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東証の時価総額「バブル期超え」の本当の意味

Miniトピック
先週、東証1部の時価総額がバブル期(1989年)を上回った。あのバブル期を超えたとあって、割と大きく報道され、例によって「バブルだ」とか「過熱感がある」などと言う向きも出てきた。しかし、上場企業数が約1.6倍になっているのであるから時価総額全体で比較しても全く意味はない。時価総額がバブル期を超えたから加熱感が出てきたなどと言っている向きは、単純な割り算もできないということになる。
 時価総額がバブル期まで回復してきたなどと喜んでいる場合ではない。停滞している間に東証の時価総額は、中国(上海)に抜かれ、米国(NY)には約4倍の差をつけられている。
 特筆すべきは米国で、リーマン・ショックというバブル崩壊後、株式市場はわずか4年でリーマン・ショック前の高値を回復し、現在も「史上最高値」を更新中である。バブル崩壊後に行った量的緩和策(QEシリーズ)は成功を収めているように見える(これに対し、日経平均株価は過去最高値38915円に対し現在20264円と未だ約半額の水準)。欧州中央銀行も量的緩和策に乗り出し、ドイツなども史上最高値を更新している。
 日本はバブル自体を人為的・政策的に大崩壊させ、その後もかなり長い期間金融引締め政策を行ったことにより約25年もの失われた時間を作ってしまったが、世界は日本を反面教師として同じ過ちを避けた格好となっている。日本の金融政策の失敗は世紀の大失策として歴史に刻まれつつある。
 東証の時価総額は「25年かかって、しかも上場企業数が1.6倍にも増えてようやくバブル期と並んだ」と言うべきで、このことは日本の経済と株式市場の停滞(デフレ)がどれほど悲劇的であったかということの象徴なのである。

<YU>

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