萩原電気HD Research Memo(8):新中期経営計画「Make New Value 2023」を発表(2)
[21/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■萩原電気ホールディングス<7467>の中長期の成長戦略
(2) 新高付加価値事業創出
新高付加価値事業を創出するために、「ビジネスイノベーション企画推進活動」と「エンジニアリングビジネス強化」を挙げている。企業変革により収益性の高い事業ポートフォリオを創出するとともに「創造と挑戦」により他社に先駆けた価値を提供し、イノベーション創造型の事業創造の実現を目指す。具体的には、デバイス事業ではクルマの高機能化による車載部品の高度化を重点事業の方向性とし、ソリューション事業ではものづくりの高度化を重点事業の方向性とする。また、ビジネスイノベーション企画推進活動領域として「走る情報端末/モビリティサービス、マイクロサービス(デバイス事業)」「ものづくりのサービス化・スマート化(ソリューション事業)」「次期スマート社会への貢献(両事業共通)」を推進することで、スマート社会に対して移動端末のITプラットフォーム化やものづくりのスマート化を目指す。
具体的な製品サービス事例としては、「高感度AIカメラシステム」と「自動運転評価システム」がある。高感度AIカメラシステムでは、建設機械やフォークリフトの「人」と「モノ」を検知、接触事故の防止に貢献している。また、自動運転評価システムでは、自動運転開発の評価に必要となる高品質な走行テスト・検証データを提供している。
(3) 事業基盤強化と企業価値向上
成長戦略を確実に進めるために事業基盤の強化を図るとともに、社会課題の解決に貢献する活動をより一層推進しながら、ステークホルダーの信頼向上と企業価値向上に努める方針だ。具体的には、「成長戦略を支える事業基盤の強化」として、全社プロジェクト活動によるDX推進、プロフェッショナル人材の育成、従業員のエンゲージメント向上、グループ運営の最適化追求を挙げている。また、「企業価値向上を目指した取り組み」としては、SDGs/ESG経営の推進、資本政策/財務戦略の強化、ステークホルダーエンゲージメントの充実を挙げている。
3. 数値目標
数値目標としては、最終年度である2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を掲げている。売上高に対しては、成長基調を継続するとともにコア事業での着実な伸長を目指す。営業利益に対しては、新高付加価値事業創出などにより営業利益率の確保を目指す。ROEに対しては、コア事業の利益率を向上させるとともに新高付加価値事業創出への投資を行う。また、業務効率の改善にも取り組む方針だ。
これらの数値目標を達成した場合、2021年3月期から2024年3月期の成長率は、売上高で33.0%、営業利益で44.2%となり、営業利益は過去最高を更新する。一方で営業利益率については、2024年3月期の予想は2.9%となり、コロナ禍の影響を受けた2021年3月期は上回っているものの、2020年3月期(3.3%)、2019年3月期(3.6%)を下回ることになる。この点について同社は、「新中期経営計画の大きな目的の1つは『稼ぐ力を蓄える』ことであり、多少の利益率の低下があっても、まずはトップライン(売上高)の確保(成長)を目指す。その次のステップとして利益率の改善を進め、最終的に強い体質(高い収益力)の企業を目指す」としている。このような成長過程は、人間の成長期と似ているかもしれない。まず身長が伸びるが、その間に体重はそれほど増えない。しかしその後、体力をつけることで体重も増加し、筋肉質な大人へと成長していく。今後同社が、どのように本来の高収益企業へ成長していくか、大いに注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
(2) 新高付加価値事業創出
新高付加価値事業を創出するために、「ビジネスイノベーション企画推進活動」と「エンジニアリングビジネス強化」を挙げている。企業変革により収益性の高い事業ポートフォリオを創出するとともに「創造と挑戦」により他社に先駆けた価値を提供し、イノベーション創造型の事業創造の実現を目指す。具体的には、デバイス事業ではクルマの高機能化による車載部品の高度化を重点事業の方向性とし、ソリューション事業ではものづくりの高度化を重点事業の方向性とする。また、ビジネスイノベーション企画推進活動領域として「走る情報端末/モビリティサービス、マイクロサービス(デバイス事業)」「ものづくりのサービス化・スマート化(ソリューション事業)」「次期スマート社会への貢献(両事業共通)」を推進することで、スマート社会に対して移動端末のITプラットフォーム化やものづくりのスマート化を目指す。
具体的な製品サービス事例としては、「高感度AIカメラシステム」と「自動運転評価システム」がある。高感度AIカメラシステムでは、建設機械やフォークリフトの「人」と「モノ」を検知、接触事故の防止に貢献している。また、自動運転評価システムでは、自動運転開発の評価に必要となる高品質な走行テスト・検証データを提供している。
(3) 事業基盤強化と企業価値向上
成長戦略を確実に進めるために事業基盤の強化を図るとともに、社会課題の解決に貢献する活動をより一層推進しながら、ステークホルダーの信頼向上と企業価値向上に努める方針だ。具体的には、「成長戦略を支える事業基盤の強化」として、全社プロジェクト活動によるDX推進、プロフェッショナル人材の育成、従業員のエンゲージメント向上、グループ運営の最適化追求を挙げている。また、「企業価値向上を目指した取り組み」としては、SDGs/ESG経営の推進、資本政策/財務戦略の強化、ステークホルダーエンゲージメントの充実を挙げている。
3. 数値目標
数値目標としては、最終年度である2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を掲げている。売上高に対しては、成長基調を継続するとともにコア事業での着実な伸長を目指す。営業利益に対しては、新高付加価値事業創出などにより営業利益率の確保を目指す。ROEに対しては、コア事業の利益率を向上させるとともに新高付加価値事業創出への投資を行う。また、業務効率の改善にも取り組む方針だ。
これらの数値目標を達成した場合、2021年3月期から2024年3月期の成長率は、売上高で33.0%、営業利益で44.2%となり、営業利益は過去最高を更新する。一方で営業利益率については、2024年3月期の予想は2.9%となり、コロナ禍の影響を受けた2021年3月期は上回っているものの、2020年3月期(3.3%)、2019年3月期(3.6%)を下回ることになる。この点について同社は、「新中期経営計画の大きな目的の1つは『稼ぐ力を蓄える』ことであり、多少の利益率の低下があっても、まずはトップライン(売上高)の確保(成長)を目指す。その次のステップとして利益率の改善を進め、最終的に強い体質(高い収益力)の企業を目指す」としている。このような成長過程は、人間の成長期と似ているかもしれない。まず身長が伸びるが、その間に体重はそれほど増えない。しかしその後、体力をつけることで体重も増加し、筋肉質な大人へと成長していく。今後同社が、どのように本来の高収益企業へ成長していくか、大いに注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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