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フォーリン・アフェアーズで「日本というシステム」を考える


2010年1月号 フォーリン・アフェアーズで日本を考える

そもそも、「日本はほかの国と同じ主権国家」だろうか。

日本異質論のゴッドファーザーと言われたカレル・ウォルファレンは、対日貿易赤字を前にワシントンの日本に対する不満がピークに達しつつあった1986年に発表した「日本問題」でこう問いかけている。

「ほかの国と同じような主権国家」とは、「自国にとって何が国益であるかを認識し、国家的意思決定の最終責任を引き受ける政府を備えた国家」という意味だ。(国家間の交渉である)外交では相手国がそうした主権国家であることを前提としているが、日本はそうではない。これがウォルファレンの言い分だ。

その結果、外交の場で何が起きるか。

「東京は、形式的な議論と空約束を重ねて、事態を一層悪化させている。こうした議論や無意味な約束ゆえに、アメリカの議員や企業家たちは、「自分たちはだまされている」と確信し始めている。

ウォルファレンの分析は20年以上前のものだが、現在の鳩山政権とワシントンとの関係に非常によく似ていると感じる人は多いはずだ。

一方、ウィリアム・オーバーホルトは「1940年体制の弊害を克服するには」で、「現在、日本を機能不全に陥れている制度上のルーツは、現行の制度の多くをいまだに支配している1937〜45年に作られた「1940年体制」に求めることができる、と言う。

「この体制は日本の戦時経済を動かすために合理的に作られ、実際にうまく機能したし・・・戦後も日本の再建とめざましい成長へ向けて大いに貢献した。だが、かつては日本の再建と成長にうまく貢献した体制上の特質が、いまやこの国を崩壊の瀬戸際へと追い込んでいる」。

オーバーホルトの議論も、現在民主党政権が実施している改革を有権者が判断する上で、格好のベンチマークになる。 「消費者を締め上げ、余剰資金の大半を企業へと振り向けていた体制は、成長を刺激するような国内需要を生み出せなかった」ともオーバーホルトは指摘している。

そして、レオナード・ショッパは「日本システムから退出する企業と個人」で、「市民は、問題への対処を政府に強く求めるよりも、この国が直面する問題から逃れようとしている。いまや日本人は、自らの運命を自分で切り開くためにシステムからの「退出」路線を選ぶほうが、政治運動によって政府の政策を変えようと試みるよりも好ましいと確信しているようだ」と分析する。

制度がつくりだす弊害を政府が改革をつうじて打開できないことに業を煮やした一部の日本企業、市民たちは、自分を守るために、制度にも政治にも背を向け、それにつれて制度も政治はますます劣化しているとショッパは指摘している。

現体制のもとで、政治家が権力を模索することが、市民の幸福と社会の安定と繁栄へとつながるのなら、それはそれでかまわない。だが政治家が権力を模索する目的が、予算を掌握して次の選挙での勝利を確実にすることだけなのであれば、政治制度の設計を根本からやり直す必要があるだろう。

この意味では、民主党の改革路線は一部で日本の国益に合致しているのかもしれない。だが、改革の目的とビジョンが見えない。(封印するとしても)常時駐留無き安保も、官僚から政治主導へというスローガンも、実は現在の指導者たちの先代の時代からのものではなかったか。

確かトルコのことわざに次のようなものがある。優れた制度を書くには100人の賢者が必要だが、それを壊すには1人の愚か者で十分だ。つまり、改革ではなく、制度を壊すのなら誰にでも出来る。

現在、この国で展開されていることが「創造的破壊」であることを確信できるような目的とビジョンがなければ、今回の政権交代は(旧レジームを倒すことだけが目的の)ビジョン無きラテンアメリカ型の革命に終わりはしないか。今まさに、目的とビジョンを見据えて「日本というシステム」を再検証するタイミングにあると思う。(竹下興喜 フォーリン・アフェアーズ・ジャパン)

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フォーリン・アフェアーズ誌とは、世界的に有名なシンクタンク、米外交問題評議会(http://www.cfr.org)が隔月で発行する外交、軍事、経済・金融などの専門誌で、世界的な影響力を持つ雑誌とし広く知られる。

現在、スペイン語版、ロシア語版、日本語版が国際エディション(http://www.foreignaffairs.com/international-editions)として出版されており、国内では月刊フォーリン・アフェアーズ・リポート(http://www.foreignaffairsj.co.jp)として日本語版が出版されている。

英語版は隔月だが、日本語版は月刊で、フォーリン・アフェアーズ リポート誌二号で、英語版のほぼ全てを網羅できるのに加えて、発行元の外交問題評議会のリポート、インタビューなども掲載している。
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