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ケミカルループ法で化学原料製造と二酸化炭素再資源化を交互に実現

2025年4月8日
早稲田大学

 

ケミカルループ法で化学原料製造と二酸化炭素再資源化を交互に実現

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202504077012/_prw_PT1fl_9kTW0U1X.png

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504077012-O2-G20f43Kb

図:一つの材料の上で、二酸化炭素の再資源化とエチレン製造が同時に達成される。

 

インジウム酸化物という材料は、酸化と還元が起こりやすいという特徴を持つ固体酸化物材料で、薄膜系材料合成や液晶、半導体系材料の合成に重要な役割を果たすものです。

学校法人早稲田大学(理事長:田中 愛治、以下「早稲田大学」)大学院先進理工学研究科博士後期課程の渡辺 光亮(わたなべ こうすけ)氏ならびに同大学理工学術院の関根 泰(せきね やすし)教授らの研究グループとJX金属株式会社の研究グループは、インジウム酸化物の表面を他の元素で修飾することで、容易に還元可能な表面を作りうること、その際に表面でたくさんの酸素を出し入れすることができることを見いだしました。

さらに、Ni-Cu合金※2の微粒子を表面に載せた材料は、873 Kという従来より大幅な低温にて、固体材料表面の格子酸素によるエタンの酸化的な脱水素によるエチレン(基幹化学原料※3)の製造(下記式1)と、その後に消費された表面酸素の復元のための二酸化炭素による再酸化、その際に同時に二酸化炭素が再資源化されること(下記式2)を発見しました。

式1: C?H?(エタン) + Vox(格子酸素) → C?H?(エチレン) + H?O + Olat(格子の欠陥) 式2:CO? + Olat (格子欠陥)→CO + Vox(格子酸素)

このように、交互に2種類のガスを流すことで酸化と還元を繰り返す方法は、ケミカルループ法と呼ばれ、近年注目されています。※a今回の材料は大きな表面酸素容量(材料全体の重量に対して4wt%以上)を有し、インジウム種の酸化還元に関連してNi-Cu二元合金とNi-Cu-In三元合金※4間の動的な変化によって実現されました。入念な材料スクリーニング、特性評価、理論計算により、Ni-Cu合金がエチレンを生み出し、還元されたインジウム種の取り込みによって酸化還元を促進することが明らかになりました。

本研究成果は、2025年3月26日にアメリカ化学会発行の「ACS Catalysis」にオンライン版で公開されました。

 

(1)これまでの研究で分かっていたこと

これまでのエチレン製造は、エタンガスの高温での分解(エタンクラッキングと呼ばれる)が商業的に行われてきましたが、非常に温度が高く、炭素が大量に生成されるプロセスでした。※bまた、二酸化炭素の再資源化による一酸化炭素※5製造は、逆水性ガスシフトと呼ばれる水素による高温(800度以上)での還元であり、こちらも大量の水素を必要としつつ、高温耐性を有する高価な材料を必要としていました。

一方で固体酸化物材料は、水素や炭化水素などの還元性を有するガスに高温で接触させると、表面が還元されること、ならびに空気や酸素などの酸化剤を高温で接触させると表面が酸化されることは古くから知られてきました。これを活かして、上記の2つの反応である化学品合成と二酸化炭素再資源化を交互に行うことに世界で初めて成功しました。

 

(2)今回の研究で実現したこと

本研究では、あらたな固体酸化物材料を開拓し、早稲田大学での実験研究と計算化学によってエタンガスの脱水素によるエチレン合成とその後に引き続いた二酸化炭素による表面再酸化と資源化を交互に繰り返すことができることを見いだしました。これによって、従来と比較して大幅に温度を下げることができ(=材料選定が楽になる)、外部からの水素を必要としなくなり(=コスト低減)、かつ生成物を自動的に分離することができることとなりました。

 

(3)研究の波及効果や社会的影響

従来はエチレン製造、二酸化炭素の再資源化による一酸化炭素製造のいずれも800度を超える高い温度を必要とし、それぞれ独立に行われるので、エネルギーを大量に消費する反応でした。今回の発見により、これら2つの反応を、600度というステンレス系の安い材料を用いることができる低い温度でも、充分に高い転化率で進めることができるようになりました。この際に、従来課題となっていた炭素の生成は起こらず、外部水素も不要となり、生成物は交互に出てくるため分離も不要となりました。この技術は、化学品製造と二酸化炭素再資源化を同時に行いたい化学企業などによって実用化が大いに期待されるところです。

 

(4)今後の課題

化学産業で交互に流すというプロセスは、これまであまりメジャーではありませんでした。今回の発見により、化学品合成と二酸化炭素の再資源化による一酸化炭素製造という2つの重要な反応を、同時かつ交互に進めることができるようになりました。さらにガス分離も不要なため、全体としての効率向上も期待できます。今後、プロセス全体としての効率を高める工夫を考えていくことが期待されます。

 

(5)研究者のコメント

化学工業の世界はオンデマンド化、小型分散化が苦手と言われ、大型で高温のプロセスが多用されてきました。ケミカルループ法は大規模化には向かず、むしろ小規模分散型を得意とします。次世代の化学プロセスでこういった技術が利用されることを期待しています。

 

(6)用語解説

※1 ケミカルループ法:

固体材料の気体による酸化と還元をそれぞれ独立した条件で行い、これを繰り返すことで従来の気体の固体触媒上での反応に比べて低温化が可能で、生成ガスの分離が不要になる手法。

※2  Ni-Cu合金:ニッケルと銅が互いに混じり合った合金。

※3 基幹化学原料:ポリバケツや医薬品など様々な化学物質の原料となる化合物。

※4 Ni-Cu-In三元合金:ニッケルと銅とインジウムが互いに混じり合った合金。

※5 一酸化炭素:

化学構造としてCOと書ける分子で、反応性が高いためあらゆる化学品(燃料・医薬品原料・化粧品・塗料など)の原料となり得る。

 

参考文献

※a Fast oxygen ion migration in Cu-In-oxide bulk and its utilization for effective CO2 conversion at lower temperature, Chemical Science, 12, 2108-2113, 2021. doi: 10.1039/d0sc05340f

※b Catalytic conversion of ethane to valuable products through non-oxidative dehydrogenation and dehydroaromatization, RSC Advances, 10, 21427-21453, 2020. doi: 10.1039/D0RA03365K

 

(7) 論文情報

雑誌名:ACS Catalysis

論文名:Oxidative Dehydrogenation of Ethane Combined with CO? Splitting via Chemical Looping on In?O? Modified with Ni-Cu Alloy

執筆者名: 渡辺 光亮?、比護 拓馬?、七種 紘規?、松本さくら?、三瓶 大志?、磯野 雄生?、下宿 彰?、古澤 秀樹?、関根 泰?

1:早稲田大学

2:JX金属株式会社

掲載日:2025年3月26日

掲載URL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscatal.4c07737

DOI:https://doi.org/10.1021/acscatal.4c07737

 

(8) 研究助成

JST-ALCA-Next 番号 23836167

科研費 Grant Number JP24KJ2090

JST SPRING B2R101263202

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