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偶数年の大相場【フィスコ・コラム】

注目トピックス 市況・概況
10年前のリーマン・ショック以降、外為市場関係者の間で偶数年の秋は大相場に見舞われる、とのジンクスがささやかれています。だとすると、2018年はブレグジットやアメリカ中間選挙が後々語り継がれる波乱となるかもしれません。

米中間の貿易摩擦とイギリスの欧州連合(EU)離脱は、どちらも懸念が弱まると再燃し、逆に警戒を強めると解決への期待が高まり、相場は翻ろうされています。2018年のドル・円相場(9月27日現在)は高値が113円46銭、安値は104円64銭で、9月末になってようやく年初来高値を更新したものの、変動幅は8円82銭と過去20年間では珍しくレンジ取引が続いています。

しかし、一部の外為関係者は、2008年のリーマン・ショックを含め、最近は偶数年、しかも秋になると相場が荒れるケースが目立つと指摘しています。確かに、その後は「ギリシャ・ショック」(2010年)、「アベノミクス」(2012年)、「ハロウィーン緩和」(2014年)、「トランプ・ラリー」(2016年)と続きました。今年はアメリカ中間選挙やブレグジットのヤマ場を迎え、転換期となる可能性はあります。

振り返ってみると、2010年は連邦準備制度理事会(FRB)の「出口政策」が意識され、年明けからドル高・円安基調に振れていました。しかし、ギリシャの財政赤字が公表されていた内容よりも巨額であることが発覚し、金融市場は大混乱となって安全通貨の円に資金が一気に流入。政府・日銀の2003年以来のドル売り介入も空しく、円は11月に80円付近まで強含み、1995年の最高値79円75銭に迫りました。

2012年は、野田佳彦首相(当時)の政権運営が行き詰まり、11月に野党だった自民党の安倍晋三総裁との党首討論で電撃的に衆院解散を切り出しました。安倍氏は次の衆院選で政権交代した場合、日銀の大規模な金融緩和政策を経済の柱にする「アベノミクス」を主張していたことから円売り優勢に。そのテコ入れのため、2014年は日銀の黒田東彦総裁が「ハロウィーン緩和」を仕掛け、円を翌年にかけて16円も押し下げました。

そして迎えた2016年、アメリカ大統領選は大接戦の末、共和党候補トランプ氏が民主党候補のクリントン氏を破りました。得票総数では大手メディアが伝えていた通り、クリントン氏がトランプ氏を上回りましたが、選挙人の獲得数でトランプ氏が制し、「想定外」のサプライズとなります。ドル・円は105円台から101円付近まで約4円も下落。しかし、その後ドルは反転し、年末にかけて118円台まで切り返しています。

早いもので、あれから2年。トランプ大統領の任期前半は、弾劾裁判に持ち込みたい民主党やメディアとの軋轢(あつれき)が激しさを増しています。歴史的な不人気といわれるトランプ氏の審判でもある中間選挙で、共和党の議席減は必至と報じられています。しかし、政策運営の実績はともかく、選挙は勢いのある方が常に勝ちます。ツイッターからもうかがえるトランプ氏の「怪気炎」は再び「ラリー」を巻き起こすでしょうか。




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