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【ダスキン ホームインステッド マスコミセミナー】認知症ケアの最新事情

〜認知症高齢者のQOLを高める五感刺激と色彩福祉の可能性〜

2015年12月7日(月)、株式会社ダスキン(本社:大阪府吹田市、社長:山村 輝治)が展開する公的介護保険適用外の高齢者向け生活支援サービスを提供しているホームインステッド事業では、マスコミの皆様を対象としたセミナー『認知症ケアの最新事情 〜認知症高齢者のQOLを高める五感刺激と色彩福祉の可能性〜』を開催いたしました。




認知症に関する研究は日々進化を続け、最新の研究では、認知症高齢者・軽度認知障害高齢者のQOL向上に五感刺激が効果を発揮することがわかってきています。

本セミナーでは、大阪大学大学院 人間科学研究科 佐藤 眞一教授にご登壇いただき、認知症高齢者・軽度認知障害高齢者に五感を刺激することの重要性について、最新の研究成果をもとにご解説いただきました。

次いで、ホームインステッド事業でも今年10月に導入しお客様にご好評いただいている「色彩組色(R)ドリル」を佐藤教授と共に開発された株式会社カラースペース・ワム 代表取締役 ヨシタ ミチコ先生にもご登壇いただき、色彩が認知症ケアに与える可能性についてトークショー形式でご紹介いたしました。認知症高齢者のQOL(生活の質)向上に有効なオリジナルプログラムCUS(R)色彩理論に基づく『色彩組色(R)ドリル』の開発経緯や今後の更なる可能性についてご理解いただき、盛会裡に終了いたしました。

[画像1: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-685351-1.jpg ]

[画像2: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-491870-2.jpg ]



[表1: http://prtimes.jp/data/corp/15321/table/2_1.jpg ]



[画像3: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-551051-3.jpg ]



記憶とは外界の情報と頭の中に残っている情報の照合をすること。五感を介して入ってきた、見る、聞く、匂いを嗅ぐなどの外界の刺激を脳内で情報処理することを認知機能のメカニズムという。(図1) 
認知症の方は、我々が普通にできることでも、負荷がかかってしまい、上手に認知機能の処理ができないので、場合によっては不安を感じたり、もどかしい気持ちになってしまう。

五感のうち情報の9割近くは「視覚」を通って人間の脳の中に伝えられるということが分かっている。(図2) 
そのため、我々にとって「視覚」は大事な情報ソースと言えよう。

最近では認知の「予備力」を蓄えておくことで、認知症の発症を遅らせることが出来るという研究が進められている。アルツハイマー病が始まった場合、「予備力」の低い人は早い時期に認知症のひどい状態になりやすいが、「予備力」の高い人は認知症になる時期が遅くなるということが分かってきている。(図3) 

アルツハイマー病では認知症になってしまった場合、元の状態に戻すことはできないと言われている。そのため、認知症予備軍と呼ばれる軽度認知障がい(MCI)の人、あるいは健常者に様々な五感刺激を与え、認知の「予備力」を蓄えるということは非常に大切である。

[画像4: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-437453-4.jpg ]



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[表2: http://prtimes.jp/data/corp/15321/table/2_2.jpg ]



[画像7: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-951249-7.jpg ]


色彩の力は大きく分けて2つある。
1.物の印象、人の印象、インテリアの印象を変えてしまう「印象を変える力」
2.楽しくする、悲しくする、寂しくするなどの「心理のあり方を変える力」。
色の大きな力は日常生活にも大きく関わりがあり、住環境に色を取り入れることで時間や温度が変わり、高齢者の心も上向いてくることが過去17年に渡り、介護福祉・医療の現場で色彩を導入してきたことでわかってきた。
カーテンの色、壁紙、食器のトレイを綺麗な色のものに変えたことで、色を通じたコミュニケーションが生まれ、職員との会話が増え、介護される高齢者も介護する側の職員もお互いにポジティブな状態となった。
これまで介護は色彩に注意を向けていなかった。向けていたとしても危険を防止するために赤色で注意喚起をするといったレベルのものであった。
色彩を豊かにすることで高齢者の方々、要介護の方々、そしてすでに認知症になってしまった方々にもより豊かな生活を提供できるのではないかと考え、『色彩組色(R)ドリル』を開発するに至った。

心理学において認知機能のひとつである知能を、「流動知能」と「結晶知能」のふたつに分けて考えるという理論がある。「流動知能」は、TVゲームをするときなどに必要な、直感力やスピードが大事になってくる知的な能力で、若者に有利な知能と言える。
これに対して「結晶知能」は、経験を積むことによって高まっていき、高齢になっても経験を積み重ねることによって衰えない知的な能力と考えられており、言わば“大人の知能”と言われる『脳力』である。

『色彩組色(R)ドリル』は、この「結晶知能」を刺激する言語力、洞察力、理解力、想像力、コミュニケーション力、内省力といった6つの色彩効果で脳力を活性化させる。これらは高齢になっても人によっては高まる能力であるため、『色彩組色(R)ドリル』は「結晶知能」を向上させるということにも大変意義があるものと考えている。

