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連休明けの米国市場の動向待ち、日経平均は反落も想定内の動き【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
31日の日経平均は3営業日ぶりに小幅反落。89.63円安の27279.80円(出来高概算22億8000万株)で取引を終えた。急ピッチの上昇に対する警戒感や追加の対ロ経済制裁に伴うコストプッシュインフレへの懸念から売り先行スタート。取引開始後に一時27250.70まで値を下げる場面があった。ただ、中国・上海市がロックダウンを6月1日から事実上解除すると発表。世界景気の減速やサプライチェーンの混乱などへの懸念が和らぎ、売りが一巡した後は27400円を挟んだ水準での底堅い展開が続いた。ただし、MSCIのリバランスに伴う需給のほか、連休明けの米国市場の動向が気がかりとあって、引けにかけては日中の下限レベルで推移していた。

東証プライムの騰落銘柄は値下がり銘柄が1200に迫り、全体の6割超を占めた。セクターでは、鉱業、保険、石油石炭、鉄鋼など6業種が上昇。一方、海運、不動産、空運、電気ガス、その他製品など27業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、TDK<6762>、富士フイルム<4901>、ソフトバンクG<9984>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、KDDI<9433>、ファナック<6954>、テルモ<4543>、京セラ<6971>が軟化した。

欧州連合(EU)は30日、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、ロシア産原油を対象とする初の輸入制限措置を発動すると明らかにしたため、原油先物市況が上昇。資源高によるインフレへの警戒感が相場の重しになった。米金融当局も積極的な金融引き締めが続くのではないかとの思惑から時間外取引での米長期金利が上昇したことで、半導体関連などグロース株売りにつながったようだ。一方、中国国家統計局などが31日発表した5月の購買担当者景気指数(PMI)で、製造業と非製造業はともに前月と比べ上昇し、市場予想も上回ったことから、中国景気の減速に対する不安感が後退し、投資マインドの改善に寄与した。また、原油高を背景に石油資源関連株にも物色の矛先が向かった。

日経平均は下落したが、5日線を上回る水準にあるほか、リスク要因の一つとなっていた中国経済も底打ちの兆しがみられ、「徐々に地合いが改善しつつある」との指摘が聞かれ、先行き期待感が広がりつつある。ただ、対ロ経済制裁の強化による資源価格の上昇を背景にしたインフレ高進への不安感、秋以降の米国での大幅な利上げやそれに伴う景気減速への懸念など不確定要素も多く、外部要因に左右される状況に変化はない。このため、今後もファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の動向を確認しながらの展開が続きそうだ。




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