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パイプドビッツ Research Memo(5):営業利益は過去最高を計上、人材採用は順調に進捗

注目トピックス 日本株

■業績動向

(1)2015年2月期(実績)

(損益状況)
パイプドビッツ<3831>の2015年2月期は売上高3,173百万円(前期比26.1%増)、営業利益625百万円(同10.7%増)、経常利益634百万円(同12.2%増)、当期純利益372百万円(同8.7%増)となった。前期比では増収増益となり、営業利益としては過去最高を更新した。ただし期初計画(営業利益、経常利益700百万円)に対しては若干下回ったが、需要そのものが弱かったわけではなく、売上高については、新規採用した社員を育成し、現場への配属が想定よりも期間を要し、戦力化がやや遅れたことに起因するものであり、営業利益については、当初想定よりも人材獲得が進捗し、コスト増となった結果である。2016年2月期については、2015年2月期に採用した人材の現場配属が進むと想定され、新規案件獲得も増えると見込み、今後挽回が十分可能であることから、内容は決して悪いものではなかったようだ。

セグメント別売上高は情報資産プラットフォーム事業が2,627百万円、広告事業が146百万円、ソリューション事業が400百万円となった。またセグメント別の営業利益は、情報資産プラットフォーム事業が596百万円、広告事業が17百万円、ソリューション事業が11百万円となり、全セグメントが黒字を計上した。

主力である情報資産プラットフォーム事業の売上高が増加したのは、2015年2月期末の有効アカウント数が前期末比661増の10,757と増加したことに加え、多様なサービス提供によってアカウント当たりの情報資産の預かりレコード数増に伴う月額課金の単価増や、金額の大型案件が増加したからである。また解約率についても、第3四半期(2015年9月−11月期)の特殊要因が解消して通常の低水準に戻ったことが、収益の安定化に寄与している。

さらに下記に述べる新中期経営計画の柱の1つである「人材の積極採用」も行った。当初の採用計画90名に対して119名を採用することができたことから、2015年2月期末の人員数は前期末の187名から260名へ大幅に増加した。人材育成期間の長期化を背景として、育成人材の現場配属が当初想定より進捗しなかったことによる収益貢献への遅れが生じた結果、売上高はその分見込みをやや下回り、営業利益は期初計画を下回った。しかし需要そのものは強含みであったので、内容的には懸念される結果ではなかった。むしろ、これだけの人員増に伴う経費増を吸収しての増益とも言え、この点は評価してもよいだろう。今後は、これらの新規採用人員が戦力化してくることが予想され、収益が大きく変化する可能性は高い。

(財政状況及びキャッシュフローの状況)
2015年2月期の財政状況については、資産合計は3,388百万円(前期末比745百万円増)となり、主な要因は固定資産の増加759百万円(主に簡易株式交換によるアズベイス買収によって発生したのれんの増加144百万円、Sprinklr Japanへの出資500百万円)であった。負債合計は749百万円(同167百万円増)となったが、主に流動負債の増加167百万円による。純資産は、主に当期純利益の計上により578百万円増加して2,638百万円となった。

またキャッシュフローの状況は、営業活動によるキャッシュフローは562百万円の収入、投資活動によるキャッシュフローは598百万円の支出(主にSprinklr Japanへの出資500百万円)、財務活動によるキャッシュフローは55百万円の支出となり、2015年2月期末の現金及び現金同等物残高は1,368百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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