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米株主導の景気回復への期待感も野村HD急落がセンチメント冷ます【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
29日の日経平均は3営業日続伸。207.82円高の29384.52円(出来高概算18億2632万株)で取引を終えた。新型コロナワクチン接種の拡大に伴う経済の正常化期待やバイデン米大統領の演説に対する期待感を背景にした前週末の米国株の上伸を映してリスク選好ムードが広がった。ギャップスタートで始まった日経平均は一時29578.37円まで値を上げ、心理的な節目の29500円台を突破する場面もみられた。しかし、時間外取引での米株先物が軟調に推移しているため、引けにかけては利食い優勢の流れとなり上げ幅を縮小させていた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数は1200を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、小売、ゴム製品、機械、電気機器など20業種が上昇。一方、証券・商品先物が8.79%と大きく下落したほか、海運、空運、その他金融など13業種が値下がりした。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、アドバンテス<6857>が堅調。一方、ソフトバンクG<9984>、NTTデータ<9613>、野村HD<8604>、オリンパス<7733>が軟調だった。

前週末の米国市場では、NYダウ、S&P500種株価指数がともに過去最高値を更新するなど値を上げたことから、東京市場でも買いが先行して始まった。また、3月期末の権利付き売買最終日とあって、配当権利取りを狙った買いに加え、約8000億円規模に達すると試算されている配当の再投資による株価指数先物買いも見込まれるなか、先物高を受けた裁定買いも指数の押し上げに寄与した。

一方、約2200億円に達する巨額の損失が発生する可能性があると発表した野村HDが16%超の暴落を演じたことなどから、銀行や証券など金融セクターの下げが目立った。また、野村HDの急落原因となった米国でのヘッジファンドによる巨額なブロック取引の影響が世界的な金融混乱につながるのではないかとの不安心理も投資マインドを悪化させる要因になった。

市場からは目先、マーケットのカギを握るのは、米国を筆頭とする景気回復への楽観的な見方を背景にした「リフレトレード」が持続するかどうかだとの見方が多い。その上で、31日には、バイデン米大統領がピッツバーグでの演説で大型のインフラ投資計画を発表する予定である。景気回復加速への期待が一段と醸成され、株式などリスク資産全般の上昇を促すイベントとなるのか、それとも増税や国債増発といった財源問題を巡って米長期金利の急上昇を促すのか、市場の反応を見極めたいとの声が聞かれた。



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