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日経平均21000円回復でセンチメント保てるか

ランチタイムコメント
 日経平均は大幅反落。377.73円安の20939.59円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えた。3・9月期決算企業の配当落ち日となるが、それ以上に米ハイテク株安の影響から日経平均は21000円を割り込んでいる。27日の米国市場では、米アリゾナ州が配車サービスのウーバーに対して州内道路での自動運転車運用の無期限停止を命令したことをきっかけに、半導体関連株が急落。この影響を受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比415円安の20695円だった。指数インパクトの大きいところでは、米エヌビディアの急落の影響もあり、ソフトバンクG<9984>が日経平均を約32円下押しているほか、東エレク<8035>が約36円下押す格好。ただし、一時20776.82円まで下げ幅を広げる局面もみられたが、その後は下げ幅を縮めており、底堅さは意識されていた。

 東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは電力ガスのみが小幅にプラスだったほかは、非鉄金属、石油石炭、その他製品、鉱業、金属製品、銀行、卸売、電気機器、証券、機械が弱い。指数インパクトの大きいところでは、京セラ<6971>、電通<4324>、JT<2914>、資生堂<4911>が下支え。

 日経平均は一時20800円を下回った後は下げ渋る展開となっており、52週線レベルでの攻防となっている。配当落ち分を考慮すれば200円程度の下げにとどまっており、底堅さは意識されている。後場は日銀のETF買い入れへの思惑や配当再投資の買い、実質新年度相場入りに伴う機関投資家による資金流入が下支えとなる可能性があるだろう。下げ渋る中で、2
1000円を上回ってくるようだと、押し目買いの動きが次第に強まる展開が意識されてくる。

 一方で、米ハイテク株の動向には注意が必要である。FANG銘柄を中心に資金が長期に渡って向かっていたこともあり、ポジション圧縮の流れが強まるようだと、日本のハイテク株への重石になる。半導体セクターは自動運転車やEV等での成長期待が大きかっただけに、関連銘柄への手掛けづらさも意識されてくる。本日は期末要因から底堅さが意識されたとしても、先行きには慎重になりそうだ。また、森友スキャンダルについても証人喚問通過で不安材料が払拭された訳ではなく、次第に海外勢による日本株へのポジション取りにも影響してくる可能性があろう。
(村瀬智一)


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