色から連想する昔話や体験談を高齢者に話してもらうことで役割を賦与し、色を選び、色紙をちぎり、台紙に貼って組色(R)作品を完成させることで快刺激を与える。そして完成した作品をスタッフが採点し、大きな○で評価、完成の喜びを共有、お年寄りとスタッフが出来上がった組色(R)作品を介してコミュニケーションをとることで、双方向の交流が生まれる。最終的に組色(R)作品コンテストを目指すことで、目標が生まれ、生きがいの賦与につながる。以上のことから、『色彩組色(R)ドリル』による結晶知能の向上は、高齢者の生活の質(QOL)の向上にも期待ができると言える。

視覚、特に色彩をはじめとして五感からのインプットを活用する、五感を鍛える、それによって脳を活性化させることは介護福祉、認知症ケアにとって大きな可能性を秘めていると言える。


登壇者プロフィール


◆ 佐藤 眞一(さとう しんいち)氏

[画像8: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-490167-8.jpg ]

大阪大学大学院 人間科学研究科 臨床死生学・老年行動学研究分野 教授
1956年 東京都生まれ。放送大学客員教授、一般社団法人日本色彩環境福祉協会理事。
博士(医学)。老年心理学・老年行動学専攻。
著書に「老いのこころ―加齢と成熟の発達心理学―」(有斐閣)
「後半生のこころの事典」(CCCメデイアハウス)
「認知症『不可解な行動』には理由(ワケ)がある」(ソフトバンク新書)ほか多数。


◆ ヨシタ ミチコ 氏
[画像9: http://prtimes.jp/i/15321/2/resize/d15321-2-274630-9.jpg ]

カラリスト。1988年 株式会社カラースペース・ワム設立。
一般社団法人日本色彩環境福祉協会理事。
自治省(現総務省)の「文化の街づくりレディースフォーラム」の委員を経て、色彩のプロを養成するカラリストスクール・ワムI.C.Iを主宰し、高齢者施設の色彩計画や色彩心理の研究など色彩福祉活動に力を入れている。
NHK「おしゃれ工房」「首都圏ネットワーク」などテレビ、講演、雑誌取材等多数。
著書に「色彩のプロをめざす、あなたに、『色の仕事のすべて』」「パーソナルカラー配色ブック」
「花色カラーセラピー」(以上誠文堂新光社)「自分色表現辞典」(祥伝社)「色彩美人配色レシピ」
「自分色がみつかる 配色レシピ」「好感度を上げる配色ルール&配色テクニック」
(以上池田書店)など多数。


参考資料

【色彩福祉(R)で認知症ケア】

●色彩福祉(R)とは
色彩によって人々が幸福に、快適に生活することを目指すこと。それを、色彩福祉と呼びます。
福祉とは人の幸福を意味する言葉です。福祉の目的は、人の幸福を追求することです。
また、「色彩」は五感の中の視覚で受け取る情報です。私たちの五感「視・聴・嗅・味・触」の中でも、視覚は全感覚の80%以上の影響力を持つと言われ、色彩は、私たちの日常生活の彩りや、楽しい、嬉しい、悲しいと言った心理と深く関わっています。そのため、身の周りにある衣服、持ち物、部屋などの色を替えるだけで心地よさや落ち着き、元気などが生まれるのです。
「色彩」は、私たちの生活の質(QOL)を高め、こころ豊かな暮らしを考えるうえで、欠かせない要素なのです。

一般社団法人日本色彩環境福祉協会は、この色彩福祉の理念のもと、活動を続けています。そして『色彩組色(R)ドリル』は、同協会の後援を受け、スタートしています。


●『色彩組色(R)ドリル』とは
色と色を組み合せて表現することを「組色(R)」と呼びます。組色(R)表現を使いながら、頭と手を使い、コミュニケーションをとるのが『色彩組色(R)ドリル』です。
特に、認知機能の中でも、理解力、言語力、洞察力、創造力、コミュニケーション力などの機能と結びつく結晶知能を高め、生活の質(QOL)向上を目指し、色彩による認知症ケアを実現するものです。

高齢者の認知機能維持のためにはコミュニケーションが大切ということが言われますが、その意味で、色彩を仲立ちとしたコミュニケーションは、たいへん有効です。

時に、言葉によるコミュニケーションが困難な場面でも、色を自分で選び組合せを考えたり、色で創造力をめぐらすなどの作業には楽しさと喜びが伴いますので、そのような感情に丁寧に寄り添うことで、お年寄りとスタッフの間に信頼関係を築くことができます。また、色彩の楽しさや喜びを共有することで、無理なく心のケアに役立てることができます。


●『色彩組色(R)ドリル』の意義
1.色から連想する昔話、体験談などを、お年寄りに話してもらう。 ⇒役割の賦与

2.色を選び、色紙をちぎり、台紙に貼って組色(R)作品を完成させる。 ⇒快刺激

3.色彩組色(R)ドリルをスタッフが採点し、大きな○で評価。
完成の喜びを共有する。 ⇒称賛

4.お年寄りとスタッフが、出来上がった組色(R)作品を介して
コミュニケーションをとる。 ⇒双方向交流

5.組色(R)作品コンテストを目指すことで、表現力への
目標が生まれる。 ⇒生きがいの賦与


ダスキン ホームインステッドHP
https://homeinstead.duskin.jp/
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