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樹状細胞ワクチン療法を用いた原発性肺がんの術後補助療法に係る共同臨床試験を開始

2011年6月15日

医療法人社団滉志会 瀬田クリニックグループ

樹状細胞ワクチン療法を用いた原発性肺がんの術後補助療法に係る共同臨床試験を開始

 免疫細胞療法の専門医療機関である医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループ (以下、「瀬田クリニックグループ」)は、株式会社メディネット(神奈川県横浜市、以下「メディネット」)と共同で、原発性肺がん切除後の術後補助療法として、樹状細胞ワクチン療法 と術後補助療法の併用療法に係る共同臨床試験を開始しましたので、お知らせいたします。
 原発性肺がんは、早い病期では外科手術が治癒をもたらす最も有効な治療法とされています。しかしながら、少しでも進行した場合では、手術の後に術後補助療法として抗がん剤が用いられるものの、生存率の改善効果は小さいのが現状であり、原発性肺がんの新たな術後補助療法の開発は重要な課題となっています。
 今回の共同臨床試験では、瀬田クリニック福岡 安元 公正総院長を研究責任医師とし、手術によって取得した腫瘍抗原をエレクトロポレーション法で取り込ませた樹状細胞ワクチンと、術後補助化学療法の併用治療を実施し、安全性および有効性の評価を行います。 なお、本共同臨床試験は、8名の方を対象に実施する予定にしています。また、同時に、エレクトロポレーション法による樹状細胞加工技術の適用分野や対象患者の拡大につながる新しい治療技術の開発を目指した基礎研究も実施します。
 エレクトロポレーション法は、電気穿孔法とも呼ばれ、細胞に電気刺激をかけ一過性に細胞膜の透過性を高めることにより、たんぱく質等を細胞内に送り込む技術です。メディネットが米国MaxCyte 社と共同開発したエレクトロポレーション法を用いる樹状細胞加工技術では、樹状細胞に電気刺激をかけることで樹状細胞ががん抗原を取り込む効率が大幅に向上します。本技術を用いて大量培養時の細胞活性を検証した結果、従来の共培養による加工法に比べ、約10倍の抗原取り込みと最大20倍程度のCTL 誘導能が向上することが確認できております。
 本共同臨床試験が、原発性肺がん切除後の術後治療として、樹状細胞ワクチン療法を用いることで、より高い治療効果を示す新たな術後補助療法の開発につながるものと期待しております。
                                      以上
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