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短期筋の達成感意識もリスクオフには傾けづらい状況

オープニングコメント
 29日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。28日の米国市場では、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉への楽観的な見方から、貿易摩擦懸念が後退し買いが先行。
主要3指数は揃って上昇した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比5円高の22805円。円相場は1ドル111円10銭台で推移している。NAFTA再交渉については、米国とメキシコが大筋合意した。トランプ米政権はカナダと月内の交渉妥結を目指す。米国はNAFTA再交渉への楽観的な見方が材料視される格好となったが、そもそもトランプ政権が壊し、これを若干修正したに過ぎず、市場の反応は過剰との見方もされる。また、こんどは日本がターゲットとの見方もあり、不安材料には変わりはないだろう。足元で自律反発をみせていた自動車株へは、戻り売り圧力が警戒されるところである。

 また、日経平均は節目の23000円回復により、短期筋の達成感が意識されるところ。昨日の先物市場の動向をみても、明確な買い手がみられない状況であり、短期筋の目標達成の反動が意識されやすいところでもある。昨日の日経平均は23000円にタッチした後は、戻り売りに押された格好だが、マザーズ指数はいち早く下げに転じ、JASDAQも下げに転じていたが、マザーズは足元では4営業日続伸で上値抵抗の25日線を突破していたこともあり、いったんは利食いに向かわせやすいところであろう。ただし、下げに転じているとはいえ、下値の堅さは意識されてきており、マザーズ指数も25日線を支持線として意識されつつある。

 とはいえ、外部環境の不透明要因はあるものの、米国市場が強い値動きを続ける中、リスクオフに傾けづらい状況にもなってきている。9月以降の機関投資家の参入等も意識されやすく、需給状況は改善傾向に向かいやすいと考えられる。日経平均が23000円近辺で推移するなかで、9月のメジャーSQに向けた思惑も働きやすい。中小型株物色については、出遅れ感の強い銘柄の修正リバウンドのほか、強いトレンドを続けていた銘柄への利食い一巡後の再動意も意識されやすい。引き続きバイオやEV、キャッシュレス関連のほか、ハイテク株の動向が注目される。


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