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サン電子 Research Memo(4):DI領域への積極投資により、確固たるリーディングポジションを確立する狙い

注目トピックス 日本株
■海外子会社による第三者割当増資の実施

2019年6月には、モバイルデータソリューション事業を担う海外子会社Cellebriteが第三者割当による優先株式発行を実施し、約122億円(110百万円米ドル)の資金調達を行った。引受先は、イスラエルのベンチャーキャピタルであるIsrael Growth Partners Capitalの投資ビークルであるIGP SAFERWORLD, LIMITED PARTNERSHIP (以下、IGP社)。IGP社のCO-FOUNDER & GENERAL PARTNERであるHaim氏は、IT分野におけるソリューションビジネスで他の企業を成長させた実績がある。本件により、世界各地で需要が伸びているDI事業において、今後データを中心としたマーケットの変化に対応するため、サン電子<6736>グループにはない同分野におけるソリューションビジネスの強化やM&Aを機動的に行うための資金確保を行うところに狙いがある。すなわち、成長分野であるDI事業において、確固たるリーディングポジションを確立するための戦略的な施策として評価することができる。本件後も同社の連結子会社であることに変わりはないが、Cellebriteへの同社持分は97.2%から71.55%に減少するとともに、IGP社から2名の取締役を迎え入れた(同社からは3名のまま)。一時的な費用(ファイナンシャルアドバイザリー(FA)費用等)が2020年3月期の業績に大きく影響したうえ、今後は持分減少分(約25%)の利益を失うことになるが、調達した資金を成長分野へ投下することにより、それを上回る利益成長を実現していく考えである。なお、M&Aについては、これまでのモバイルフォレンジックの枠を超え、DI領域における統合的なプラットフォーマー(さまざまなデジタルデータに対応)として必要となる事業や技術を獲得するために活用していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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