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ムサシ Research Memo(5):印刷システム機材は買い替え需要や印刷用材料の販売好調を想定

注目トピックス 日本株

■各事業の詳細

(2)印刷システム機材

印刷システム機材は、これも富士フイルムとの特約店契約から始まった。ムサシ<7521>は富士フイルムの印刷機材における3大特約店の一角を占めているが、マイクロフィルム関連機材の代理店としての実績が評価されてのことと思われる。

同社の印刷システム機材事業が扱う商材は、有版印刷(いわゆる印刷はすべて有版印刷の範疇に含まれる)の印刷版材料と、印刷機器の2つに分けられる。印刷機器については、富士フイルム製の有版システム(有版印刷機)と、富士ゼロックス製の無版システム(デジタル印刷機)の双方を取り扱っている。売上高の内訳としては、印刷機器よりも有版印刷の印刷材料の方が多く60%程度を占めているとみられる。

2014年3月期の印刷システム機材の売上高はほぼ事前予想通りの15,055百万円(前期比3.6%減)だった。印刷用材料の販売は駆け込み需要の恩恵などもあって順調だったが、設備投資抑制の動きが続く中で、印刷機器の販売が低迷したためだ。2015年3月期は、買い替え需要による印刷機器の販売増や引き続いての印刷用材料の販売好調を想定して、15,500百万円(前期比3%増)の売上高を予想している。

印刷システム機器事業の中期成長性の考察
この事業の顧客となる印刷業界は年間の印刷生産金額が約400,000百万円の規模であるが、長期的には右肩下がりの傾向にある。印刷業界を印刷方式別に分類すると、版を製作する有版印刷と版を製作しない無版印刷とに大別できる。凸版、凹版、平版、孔版などはすべて有版印刷である。一方、無版印刷はプリント・オン・デマンドシステムであり、イメージとしてはプリンターに近い。少量・短納期・低単価といった印刷業界に対する増加中のニーズに対応するため、印刷会社は有版、無版の双方の設備を持ち、数量や用途に応じて使い分けている。

デジタル化の流れでデジタル無版印刷機が注目されがちであるが、有版印刷もデジタルとの親和性が低いわけではない。有版印刷にあってもデジタル化の波を受けて、CTP(Computer to Plate)と呼ばれる、デジタルデータからフィルムを経ずして直接に版を起こすシステムが幅広く普及している。また、業界全体のデジタル無版印刷機の占める割合は依然として10%程度にとどまっている。

結論から言えば、印刷機のデジタル化進展の影響は、同社の事業にとっては深刻なネガティブを及ぼすものではないと弊社では考えている。市場の90%を占める有版印刷機に刷版材料を販売できるし、デジタル印刷機の取扱いもしている。有版印刷機においてもCTP化が進展して年月も経過したため更新需要が期待できる時期に入ってきた。印刷業界の縮小傾向はマクロ的な要因であるため、影響を避けきれない可能性が残るものの、特に印刷材料分野においては他社のシェアを奪いながら、底堅いビジネスを展開できるものと弊社ではみている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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