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NYの視点:米10月JOLT求人件数、予想外の増加で労働市場の強さを再確認

注目トピックス 経済総合
米労働省が発表した10月JOLT求人件数は726.7万件と、9月703.2万件から減少予想に反して増加した。総失業者数を141万人上回った。求人件数が失業者数を上回る逆転は20カ月連続。また、差は5月来で最大となった。求人件数が増えたのは、小売、金融保険。減少したのは、非耐久財、レクリエーションなど。

9月分が1年半ぶりの低水準に落ち込んだため、今までひっ迫気味だった米国の労働市場が製造業の低迷などをきっかけに鈍化し始めたのではないかとの懸念も一時浮上した。しかし、10月の強い結果が、懸念を払しょく。ただ、企業の採用率(Hiring rate)は低下した。適切な技術を持つ労働者が見つからない状況が続いている。

採用者数は576万人と9月595.1万人から減少。離職(解雇と自発的退職者数の合計)は564万人に9月579.8万人から減少した。解雇は176.9万人と、昨年10月の184.4万人から減少。労働者の市場への自信をあらわすとして注目される退職者数は351.2万人と、9月の347.1万人から増加。2カ月連続の減少後、増加に転じた。退職率(Quits rate)は2.3%で9月と変わらず。

パウエルFRB議長は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、「労働市場がひっ迫しているかどうかわからない」「失業率が低くても労働市場にスラックが存続している可能性がある」と、労働市場に関して慎重な見解を示していた。一方、カプラン米ダラス連銀総裁は17日、「米国経済は最大雇用、またはそれを上回っている、スラックはあまり残っていない」と労働市場に関しては楽観的な見解を示している。現行でトランプ大統領が推奨しているような追加利下げの必要はなく、2020年を通じて政策金利の据え置きを予想している。カプラン総裁は2020年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を有する。

■雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善                      危機前の水準と比較
10月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(9月1.3%、昨年1.2%)  1.4%
11月失業率(Unemploynent rate):3.5%(10月3.6%)           5%
11月雇用者数(Nonfirm payrolls):+26.6万人(10月+15.6万人) +16.18万人

10月求人率(Job openings rate):4.6%(9月4.4%、昨年4.8% )    3%
10月退職率(Quits rate):2.3%(9月2.3%、昨年2.3%)         2.1%
11月広義の失業率(U-6):6.9%(10月7%)                  8.8%
10月採用率(Hiring rate):3.8%(9月3.9%、昨年3.9%)       3.8%

◎状態が危機前より依然悪い
11月長期失業率:35.7%(10月36.8%、2018年34.9%)            19.1%
11月労働参加率:63.2%(10月63.3%)                     66.1%



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