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中国:人民元改革が逆行、「為替レート市場化」中止か

注目トピックス 経済総合
中国の進める人民元の市場化改革が逆行し、当局の意向を強く反映した為替管理が再び実施されているもようだ。中国人民銀行(中央銀行)は昨年8月、人民元基準値の決定方法を変更し、より市場の需給を反映させる形に見直したが、今年1月4日の時点でこの新メカニズムを撤回。対外的に公表していないものの、日々の基準値設定を当局が厳しく管理する方向に“逆戻り”したという。外電が24日、消息筋情報として伝えた。
報道によると、3月に行われた内部会議で、銀行関係者やエコノミストが人民銀に対し、市場に抗うのをやめ、人民元の下落を容認するよう提言。ただ、人民銀側は「為替レートの安定を維持することが重要な任務」として、これを拒否した。景気の減速を背景に、当局は国内からの資金流出に対する懸念を強めているという。
人民銀は昨年8月、対米ドル基準値の算出方法を変更すると発表。11日付で、マーケットメーカー行が提示するレートに加えて、前日終値なども参考に基準値を決定することを明らかにした。基準値と市場価格とのかい離を修正する狙い。この変更によって、11日の対米ドル基準値は前日比1.9%安と大幅に下落しており、「実質的な元切り下げ」と受け止められた。
その後、人民元の対米ドル相場はほぼ横ばいでの推移を続けていたが、11月になって再び元安基調を強めた。国際通貨基金(IMF)が同月30日、特別引き出し権(SDR)構成通貨に人民元を採用すると発表したことがきっかけ。国内株価の急落もあって資金流出が警戒されるなか、オフショア市場の対米ドル相場は今年1月6日に、過去最安値の6.73人民元台を付ける場面が見られた。
ただ、今回の報道内容について、専門家の間では「人民銀が市場化改革を放棄することは考えられない」との見方が示されている。例えばUBSのエコノミストによると、上海20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議、全国人民代表大会(全人代)が開かれた2-3月、人民銀は確かに頻繁に介入を行っていたが、その後は回数を減らした。また、人民元相場が5月に入って下落基調を強めたことについて、米ドル高を受けたもので、政府の意図ではなく、市場の動向が反映されているという。

【亜州IR】



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