射・輻射」「風」をもとに算出する値です。中でも温度と湿度は重要で、日本生気象学会は「暑さ指数(WBGT)」を気温と湿度から簡易に推定できる方法として、「室内用のWBGT簡易推定図 Ver.4」を紹介しています。
エアコンは、室温を下げるだけでなく湿度を下げる働きもします。また、「湿度が20%変わると、体感温度は4℃変わる」とも言われています。今回の調査では、梅雨時期または夏場にエアコンを使わない人の約7割の69.6%が、温度だけでなく湿度の高さが熱中症リスクを高める一因であると知っていながらもエアコンを使っていない実態も明らかとなりました。熱中症リスクの指標である「暑さ指数(WBGT)」を目安にしながら、温度や湿度に気を配ることも大切です。
画像 : https://newscast.jp/attachments/3WpZKIsnwTmzpGWAr25J.jpg
家電製品の消費電力量のうち最も多い約34%を占めるとされるエアコン。ムダな消費電力を抑える工夫や、電気代を抑えられる機種の検討もおすすめ
エアコンを使わない理由や、エアコン使用時の不満として最も多かったのが「電気代」でした。家電製品の消費電力量のうち最も多い約34%(※8)を占めるとされるエアコンですが、厳しい蒸し暑さの中で無理に使用を控えると、熱中症を引き起こすリスクも考えられます。エアコンを効率的に運転させてムダな消費電力を抑えたり、エアコンを買い替える際には電気代を抑えられる機種を検討したりすることも大切です。
エアコンの基本的な節電方法
エアコンは、室内機で取り込んだ空気から熱を奪い、熱が減って冷たくなった空気を室内に戻すことで部屋を涼しくしています。室内の空気から奪った熱は室外機まで移動させ、室外機で取り込んだ空気中に逃がします。エアコンの運転効率の低下を抑えるには、室内機と室外機がスムーズに空気を吸い込んだり吹き出したりできる状態を保つことが特に重要です。例えば、室内機のフィルターに約3年分のホコリが溜まった状態で、なおかつ室外機周辺の障害物で風通しも悪くなっていると、消費電力量が2倍以上になってしまう場合もあります。こうなってしまわないよう、2週間に1回を目安としたフィルター掃除を心掛けたり、室外機の吸込口や吹出口を荷物やカバーで塞がないように気をつけたりすることが大切です。
画像 : https://newscast.jp/attachments/5WSNOcafmwxmrQP3QXnY.jpg
フィルター掃除や室外機周辺の整理整頓以外にも、エアコンは、普段の使い方次第で快適性を保ちながら電力消費を抑えられます。電気代を節約しながら快適に過ごしていただけるよう、エアコンの電気代節約に関する情報をまとめたWEBコンテンツ「エアコンの電気代を節約する方法」を当社WEBサイトで公開しています。ぜひご覧ください。
〔WEBコンテンツ「エアコンの電気代を節約する方法」URL:https://www.daikin.co.jp/air/life/electricbill
エアコンの電気代の目安を知る方法
エアコンのカタログなどを見ると、その機種の消費電力が記載されています。その値を用いてエアコンの電気代の目安を計算できます。例えば1時間あたりの電気代の計算式は「消費電力(kW)×電力料金単価(円)×1(時間)」です。自宅のエアコンのおおよその電気代が分かれば、長時間の不在の際にはエアコンを停止させてムダな運転を防ぐなどの節約の動機付けになるかもしれません。
また、エアコンを買い替える際には、機種による電気代の差を計算し、この先10年使うことを考えながら比較できます。より省エネで快適な機種はエアコン本体の価格が高いのが一般的ですが、10年分の電気代もあわせて考えた場合、省エネ性や快適性が標準的な機種とあまり変わらない出費で買い替えられることもあります。比較的高性能な機種を選ぶことで、今回の調査で挙げられた電気代や肌寒さ、ジメジメした不快感などの不満も和らぎ、エアコンを使うことへの抵抗を抑えられるかもしれません。
画像 : https://newscast.jp/attachments/fyiamHgLpoBnKHKpaBr2.jpg
エアコンの風向を下向きにしておくと肌寒さにつながることも。除湿運転の性能も快適性にとって重要なポイント
エアコンを使わない理由や、エアコン使用者の不満では、電気代の高さに次いで「必要以上に肌寒くなる」ことが挙げられました。この不満も、エアコンの選び方や使い方である程度抑えることができます。
「温度ムラ」による肌寒さや足元の冷え
暖かい空気は上昇する性質があるため、夏場の室内は、天井側と床側の空気の温度に差が生じる「温度ムラ」が起きやすくなっています。エアコンは一般的に、天井付近に設置された室内機で室温を検知しているため、冷房運転時に温度ムラができていると、「室内はまだ設定温度に達していない」と判断します。こうした場合、人が暮らす床付近は十分涼しくなっていても、必要以上に運転してしまうことがあります。エアコンが必要以上に運転することで、足元の冷えや肌寒さを感じるだけでなく、消費電力や電気代の増加にもつながります。
エアコンの風向を水平にしたり、空気清浄機やサーキュレーター、扇風機などを使って室内の空気を撹拌したりするなど、温度ムラを抑える工夫をおすすめします。また、エアコンを買い替える際には、室内の温度ムラを抑える気流を搭載した製品を選ぶのも工夫のひとつです。
画像 : https://newscast.jp/attachments/xT3WxObvYzjjh6dfsBDO.jpg
「気流が身体に直接あたる」ことでの肌寒さ
体感温度は、温度や湿度だけでなく、「気流」でも変化します。エアコンから吹き出す風が直接体に当たり続けていると、肌寒く感じることがあります。冷房運転の際に風向を下に向けると、温度ムラが発生しやすくなることに加え、体に直接気流が当たりやすくなり、肌寒さにつながることもあります。こうしたことからも、エアコンの風向を水平にしたり、人に気流を直接当てずに室内を快適にする機能を持つエアコンを選んだりすることをおすすめします。
