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NYの視点:次回のECB定例理事会、ユーロ圏8月CPIが鍵

注目トピックス 経済総合

外国為替オプション市場で、ユーロの下落を予想したユーロプットオプションの大口取引が話題となった。9月、または10月の定例理事会で、欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に踏み切るとの観測が台頭しつつある中、一部の投資家はユーロ安を織り込み9億ユーロ規模の10月14日期日、1.2625ドルストライクのユーロプットオプションを購入したという。

欧州中央銀行(ECB)は6月の定例理事会でマイナス金利を含む包括的な金融緩和に踏み切った。しかしながら、いまだに効果が見られない。ドラギECB総裁はワイオミング州ジャクソンホールで先週開催された米連銀主催年次シンポジウムで長期インフレ期待の低下にも言及。「我々はさらに政策を調整する用意がある」と公約した。これは、追加緩和を実施する「市場へのヒント」との見方も広がった。

米JPモルガン銀行、TD証券など、一部の金融機関は早くて来月9月の定例理事会で追加緩和を実施すると見ている。JPモルガンのアナリストは顧客向けレポートの中で、ECBが9月の定例理事会で一連の主要金利を10ベーシスポイント引き下げると見ていることを明らかにした。しかし、ECBが米連邦準備制度理事会(FRB)型の量的緩和を導入することは引き続き論争の的になると見ている。ドラギECB総裁はジャクソンホールでの講演で、原稿にあった「非伝統的」との文言を即興で削除。TD証券のストラティジストはECBが年内にQEを導入する確率は依然、50%以下との見方。JPモルガンは年末までにECBがQEを導入する確率は30%以上で、来年は50%に上昇すると見ている。

今週末に欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表を予定している8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)はマイナスとなった2009年10月以来の低水準が予想されている。万が一、予想をさらに下振れると、来週のECBの行動を確実にすることになる。



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