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泉州電業 Research Memo(4):16/10期2Qは減収増益で着地

注目トピックス 日本株
■決算動向

(1) 2016年10月期第2四半期の連結業績

a)収益状況
泉州電業<9824>の2016年10月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比10.0%減の35,193百万円、営業利益で同9.7%増の1,431百万円、経常利益で同3.7%増の1,521百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同8.5%増の913百万円となった。期中の平均銅価額が597千円/トン(前年同期774千円/トン)と低下したことから、売上高は前年同期比で減少となったが、比較的利益率の高い機器用・通信用ケーブルが設備投資関連の需要増によって売上比率が上昇、これにより各利益は前年同期比で増加となった。

売上総利益率は同2.7ポイント増の16.4%と大きく改善したが、これは比較的利益率の高い機器用・通信用電線及び非電線(オリジナル商品などを含む)の対売上高構成比が上昇したこと、銅価格の低下に伴う仕入価格と販売価格の時間差などによるもの。その結果、減収ながら売上総利益額は5,758百万円(同7.0%増)となった。

一方、販管費は4,327百万円(同6.2%増)となったが、増加の大部分は新規連結子会社によるもので、単体及び既存子会社の販管費はほぼ横ばいであった。この結果、営業利益は前年同期比9.7%増の1,431百万円となったが、その他営業外収益の減少44百万円などから経常利益は同3.7%増にとどまった。特別損益では、特別損失として川崎の社宅建替えに伴う取壊費用などの固定資産除却損73百万円があったものの、特別利益として受取保険金73百万円の計上したことなどから、親会社株主に帰属する四半期純利益は同8.5%増の913百万円となった。

商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。

1)機器用・通信用電線
売上高は12,451百万円(前年同期比2.0%減)となったが、減収は銅価格の低下によるもので粗利額は増加した。特に半導体製造装置関連、液晶関連、工作機械向け、自動車関連などが比較的好調であった。

2)電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、利益率は低い。銅価格の影響で10,790百万円(同17.0%減)と大幅減収となったが、需要そのものも弱含みで推移した。その結果、粗利額も減益となった。

3)汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。原材料の影響で売上高は3,593百万円(同13.6%減)であったが、営業努力等により数量ベースでは増加した。そのため粗利額は前年同期比で30%強増加したもよう。

4)その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売である。売上高は1,696百万円(同30.3%減)となったが売上金額が少ないこと及び、利益率が低いことなどから全体の利益に与える影響は少ない。

5)非電線
電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、相対的に利益率の高い部門である。売上高は4,552百万円(同14.3%減)となったが、落ち込みの多くが太陽光関連であった。

※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。

b)財務状況
2016年10月第2四半期末の資産合計は前期末比1,895万円減の57,944百万円となった。流動資産は同1,600百万円減の39,899百万円となったが、主に現金・預金の増加818百万円、売上債権の減少2,469百万円などによる。固定資産は同296百万円減の18,044百万円となったが、主に売却に伴う有形固定資産の減少280百万円などによる。

負債については、負債合計が前期末比2,073百万円減の23,375百万円となった。流動負債は同2,083百万円減の21,081百万円となったが、主に仕入債務の減少2,062百万円による。固定負債は同10百万円増の2,293百万円となったが、主に退職給付に係る負債の増加5百万円などによる。純資産合計は、主に利益剰余金の増加726百万円やその他包括利益累計額の減少218百万円などにより、同177百万円増の34,568百万円となった。

c)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは1,433百万円の収入であったが、税金等調整前四半期純利益1,516百万円、減価償却費216百万円、売上債権の減少1,965百万円等の収入に対して、仕入債務の減少2,041百万円、法人税等の支払い559百万円等の支出による。

投資活動によるキャッシュ・フローは138百万円の収入であったが、主に定期預金の払戻による収入150百万円、生命保険積立金解約による収入203百万円に対して、投資有価証券の取得110百万円等の支出が主要因。財務活動によるキャッシュ・フローは550百万円の支出であったが、主に自己株式の取得325百万円、配当金の支払い186百万円が主要因。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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