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<アデランス産学連携>第60回九州外科学会においてアデランスがランチョンセミナーを初共催

〜抗がん剤脱毛の現状(患者体験と最新治療法の探求)について講演〜

 毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都品川区、代表取締役グループCEO 津村 佳宏)は、3月8日(金)〜3月9日(土)、ホルトホール大分(大分県大分市)にて開催された第60回九州外科学会※において、アデランスがスポンサーシップをとるランチョンセミナーを共催しました。アデランスが本学会に共催するのは、今回が初めてとなります。
※第60回九州小児外科学会・第59回九州内分泌外科学会との同時開催となりました。




 第60回を迎える今回の学会は、アデランスとの研究を進める大分大学医学部長 大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授の猪股 雅史先生が会長を務め、「外科学のホットな源泉につかる」をテーマに開催されました。

 会期中の3月8日(金)に、アデランス共催のセミナーは「抗がん剤脱毛の現状と向き合う―患者体験と最新治療法の探求―」をテーマとして、うえお乳腺外科 副院長 久保田 陽子先生と、大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授 河野 洋平先生が講演し、大分大学 学長の北野 正剛先生が座長を務めました。

[画像1: https://prtimes.jp/i/10292/868/resize/d10292-868-ddb9b8dfe321b36a4a45-1.png ]

■アデランス共催「ランチョンセミナー1」講演概要
座長
 大分大学 学長
 北野 正剛先生

■演題1
演者
 うえお乳腺外科 副院長
 久保田 陽子先生

演題
 脱毛に直面した乳がん女性に寄り添って

講演内容
 わが国の乳がんの罹患率は増え続けており、罹患率のピークは40歳代後半と60歳代前半で、仕事、子供、孫の世話、両親の介護など大切な役割を担う世代である。
 うえお乳腺外科の2023年の乳がん手術例の年齢分布を見ると、50歳代、60歳代、40歳代の順に多いが、30歳代、20歳代の症例もあり、これらの女性が化学療法を受ける際には脱毛に直面せざるを得ず、乗り越えるための工夫が必要とされている。
 乳がんに対する薬物補助療法は国際的なガイドラインに沿って選択されるが、2023年の当院での乳がん手術例370名中111名と30%が術前または術後に化学療法を受けており、常時、脱毛ケアが必要とされている。
 そのような背景の中で、以下のような乳腺外科の現場での取り組みを紹介する。
1. 化学療法を受ける患者のケアに関する看護研究
 当院では開院当初より、頭髪および眉毛・睫毛の脱毛情報を正確に患者に伝え、脱毛の際のケアの指導に取り組んでいるので紹介する。
2. 脱毛軽減の試みにおける予備的研究の参加とその効果
 脱毛軽減ローションや頭皮冷却装置の開発初期の予備的研究に参加したので紹介する。とくに脱毛軽減ローションの2011年の予備的研究は臨床例で初めての試行で、頻回塗布により脱毛軽減効果や頭皮の痛みの軽減効果があることが示され、その後の研究の発展に繋がった。
[画像2: https://prtimes.jp/i/10292/868/resize/d10292-868-3f51649c5f0676816279-1.png ]

■演題2
演者
 大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授
 河野 洋平先生

演題
 最適な抗がん剤脱毛治療を探る

講演内容
 がん治療成績向上に伴い、がん経験者数も増加している。がん患者のサバイバーシップ※1支援が求められ、治療に伴う脱毛など外見変化に対する医療現場のサポートの重要性はますます高くなっている。高度脱毛の発症頻度が高い乳がん領域をはじめとして、抗がん剤治療による脱毛に苦しむ患者は多く、永続的な脱毛まで起こることもあるが、いまだ十分な予防・治療法はない。我々は酸化ストレスが関与する抗がん剤脱毛の病態に対する抗酸化物質αリポ酸誘導体の効果に注目し、研究を進めてきたので紹介する。
 多機関共同研究による乳がん患者100名を対象とした臨床研究では、化学療法期間中にαリポ酸誘導体を頭皮に塗布し、脱毛後の回復を促進する結果を得た。リバーストランスレーショナル研究※2としてαリポ酸誘導体の効果について頭皮冷却療法との作用の相違点や併用効果の可能性など基礎研究にて検討し、シクロフォスファミド※3誘発脱毛モデルにおいて皮膚冷却法およびαリポ酸誘導体経皮投与は、抗がん剤による皮膚血管透過性亢進病態を抑制した。さらにαリポ酸誘導体は皮膚血管内皮細胞のアポトーシス※4を抑制した。産学連携開発により上市されたαリポ酸誘導体配合頭皮用ローションは消化器がん患者における回復期の毛質を改善する可能性も示している。今後もさらに抗がん剤脱毛治療を中心とした研究の推進と、がん患者のQOL向上を目指した取り組みを継続する。

(※1)サバイバーシップ:がんサバイバー(がんの診断・治療を受けた人々)が持つ、生活面での様々な問題     
   を、本人だけでなくその周囲の人々や社会全体が協力して乗り越えていくという考え。
(※2)リバーストランスレーショナル研究:実際に患者がどのような症状か、どのように困っているか、などと 
   いった、臨床上の問題に徹底してこだわり、その視点から基礎、臨床研究を行うこと。
(※3)シクロフォスファミド:乳がん他、多くのがん種に用いられる、抗がん剤の一種。
(※4)アポトーシス:あらかじめ予定されている細胞の死。
[画像3: https://prtimes.jp/i/10292/868/resize/d10292-868-f984b95c2d5a09f879a8-1.png ]

■九州外科学会に関して
 九州外科学会・九州小児外科学会・九州内分泌外科学会は、若い医学徒の発表の機会、並びに会員相互間及び関連機関との研究連絡を推進し、主として九州沖縄各県における外科、小児外科、内分泌外科学の進歩普及に寄与することを目的に設立されました。本学会は、1964年に第1回が開催され、現在は約1,600名の会員を擁しています。

■株式会社アデランスに関して
 アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携でも毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。
 その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。


学会概要


学 会 名 称:第60回九州外科学会
会   期:2024年3月8日(金)〜3月9日(土)
会   場:ホルトホール大分(大分県大分市)
会   長:大分大学医学部長
      大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授
      猪股 雅史先生
      ※第60回九州小児外科学会・第59回九州内分泌外科学会との同時開催となりました。
      ※アデランス共催のランチョンセミナーは、3月8日(金)に開催しました。
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