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ヤマト運輸 「働き方改革」の基本骨子を機関決定

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長 長尾 裕、以下ヤマト運輸)は、本日開催した取締役会において「働き方改革」の基本骨子について決定しましたので、下記の通りご報告致します。

1.「働き方改革」に取り組む背景について

 当社は今や社会インフラとなった宅急便事業の事業継続性を担保し、お客さまとの約束を守るサービス品質を維持する使命があると考えています。そして、その前提となるのが宅急便事業を支える社員が安心して働ける健全な労働環境の構築です。
 しかしながら、昨今のEコマースの急拡大による大幅な荷物の増加と労働需給の逼迫によって、体制の構築が追い付かず、本年2月から宅急便センターのセールスドライバーを中心とする社員の労働時間の実態を調査したところ、多くの社員が休憩の未取得を申告できていないなどの問題が浮き彫りになりました。
 そこで、社員の労働環境に対するこれまでの対応に不十分な点があったことを反省し、2017年度の最優先経営課題として「働き方改革」に取り組みます。

2.「働き方改革」の基本骨子について

当社の「働き方改革」は労働環境の改善、整備はもちろんのこと、
デリバリー事業全体の事業モデルをこれからの時代にあわせて設計し直し、改革していくこと
と位置付けます。その基本骨子は、以下の5つです。

(1) 労務管理の改善と徹底
 4月16日より労働時間の管理を入退館管理システムに一本化するとともに、管理者と点呼執行者を増員し、社員が労働時間を正確に申告、管理できる環境を整えます。

(2) ワークライフバランスの推進
 社員がしっかりと休息を取れるよう、休憩時間中の携帯電話の転送などやインターバル制度の導入を進めます。また、ワークライフバランスを推進するため、保育所等の設置や在宅勤務制度の導入を検討していきます。
 
(3) サービスレベルの変更
 6月中に宅急便の配達時間帯の指定区分を見直し、特にお客さまからの指定が集中し、社員の長時間労働の一因になっていた「20-21時」を「19-21時」の2時間枠に、また、社員が昼休憩をしっかりと取れるよう「12-14時」の枠を廃止し、これまでの6区分から5区分に変更するとともに、4月中に再配達受付の締め切り時間を20時から19時に1時間繰り上げます。
 また、宅急便以外にも業務負荷や採算性の面で見直しが必要なサービスについては改良、もしくは統廃合を検討します。

(4) 宅急便総量のコントロール
 Eコマース市場の急拡大を受け、ご依頼いただく荷物が急増した反面、低単価でお受けする荷物の比率も増加しました。これは、現状の体制に見合った水準に、宅急便の総量や運賃をコントロールすることが不十分だった経営の責任と考えています。そこで、特に大口のお客さま、低単価のお客さまに対し、ご依頼いただく荷物量の抑制をお願いすることにします。上期中を目標にお客さまとの交渉を進めます。

(5) 宅急便の基本運賃の改定
 人口減少による労働力不足が深刻化する中、外形標準課税の増税、社会保険料の適用範囲拡大といったコスト構造の変化に対応しながら社員への処遇を充実させることはもちろん、新たな戦力の採用を強化していく必要があります。また、再配達を削減するためのIT基盤やクロネコメンバーズ特典の拡充、スピーディーなオープン型宅配ロッカーの設置拡大などに投資するため、宅急便の基本運賃を27年ぶりに値上げすることを決定しました。
値上げの内容は現在検討中ですので、決定次第ご報告する予定です。

上記の5つの改革をスピーディー、かつ総合的に推進するため、本社および全支社、全主管支店に「働き方改革委員会」を設置しました。
5つの改革の実行に加え、現場からの改善提案にも積極的に対応していきます。

当社の「働き方改革」にともなう事業構造改革の内容ついては、本年4月28日(金)の本決算記者会見時に、より詳しくご説明させていただきます。また、今後も取り組みや進捗状況を「働き方改革室」から皆さまへ都度ご報告してまいります。

 私たちはお客さまの満足を高めるための便利を、これからも提供し続けます。また、社会の満足度を高めるために、パートナーや業界の環境を改善していきます。そうすることで事業を持続的に発展させ、株主の満足を高めていきたいと考えています。
 そのためには、「社員がイキイキと働ける職場を作り直し、社員の満足を高めていくこと」が最優先事項であると考えています。
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