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NYの視点:イエレンFRB議長はドッドフランク法擁護、財政拡大に消極的

注目トピックス 経済総合
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は上下両院合同経済委員会の公聴会で証言し、「利上げは比較的早期に適切になる可能性」と指摘した。経済は11月の見通しに一致し、FRBの目標に向けて一段と進展したとの見解。インフレは依然2%を下回っているとしたうえで、労働市場の改善とともに2%に上昇していくと見ていることを明らかにした。利上げを過剰に長く遅らせると、のちに速やかな利上げにつながると繰り返し、12月の利上げの可能性をさらに強めた。

来年の利上げのペースを速める可能性もあるため注目されていた財政政策に関しては、予想外に牽制する姿勢を見せた。議長は今まで、景気回復に一段と拍車をかけるために、金融政策だけでは不十分で財政策の出動を要請していた。本日の証言では逆に、「議会の判断次第」としながらも、労働市場はほぼ最大雇用に到達しており現状で大規模な財政策の必要はないとの見方を示した。もし、大規模な財政拡大を実施した場合、万が一、危機に陥った場合の財政措置の余地を狭めると態度を反転。議員に対して、「財政拡大は生産性を後押しすると同時に、長期にわたる赤字拡大に留意する必要がある」と指摘した。

また、トランプ次期大統領が銀行などの収益を大きく圧迫していると撤廃を推奨している金融規制改革法(ドッド・フランク法)を、議長は「金融危機後の金融システムの安定に大きく貢献し、今後も他の危機に陥るリスクを軽減する」と支持する方針を示した。

また、政権交代において、「中央銀行の独立性は不可欠」と強調。トランプ次期大統領は選挙戦で、金融政策決定において「大統領選挙を考慮し利上げを見送った」としイエレン議長を名指しで批判していたが、このことに対する反論ともとらえられる。

同議長はリベラルで、民主党派としても知られることから、共和党のトランプ次期大統領が掲げている財政拡大やドッドフランク法の撤廃に反対する意向を示すことは、当然とも見える。共和党大統領の誕生でその進退にも注目されていたが、議長は4年間の任務を全うする意向を表明。多くのエコノミストは2018年半ばまでには多くのトランプ指名の理事が多数占めることになると予想。イエレンFRB議長は2018年2月、フィッシャー米FRB副議長は2018年6月にそれぞれ任期を迎える。




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