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欧米為替見通し:ドル・円は売り材料が意識されよう

注目トピックス 市況・概況
30日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。堅調な米国内総生産(GDP)を好感してドルに買いが入りやすい。ただ、前日大幅高の反動が見込まれるほか、米トランプ政権がドル安志向を強めるとの観測もあり、ドル・円は売り材料が意識されよう。

29日の取引で、米国の4-6月期GDP改定値は下方修正の予想に反し上方修正され、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針を強く後押しした。また、英国の欧州連合(EU)からの強硬離脱のリスクが低下したとの思惑からポンド・円が急伸し、ドル・円は一時111円80銭台に押し上げられた。本日のアジア市場では早朝の時点でドルは112円台を目指す展開とみられたが、午前中に発表されたオーストラリアの4-6月期民間設備投資が予想外に弱く、豪ドル・円などクロス円で円買いが強まった。ドル・円は前日の大幅高の反動もあり、値を下げるシナリオもありえよう。

今晩も、引き続き北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や米中摩擦など通商問題が注目される。交渉が難航すれば米中摩擦も意識され、世界経済の減速への懸念から安全通貨のドルと円が買われ、逆の場合はドルと円が売られる見通し。一方、通商協議を通じ、トランプ政権による為替政策に思惑が広がる。経済覇権の維持を目論むトランプ政権は通貨安政策に注力するとの見方もあり、米国の貿易交渉の詳細について一層注意を払う必要がありそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・7月住宅ローン承認件数(中銀)(予想:6.5万件、6月:6.56万件)
・18:00 ユーロ圏・8月景況感指数(予想:111.9、7月:112.1)
・18:30 南ア・7月生産者物価指数(前年比予想:+6.0%、6月:+5.9%)
・21:00 独・8月消費者物価指数速報値(前年比予想:+2.0%、7月:+2.0%)
・21:30 米・7月個人所得(前月比予想:+0.4%、6月:+0.4%)
・21:30 米・7月個人消費支出(前月比予想:+0.4%、6月:+0.4%)
・21:30 米・7月コアPCE価格指数(前年比予想:+2.0%、6月:+1.9%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.2万件、前回:21.0万)



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