ソーバル<2186>高付加価値の案件が増加、15 年2 月期から配当性向を35% に引き上げ
[14/05/03]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』5月1日放送において、ソーバル<2186>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■企業概況
電機機器の性能向上に不可欠で、カスタマイズ性の高い特殊なソフトウェア「ファームウェア」の開発受託を主力業務にしており、同分野で唯一の上場企業である。また、近年は、業務系やWeb 系のソフト開発にも力を入れるとともに、M&A にも積極的に取り組み、事業領域を着々と拡大している。
■事業内容
同社の事業は、エンジニアリング事業とその他事業に分けられる。エンジニアリング事業は、ソフトウェア、ハードウェア及びコンテンツの開発・作成を行っており、その約80% がファームウェアという電気製品の組込みソフトの開発・作成となっている。その他事業は、RFID (IC タグに代表される電波及び電磁誘導方式を用いた非接触型の自動認識技術) の製造・販売、スマートフォン向けのアプリや、ポータルサイトの運営などである。2014 年2 月期売上高の事業別の内訳は、エンジニアリング事業が全体の98.3%、その他事業が1.7%である。
顧客別売上高比率は、キヤノン及びキヤノングループが66.0% 、ソニー<6758> 及びソニーグループが9.5%、富士通<6702> グループが8.6%、日本電信電話(NTT)<9432> グループが3.9%となっている。ちなみに、ソニーに関しては、放送機器関連の受注が急拡大しておりシェアが上昇中。放送機器関連の受注は、2020 年の東京オリンピックに向けてさらに拡大が期待され、収益拡大へのけん引役の1 つとして期待できそうである。
■前期業績
2014 年2 月期通期決算は、売上高が6,625 百万円(前年同期比3.0% 増)、営業利益が518 百万円(同13.3% 増)と増収増益を達成した。4期連続での増収増益となっている。利益面は期初予想を上振れる着地に。好調な業績の背景は、優秀な人材の確保、ソフト開発に対する顧客からの信頼により、受注案件が十分に確保できていることである。エンジニアリング事業は業務請負や開発技術者を顧客企業に送り込むかたちで運営されているが、人員の稼働率は従来どおり平均で年間97% を維持した。主力のファームウェアは電気製品の性能を決める重要なソフトであるうえ、カスタマイズ性の高い特殊なソフトでもあるため、他社が事業化することは難しく、もともと案件には事欠かないようだ。
なお、同社の人材定着率は非常に高い。大きな要因となっているのが、残業が少ない点と高い有給取得率だ。同社では有給休暇を完全に消化することも推奨している。東洋経済新報社が発表しているCSR 企業総覧の最新の有給休暇取得率ランキングにおいて、サービス業でオリエンタルランド<4661> に次ぐ2 位にランクインした。
利益の大幅な上振れは、利益率の高い高付加価値の案件が従来以上に増加したためである。これは、景気の回復と顧客である電機メーカーの競争が加わり、今まで以上に高付加価値の案件が増加している。例えば、同社の最大の顧客であるキヤノンでは、製品の大幅な機能向上を実現するファームウェア開発といった、簡単には外注できない高付加価値ソフトの開発案件を同社に集中して発注する傾向が従来以上に強まっているようである。その結果、2014 年2 月の売上高営業利益率は7.8% と、前期に比べ0.7 ポイント上昇している。
ただ、注視すべきは、エンジニアの能力を最大限に活かした「戦略的アサイン」にも乗り出したことであろう。「戦略的アサイン」とは、足元ではすぐに大きな利益を生み出さない開発案件であっても、1 〜 3 年以内には確実に大きな収益を上げられると見込める案件に人材を含めた資本を投下する考え方である。同社は複数のこういった案件を持っており、これらへの先行投資を進めた。こういった戦略的な先行投資がなければ、売上高営業利益率は10% 程度になったことが予想される。
同社は配当性向30% を掲げており、利益の上振れに伴い期末配当金を1 株当たり3 円引き上げ13 円とした。通期では21 円で、配当性向は30.20% となる。また、配当政策を変更し2015 年2 月期から配当性向を35% に引き上げる。長期保有を期待するという理由から、株主には配当で報いる姿勢を明確にした。
■今期業績予想
2015 年2 月期の業績予想は、連結で売上高6,700 百万円(前期比1.1% 増)、営業利益540 百万円(同4.2% 増)としている。売上は保守的な見方だが、同社には案件が十分にあり、対応する人員が確保できれば、売上高は上振れる可能性がある。その他事業に関しては、RFID 事業は少なくとも、2015 年2 月期中には電波法改正に伴う置き換え需要が見込めそうである。
利益に関しては、伸び率が今までの業績推移から見て低いのは、6 月をメドに東京・大崎に新事業所を開設する予定で、そのための費用を計上したためである。ただ、同社の場合、特に利益面では、上方修正するということが半ばパターン化している。新卒社員の早期の収益貢献、利益率の高い案件の増加などによる売上高営業利益率の上昇などが実現した場合には、利益も上振れる可能性が十分にある。なお、配当予想に関しては、中間期に1 株当たり13 円(前期は8 円)、期末に13 円の計26 円とする。予想どおりの着地になった場合、配当性向は35.34% となる。
■中長期戦略
同社は、2013 年4 月、中・長期の成長戦略を打ち出している。具体的には、100 人の新卒採用の恒常的な実現、エンジニアリング事業の拡充のために従来の分野から離れた新機軸のM&A、の2 点である。前期にはさらに、3 月12 日付で新規事業部の新設が戦略に加わった。
