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NYの視点:米中貿易交渉、予断を許さない状況

注目トピックス 経済総合
米中両政府は19日から20日にかけてワシントンで次官級の貿易協議を開催している。10月に計画されている閣僚級協議につなげる。

中国政府が大豆や豚肉など主要農産品を報復関税の対象から除外し米国の農産物を大量に購入する方針を示した一方で、米国政府は中国からの輸入品2500億ドル(約27兆円)分への追加関税引き上げを10月1日から15日に先送りするなど、双方が歩み寄る姿勢を見せている。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は19日、Foxビジネスニュースとのインタビューで、「高官のムードが若干和らいでいる」と楽観的な見解を表明。

中国の最新の国内総生産(GDP)の成長率、小売り、鉱工業生産など経済指標が軒並み大幅な悪化を見せていることに加えて、香港の抗議デモが長期化していることは米国政府のレバレッジを一段と強めるため、中国が2020年の大統領選挙前に、貿易協定で合意に応じる可能性は残る。

一方で、中国は政権交代を期待し、大統領選挙前での合意を躊躇する可能性も依然除外できない。トランプ大統領は中国政府に対して、もし、合意が大統領選挙後になった場合には条件が一層厳しくなると警告。また、クドローNEC委員長は中国が要求している貿易と安全保障問題を切り離して交渉することは不可能だと指摘しており、合意が依然容易ではないことも確か。対中政策での政府のアドバイザー、ハドソン研究所中国戦略センター所長のマイケル・ピルズベリー氏は、もし、合意が成立しなければ、トランプ大統領は貿易戦争をさらに深刻化する覚悟だと警告。対中輸入品への関税を50%、100%へ引き上げることも辞さない方針だという。

トランプ大統領は交渉の前に強硬な態度を全面に出し、レバレッジを高めているとの見方もあるが、予断を許せない状況は続く。



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