「気温が高くない日の除湿運転」による肌寒さ
梅雨時期から夏場にかけて、あまり気温は高くなくても、湿度が高いことで蒸し暑く感じることがあります。こうした日には、湿度を下げることを主目的とした「除湿運転」や、温度や湿度に応じて冷房運転と除湿運転を切り替えながら温湿度をバランスよく下げるように動く「自動運転」を使うことをおすすめします。ただ、一般的な除湿方式である「弱冷房除湿」方式を採用したエアコン場合、除湿時には、湿度だけでなく室温も低下させます。一方で、「再熱除湿」方式や、メーカー独自の工夫を加えた除湿方式※9は、除湿の際の室温の低下が抑えられます。
実は、梅雨時期や夏場にエアコンを使う際、除湿運転時の快適性や省エネ性は重要です。一般家庭で稼働する当社のルームエアコン12万台以上を調査※10したところ、梅雨時期から夏場にかけて自動運転で稼働している時間のうち、約60%は除湿運転をしていることが分かりました。
エアコンを選ぶ際、除湿方式やその性能をチェックするのも工夫のひとつです。
画像 : https://newscast.jp/attachments/H4tVKDHx8FMCfG3TxVKF.jpg
政府と連携した啓発活動に取り組むため、本資料を通じて、環境省から生活者に向けたメッセージをご紹介
熱中症がより深刻な社会課題となる中、政府は、熱中症による死亡者を2030年までに半減させることを目標に、熱中症予防の呼びかけを強化しています。当社もこれまで、人々の暮らしを支える空調専業メーカーとして、熱中症が心配される季節には湿度コントロールの重要性などを積極的に発信してきました。このたび、さらなる情報発信の強化に取り組む環境省と連携した啓発活動として、生活者に向けた環境省からのメッセージを以下にご紹介します。
政府一体となった熱中症対策の強化 〜環境省からのメッセージ〜
熱中症については、気候変動の影響により、国内の死亡者数は増加傾向が続いており、近年では年間1,000人を超える年が頻発しています。こうした背景を踏まえ、政府は、熱中症対策の一層の強化を図るため、令和5年4月に気候変動適応法を改正するとともに、政府の熱中症対策の計画として、「熱中症対策実行計画」を令和5年5月に取りまとめました。
法律の概要
○政府の熱中症対策実行計画の策定
○熱中症警戒情報(熱中症警戒アラート)・熱中症特別警戒情報の法定化
○クーリングシェルター制度の創設  等
熱中症対策実行計画の概要
○2030年までの目標として熱中症による死亡者数を現状から半減
○普及啓発・情報提供を強化。政府一体となり、地方公共団体、民間事業者を巻き込んだ熱中症予防強化キャンペーンを実施
○節電にも配慮したエアコンの適切な使用の呼びかけを実施
○高齢者等の熱中症弱者のための対策につき、福祉等関係団体等との連携により見守り・声かけを強化
○学校や職場、スポーツ、災害発生時等の場での管理者による熱中症対策や、管理者がいないことが多い農作業場等での熱中症対策を強化
○地方公共団体における、地方公共団体内の部局の役割を明確にし、連携・協力して、必要な対策を実施できるような庁内体制整備を促す。
熱中症警戒アラートの活用
○環境省では、熱中症の危険性が高い場合、「熱中症警戒アラート」を発表しています。熱中症警戒アラートは「熱中症予防情報サイト(https://www.wbgt.env.go.jp/sp/)」や環境省LINEから確認をすることができます。熱中症は適切な予防や対処が実施されれば、死亡や重症化を防ぐことができます。熱中症警戒アラートが発表された場合は、次のような予防行動を積極的にとりましょう。
 ●適切にエアコンを使おう
 ●こまめに水分・塩分を補給
 ●見守り、声かけ
2023年熱中症予防強化キャンペーンポスターのURL
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/pr/20230530_poster_a2_keypoints.pdf
画像 : https://newscast.jp/attachments/0QlmQnKweW3YylW0OSWj.jpg2023年熱中症予防強化キャンペーンポスター
<調査概要>
・調査名:熱中症リスク軽減に不可欠なエアコンの使用実態(調査期間: 2023年6月2日〜6月6日)
・調査対象:全国の20代〜60代の男女
・有効回答数:1,046サンプル

※1:総務省消防庁「令和4年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」にもとづく。
※2:厚生労働省「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より」にもとづく。
※3:気候変動適応法等の一部を改正する法律:令和5年5月12日公布。
※4:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」にもとづく。
※5:東京都福祉保健局 東京都監察医務院「令和3年夏の熱中症死亡者の状況【東京都23区(速報値)/[参考]多摩島しょ地域(速報値)】」にもとづく。
※6:当社ニュースレター「猛暑の時期の必須アイテムであるエアコンの万一の不具合に油断は禁物」(2023年4月27日)にもとづく。
※7 当社が実施した「電気代値上げとエアコンの節電に関する意識調査」(2023年5月30日)にもとづく。
※8 経済産業省「平成30年度電力需給対策広報調査事業」の結果にもとづく。
※9 例えば、当社のルームエアコンR、RX、A、AX、D、DXの各シリーズには「さらら除湿(二リアハイブリッド方式)」が、M、MX、F、FXの各シリーズには「さらら除湿(ハイブリッド方式)」が搭載されています。
※10 当社ルームエアコン(2020年および2021年モデルのR、RX、A、AXシリーズ)計123,886台を対象に、2021年5月1日〜2021年9月30日の運転データより抽出。
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