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改質未利用バイオマス成分による鉛蓄電池の性能改善【産技助成Vol.54】

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
独立行政法人森林総合研究所


自動車のバッテリーに使われる鉛蓄電池に、放電性能向上のため不可欠な添加物で
ありながら充電性能の低下を引き起こすリグニン(注1)を
化学的に修飾することで充電性能の低下を大幅に改善する新規合成リグニンを開発した。

(注1)リグニン:リグノセルロースに含まれる天然芳香族高分子化合物。(木材の場合20〜35%)


【新規発表事項】 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、独立行政法人森林総合研究所の主任研究員、久保智史氏は、リグニンを化学的に修飾することで鉛蓄電池の充電性能を向上させる新しい負極添加剤(注2)を開発しました。
今回新たに開発した負極添加剤を用いると、鉛蓄電池の充電容量が基礎評価では1.6倍に改善でき、この添加剤の開発により自動車用電池として不可欠である鉛電池の充電効率が改善でき、自動車の燃費向上につながります。
原料のリグリンは木材の主成分ですが、工業的には化学パルプ製造工程やリグノセルロース原料からのバイオエタノール生産工程における残渣として回収可能です。
また、リグニンはバイオマス産業で大量に副生される未利用資源であり、リグニンの高付加価値利用技術の開発によりバイオマス産業の競争力を高めることが可能です。

(注2)負極添加剤。本研究では四級アンモニア塩を部分構造に持つ化合物を用いている。


1.研究成果概要
鉛蓄電池は構造が単純で環境低負荷型の電池ですが、充電性能が低い(充電受入性能が低い)という2次電池としては致命的な欠点を持っています。鉛蓄電池の充電性能が改善できれば、エンジン始動用としてだけでなく、低公害なモーターアシスト型ハイブリッド自動車用電池も含めた汎用2次電池として利用拡大が期待できます。
これまで鉛蓄電池の負極には木材の主成分であるリグニン(リグノスルホン酸)が添加されていました。リグニンは低温時の放電性能を向上させる効果があることから鉛蓄電池にとって不可欠な添加物ですが、リグニンの添加により鉛蓄電池の充電性能は低下します。そこで、充放電中に鉛蓄電池の負極上で起こる化学反応へのリグニンの影響を検討した結果、充電性能の低下を回避し、充電性能を改善できる新たなリグニン修飾剤を見出し、特許申請を行いました。現在、この修飾剤と化学結合させたリグニン(新規修飾・合成リグニン)を実用化するために、実電池に添加して効果を実証中です。


2.競合技術への強み
1)鉛蓄電池の性能改善
従来、鉛電池の長所である放電特性の改善を目的に添加剤の開発が行われてきましたが、本添加剤では少量の添加で大幅に充電容量を改善できます。充電容量改善により鉛電池のエネルギー効率改善に寄与します。
2)リサイクル可能
鉛電池はリサイクル法が確立されている材料で構成されており、安価な2次電池として世界的には最も多く生産されています。
3)未利用資源の有効活用
グローバルな課題であるバイオマス由来の未利用資源の有効活用に道を拓く新たな技術として期待されます。エネルギー効率の改善とともに、カーボンニュートラルなバイオマス利用システムの構築により二酸化炭素排出の低減に寄与します。


3.今後の展望
現在、この研究で見出した化合物を負極に添加して行った実電池試験(低温急速放電性能、充電受入性能、繰り返し充放電試験等)から、従来のリグノスルホン酸添加に比べて、充電性能が改善できることが明らかになっています。初期的な性能評価は完了していますので、今後は繰り返し使用試験を行うことにより実用化を意識した試験を展開していく予定です。同時に実電池に展開した上で関連特許の取得も行っていきます。
技術開発は境界領域を切り開いていくことが重要ですから、異分野とも連携しながら電池に限定せず、リグニンを始めとするバイオマス資源活用技術の研究を進めていきたいと考えています。


4.参考
成果プレスダイジェスト:森林総合研究所主任研究員  久保 智史氏

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