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週刊ダイヤモンド今週号より〜武田のブロプレス問題の背後に潜む“エビデンス至上主義”とは?

注目トピックス 経済総合
武田薬品工業<4502>の高血圧症薬「ブロプレス」は2012年度に1118億7400万円を稼ぎ出し、製品別の売上高ランキングで堂々の1位に輝きました。また、ノバルティス・ファーマの高血圧症薬「ディオバン」は同年度に1059億7500万円を売り上げてランキング2位。

ただ、ブロプレスでは論文に関する誇大広告疑惑が持ち上がり、ディオバンでも不正論文問題が浮上。いずれも不適切なデータを用いて、医者に対して自社製品に有利な宣伝をしていたことが問題視されています。

今週号の週刊ダイヤモンドでは病気別の「頼れるクスリ」について特集を組んでいますが、その中でもブロプレスやディオバンの事件につながった製薬業界の巧妙なマーケティング手法には医薬関連の投資にも役立つヒントを与えてくれます。

製薬業界では「エビデンス(科学的根拠)」と呼ばれる治験の概念が普及して、クスリの有効性と安全性が格段に進歩したといわれています。一方、エビデンス至上主義が不正の温床にもなり、「医者がしっかりと内容を吟味せず、製薬会社が宣伝する試験データをうのみにしてしまう」というゆがんだエビデンスが不正事件につながっているようです。

製薬会社では営業競争においてもエビデンスの地位が飛躍的に高まり、特に自社製品に有利な試験データは何よりも有力な武器になると記事は指摘。

高齢化の進んだ日本では高血圧症の患者数が多くいます。これら患者が投薬を開始すればずっと使い続けるお得意様となり、製薬会社にとって高血圧症薬は稼ぎやすく、経営的にも重要なものとなりました。

製薬会社が臨床研究を用いたマーケティング手法は「派手な宣伝で強調」することで、著名医師による座談会や講演、医学雑誌による広告、全国各地での研究会などのツールが駆使されています。

臨床試験で自社製品に少しでも有利なデータが出ると、それを学界の大きな目玉として著名医師に発表させた後、大絶賛させ、エビデンスと称し、大々的な販売促進活動に利用する??多くの専門医や業界関係者は「ディオバンやブロプレスの問題は氷山の一角」と証言しています。



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