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日本の2050年の縮図。再生可能エネルギーを軸にした地方創生のエネルギーコミュニティモデルを構築

2018年10月15日

金沢工業大学

エネルギーのベストミックスを探り、電力制御システムを実証実験
―金沢工業大学のエネルギーマネジメントプロジェクトが、
地域特性を活かした再生可能エネルギーの地産地消モデルを構築へー

金沢工業大学は、再生可能エネルギーや蓄電池・EV(電気自動車)・水素・熱活用などを組み合わせた電力制御システムを構築する「エネルギーマネジメントプロジェクト」を2018年春より開始しています。このプロジェクトは、再生可能エネルギーを軸にした、エネルギーを地産地消する、地方創生のエネルギーコミュニティモデルの構築をめざしています。

プロジェクトでは、
1. 太陽光・風力・小水力・バイオマス発電・地熱発電などによる創エネ
2. 蓄電池・EV・水素へのエネルギー貯蔵
3. DC(直流)リンクによる効率化
4. 温泉水・地下水・バイオマスボイラ・低温発電を用いた熱活用
などを組み合わせ、地域内エネルギーの最適な運用を実現することを、最終的なゴールとして設定しています。

温室効果ガス排出の抑制は世界全体で喫緊の課題であり、再生可能エネルギーは重要な脱炭素エネルギーとされています。この再生可能エネルギーを安定供給するためには、これまでの火力・原子力・水力を組み合わせた集中型制御の電力システムとは異なる、分散型制御の電力システムが必要となってきます。本プロジェクトでは、この新しいシステムを構築するとともに、電力だけではなく蓄電池・EV・水素や温泉水など熱の、地域資源を組み合わせたベストミックスを探り、地域で電力を融通しあうエネルギー基盤技術を構築します。これは日本の2050年の縮図をエネルギー観点で凝縮したものとなり、地域の特性も活用し、AI(人工知能)やIoTの最新技術を活用した「Society 5.0」を地方から実現しようとするものです。

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810159161-O2-zc2E399X
コテージに導入された制御システム

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810159161-O3-o1vTsHxK
「配電線」に見立てた電気自動車で電力の輸送も行う

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810159161-O1-Qr22O31x
プロジェクトの概要

直流給電システムとEVのエネルギーマネジメントを実証実験
現在、直流給電システム(DCリンク)と電気自動車のエネルギーマネジメントを行っています。
プロジェクトは、金沢工業大学白山麓キャンパスにある4つのコテージに、太陽光発電と蓄電設備を設置。再生可能エネルギーに適合した直流給電システムを構築し、実際にコテージで被験者が生活を行い、電力の発電から使用までを実証実験しています。一般的な送電・配電にはAC(交流)が用いられますが、実証実験での電力供給システムでは、AC-DC(交流-直流)の変換を行わず、DC(直流)で電力を運用しています。ACは途中で電圧を高く変換して長距離送電できます。このため、現在の送電網はACを基本に構成されています。しかしながら、将来予想される電力の地産地消では、電力は発生したすぐ近くで消費することになります。さらに、太陽光などの再生可能エネルギーではDCの電力が発生します。AC-DC変換を行うよりも、DCで、そのまま電力を利用するほうが電力システム全体の効率を高めることができます。

電力が不足した場合は、コテージ間で電力をシェア(融通)し合い、電力の需給バランスを維持する独自の仕組みを構築しています。電力会社から供給される商用電源とも接続していますが、買電は可能な限り最小化し、再生可能エネルギーのみを使用する「オフグリッド化」をめざしています。将来的には、ブラックアウトに耐え得ることも実証検証する予定です。

コテージで蓄電した電力をEV(電気自動車)の充電に使用する実験も開始しています。EVの充電スタンドを白山麓キャンパスに設置しEVを充電。約30km離れた白山麓キャンパス(白山市)と扇が丘キャンパス(野々市市)の往復にこのEVを使用し、データを収集しています。さらに、EVを電力輸送する「配電線」とみたて、EVを用いて電力が不足する地域に電気を持ち運べるようにしています。

今後の計画
今後の計画として、まずはコテージ間へのDCリンクの拡充を、次に白山麓キャンパスにある産学連携の拠点「イノベーションハブ」へ拡充することを計画しています。
エネルギーの貯蔵方法として蓄電池だけではなく、水素を利用したエネルギー貯蔵の実験も検討します。蓄電池は少量・短期間のエネルギー貯蔵に向いており、水素は大量・長期間のエネルギー貯蔵に適しています。水素の利用方法としては、例えば、電力使用量が少ない休日に発電した電力を使って水素を製造・貯蔵し、平日に利用することや、夏に製造・貯蔵した水素を冬に利用することを計画しています。蓄電池に溜めた電力と、水素を相互補完的に組み合わせて活用する予定です。

低温の地熱を使って発電するバイナリ発電、木質チップを使ったバイオマス発電の設備を設置するとともに、熱の活用として、温泉水・地下水の熱搬送も予定しています。この計画では、白山麓キャンパス内にある「比咩(ひめ)の湯」の温泉水や、年間を通して水温が約16度で一定した地下水を、融雪や冷暖房に利用します。また、同キャンパス内に併設されている国際高等専門学校の図書コモンズのゼロエミッション化(温室効果ガス排出ゼロ化)をめざしており、温泉水・地下水による空調制御のほか、DCリンクから供給される電力で照明や各種電源をまかなう予定です。

AIやIoTの技術を活用し、これらの創エネ、エネルギー貯蔵、DCリンク、熱活用を効率的に行う、エネルギーマネジメントシステムの開発も進めていきます。

白山麓キャンパスについて
白山麓キャンパスは、大学の基礎研究と企業の製品開発の間にあるギャップ(「死の谷」)を克服するための環境と設備を備えた実証キャンパスとして、実証・実装開発研究を進めています。地方創生研究所のイノベーションハブではメンバーシップ・プログラムを提供しており、産官学による実証実験をサポートしています。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810159161-O4-sWFs3v1z
白山麓キャンパス

プロジェクト参画教員
鈴木康允教授(産学連携室)
泉井良夫教授(電気電子工学科)
齋藤正史教授(経営情報学科)
山崎俊太郎教授(国際高等専門学校)


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