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コンゴ民主共和国:エボラ治療センターへの襲撃相次ぐ 治療は中断へ

エボラ出血熱の流行が続くコンゴ民主共和国(以下コンゴ)の北キブ州で、国境なき医師団(MSF)が運営する2ヵ所のエボラ治療センターが相次いで襲撃された。最初の襲撃は2019年2月24日、同州カトゥワで起き、2回目の襲撃は3日後の27日にカトゥワ近郊の町ブテンボで発生した。襲撃に関与した集団の実体はつかめていない。MSFは患者とスタッフの安全確保を最優先にし、両センターでの医療活動を中止した。これにより地域での患者への治療機会は大幅に失われている。




[画像: https://prtimes.jp/i/4782/434/resize/d4782-434-481597-0.jpg ]


エボラ流行の最前線での襲撃

カトゥワでの襲撃は24日の午後10時に起きた。正体不明の集団がエボラ治療センターに石を投げつけ、建物の一部に放火、病棟や器材を破壊した。患者の家族が逃げる途中で1人死亡したが、死亡時の詳しい状況は今のところ明らかになっていない。また27日に起きたブテンボでの襲撃の詳細についてMSFは現在情報を収集している。

カトゥワでMSF緊急対応コーディネーターを務めるエマニュエル・マッサールは、「今回の襲撃はセンター内にいた患者とその家族、そしてスタッフを恐怖に陥れました。センターにいた感染確定患者4人と感染疑いの患者6人全員は近くの別の治療センターに転院させることができましたが、この事件で、現在エボラが最も流行している地域での活動が難しくなってしまいました」と話す。

地域住民の十分な理解が必須

北キブ州でエボラ対応プロジェクトを運営するMSFベルギーの事務局長、メイニー・ニコライは、「襲撃の理由はわかりませんが、このような暴力行為は許されません」と語る。「ただ、MSFを含めエボラ対策にあたっている関係者が、地域住民から十分な信頼を得られていないことも確かです。関係者全員が現地での対策の取り組み方を見直し、地域の人びとの不満や不安と真摯に向き合う必要があります」

エボラ対応において、地域の人びとに受け入れられることの大切さは、過去の流行で示されている。地域住民から信頼されなければ、病気の人や亡くなった人の把握はできず、医療従事者が脅迫や襲撃に遭う可能性もある。

コンゴでは、北キブ州とイトゥリ州でエボラ流行が始まって半年が過ぎた今も感染が制御できず、確定患者は870人、死者は540人を超えている。発生初期に流行の中心地だったマンギナとベニでは抑止に一定の成果が出ているが、その後、流行はチョミア、ムトゥワンガ、マサレカなど周辺の4保健区へも広がり、さらに19保健区へと拡大している。地域で感染して亡くなる人が後を絶たない一方で、診療所などの医療施設内での感染も相次いでおり、新規症例の大半が、既存の症例と関連のないところで出てきている。

MSFはカトゥワ、ブテンボの治療センターでの活動を中止したが、ブニア、ブウェナ・スラ、カイナ、ビャナでエボラ対応の活動を続けている。
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