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GMOペパボ Research Memo(7):「カラーミーショップ」「SUZURI」などが2ケタ増収を達成(1)

注目トピックス 日本株
■GMOペパボ<3633>の業績動向

2. 事業セグメント別の動向
(1) ホスティング事業
ホスティング事業の売上高は前年同期比3.4%増の2,384百万円、営業利益は同2.5%減の693百万円となった。主力サービスである「ロリポップ!」や「ムームードメイン」は増収増益となったものの、その他サービスの減少により、若干の減益となった。

「ロリポップ!」は売上高で前年同期比7.1%増の986百万円と過去最高を更新した。「ムームードメイン」との連携を強化したことやアフィリエイト経由での新規契約増加により、契約件数が前年同期末比4.1%増の424千件と増加傾向が続いたことに加えて、上位プランの構成比率が高まったことや、2021年4月末にライトプランの料金改定を実施※したことなどにより、顧客単価も同2.4%増の390円と上昇したことが増収要因となった。一方、営業利益はアフィリエイト広告を中心にプロモーションコストが前年同期比で約30百万円増加したことにより、同0.5%増の461百万円となった。

※料金プランは契約期間別に設定し直した。ライトプランの場合、旧価格は1〜3ヶ月では330円(税込)だったが、1〜12ヶ月以内の契約については実質値上げ料金(330〜440円(税込))となり、24ヶ月契約で据え置き、36ヶ月契約で220円(税込)とした。第2四半期の結果を見れば若干の単価上昇要因となっている。


「ムームードメイン」は売上高で前年同期比2.9%増の1,089百万円、営業利益で同2.2%増の153百万円と過去最高を更新した。登録ドメイン数は新規契約者数の減少により前年同期末比1.8%減の1,184千件と微減傾向が続いたが、既存顧客のドメイン更新料上昇により、顧客単価が前年同期比で約5%上昇したことが増収増益要因となった。

(2) EC支援事業
EC支援事業の売上高は前年同期比33.5%増の2,443百万円、営業利益は同6.8%減の568百万円となった。「カラーミーショップ」「SUZURI」ともに2ケタ増収となったものの、プロモーションコスト等の増加による「SUZURI」の利益減が減益要因となった。

主力のネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」の売上高は前年同期比21.0%増の911百万円、営業利益は同4.2%増の423百万円と過去最高を更新した。契約件数は2021年5月13日より月額利用料無料のフリープランを開始したこともあり、前年同期末比4.1%増の42千件と増加に転じたほか、EC利用の高まりによる流通金額の増加に伴い、決済手数料収入が伸長したことにより、顧客単価が前年同期比8.0%増の3,414円と上昇したこと、第1四半期にIT導入補助金に関連した一時的な収入30〜40百万円を計上したことが増収要因となった。一方、利益率が低下したのは、フリープランの導入に伴いプロモーションコストが前年同期比で10〜20百万円増加したことや、人件費の増加が主因となっている。

フリープラン導入後の2021年6月の新規契約件数の内訳は、フリープランが全体の約7割を占めた。同社がフリープランを導入した背景には、EC市場の拡大とともに手軽にECショップを始めたい個人事業主が増加するなかで、こうした顧客層を必ずしも取り込めていなかったこと、また、流通額の拡大が続くなかで従来の月額基本料金を主体としたビジネスモデルでは、市場の成長を売上に十分に取り込めず、流通額に連動したプランを導入することが必要と考えたためだ。ECショップ側から見て、フリープランと有料プランの選択の分岐点は月商で10万円程度が目安となり、10万円を超えれば有料プランのほうがコスト的に低くなると言う。従来は、競合他社のフリープランを利用していた個人事業主が規模拡大とともに、同社の有料プランに移行するケースがあったが、フリープランを提供することでこうした顧客を最初から囲い込むことが可能となる。なお、フリープランから有料プランへの切り替えについては、今後、システム対応する予定となっている※。

※有料プランからフリープランへの切り替えは対応しておらず、一旦、解約して改めてフリープランを申し込む必要がある。


「SUZURI」の売上高は前年同期比53.2%増の1,362百万円、営業利益は同44.1%減の86百万円と増収減益となった。増収にもかかわらず減益となったのは、プロモーションコストを前年同期から1億円積み増したことが主因となっている。流通額は、新アイテムを8件追加したほか夏季シーズにおけるTシャツセール等を実施した結果、前年同期比49.6%増の15.8億円に拡大し、会員数も前年同期末比61.8%増の87万人となった。ただ、流通金額に関しては期初計画で前期比80%増を目指していたため、計画に対しては下回る結果となった。同社では、サイトへの集客施策や会員化に向けた施策が不十分だったため、DAU(1日当たりサイト訪問者数)や会員数の増加率が鈍化したこと、前年同期の巣ごもり需要の反動が想定よりも大きかったことなどが、計画を下回った要因だと考えており、下期以降はこうした課題を改善していくことで流通額の成長加速を目指している。

(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の売上高は前年同期比2.0%減の995百万円、営業利益は同38.0%減の140百万円となった。前年同期は巣ごもり需要の拡大やマスク特需により流通金額が大きく伸長したが、2021年12月期第2四半期累計期間はその反動が想定以上に大きく、流通額で前年同期比1.9%増の76.8億円と伸び悩む格好となり、売上高も微減収となった。利益面では、プロモーション費用が前年同期比で30百万円増加したことや、人件費等の増加が減益要因となった。

四半期別の流通金額の推移を見ると、2020年12月期第2四半期の41.3億円から、2021年12月期第2四半期は前年同期比10.5%減の37.0億円と減少しているが、これはマスク関連の売上高が減少したことによるもので、同要因を除けば微増であった。ただ、競合他社の動きと比較してもやや弱い動きとなっている。2021年12月期第2四半期末の作家・ブランド数は前年同期末比14.7%増の77万人、登録作品数は同15.7%増の1,369万点、累計アプリダウンロード数は同8.8%増の1,283万件といずれも拡大を続けているものの、サイトへの訪問者数並びにCVR(購入率)が前年同期から低下したことが伸び悩みの要因になったと見ている。特に、サイトの訪問者数についてはDAUで2018年12月期第2四半期累計期間と比較しても約2%減少しており、サイトへの集客施策や利便性向上に向けた機能強化が喫緊の課題となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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