新卒採用に関しては、採用ノウハウを社内で確立できたことにより、順調に進んでいる。2016 年春には100 人の採用を計画、成長戦略に掲げた「100 人の新卒採用の恒常的な実現」が16 年中にもスタートする計画となっている。
また、新機軸のM&A に関しては、14 年2 月期には成約がなかった。そこで、M&A に関しては最大買収予定金額を特に限定しないことにした。優良な案件さえあれば、資金余力の範囲で費用を上積みする方針である。上積みしても、同社は無借金経営で現預金も潤沢にあるため、財務上はまったく問題ない。
新規事業部の新設に関しては、外部から新事業を買収するだけでなく、社内から新しいビジネスを生み出すという発想である。新事業部は、今までの発想にまったくとらわれることなく、新しいビジネスのタネを発見・育成していく。そのため、責任者には、女性執行役員を起用した。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■企業概況
電機機器の性能向上に不可欠で、カスタマイズ性の高い特殊なソフトウェア「ファームウェア」の開発受託を主力業務にしており、同分野で唯一の上場企業である。また、近年は、業務系やWeb 系のソフト開発にも力を入れるとともに、M&A にも積極的に取り組み、事業領域を着々と拡大している。
■事業内容
同社の事業は、エンジニアリング事業とその他事業に分けられる。エンジニアリング事業は、ソフトウェア、ハードウェア及びコンテンツの開発・作成を行っており、その約80% がファームウェアという電気製品の組込みソフトの開発・作成となっている。その他事業は、RFID (IC タグに代表される電波及び電磁誘導方式を用いた非接触型の自動認識技術) の製造・販売、スマートフォン向けのアプリや、ポータルサイトの運営などである。2014 年2 月期売上高の事業別の内訳は、エンジニアリング事業が全体の98.3%、その他事業が1.7%である。
顧客別売上高比率は、キヤノン及びキヤノングループが66.0% 、ソニー<6758> 及びソニーグループが9.5%、富士通<6702> グループが8.6%、日本電信電話(NTT)<9432> グループが3.9%となっている。ちなみに、ソニーに関しては、放送機器関連の受注が急拡大しておりシェアが上昇中。放送機器関連の受注は、2020 年の東京オリンピックに向けてさらに拡大が期待され、収益拡大へのけん引役の1 つとして期待できそうである。
■前期業績
2014 年2 月期通期決算は、売上高が6,625 百万円(前年同期比3.0% 増)、営業利益が518 百万円(同13.3% 増)と増収増益を達成した。4期連続での増収増益となっている。利益面は期初予想を上振れる着地に。好調な業績の背景は、優秀な人材の確保、ソフト開発に対する顧客からの信頼により、受注案件が十分に確保できていることである。エンジニアリング事業は業務請負や開発技術者を顧客企業に送り込むかたちで運営されているが、人員の稼働率は従来どおり平均で年間97% を維持した。主力のファームウェアは電気製品の性能を決める重要なソフトであるうえ、カスタマイズ性の高い特殊なソフトでもあるため、他社が事業化することは難しく、もともと案件には事欠かないようだ。
なお、同社の人材定着率は非常に高い。大きな要因となっているのが、残業が少ない点と高い有給取得率だ。同社では有給休暇を完全に消化することも推奨している。東洋経済新報社が発表しているCSR 企業総覧の最新の有給休暇取得率ランキングにおいて、サービス業でオリエンタルランド<4661> に次ぐ2 位にランクインした。
利益の大幅な上振れは、利益率の高い高付加価値の案件が従来以上に増加したためである。これは、景気の回復と顧客である電機メーカーの競争が加わり、今まで以上に高付加価値の案件が増加している。例えば、同社の最大の顧客であるキヤノンでは、製品の大幅な機能向上を実現するファームウェア開発といった、簡単には外注できない高付加価値ソフトの開発案件を同社に集中して発注する傾向が従来以上に強まっているようである。その結果、2014 年2 月の売上高営業利益率は7.8% と、前期に比べ0.7 ポイント上昇している。
ただ、注視すべきは、エンジニアの能力を最大限に活かした「戦略的アサイン」にも乗り出したことであろう。「戦略的アサイン」とは、足元ではすぐに大きな利益を生み出さない開発案件であっても、1 〜 3 年以内には確実に大きな収益を上げられると見込める案件に人材を含めた資本を投下する考え方である。同社は複数のこういった案件を持っており、これらへの先行投資を進めた。こういった戦略的な先行投資がなければ、売上高営業利益率は10% 程度になったことが予想される。
同社は配当性向30% を掲げており、利益の上振れに伴い期末配当金を1 株当たり3 円引き上げ13 円とした。通期では21 円で、配当性向は30.20% となる。また、配当政策を変更し2015 年2 月期から配当性向を35% に引き上げる。長期保有を期待するという理由から、株主には配当で報いる姿勢を明確にした。
■今期業績予想
2015 年2 月期の業績予想は、連結で売上高6,700 百万円(前期比1.1% 増)、営業利益540 百万円(同4.2% 増)としている。売上は保守的な見方だが、同社には案件が十分にあり、対応する人員が確保できれば、売上高は上振れる可能性がある。その他事業に関しては、RFID 事業は少なくとも、2015 年2 月期中には電波法改正に伴う置き換え需要が見込めそうである。
利益に関しては、伸び率が今までの業績推移から見て低いのは、6 月をメドに東京・大崎に新事業所を開設する予定で、そのための費用を計上したためである。ただ、同社の場合、特に利益面では、上方修正するということが半ばパターン化している。新卒社員の早期の収益貢献、利益率の高い案件の増加などによる売上高営業利益率の上昇などが実現した場合には、利益も上振れる可能性が十分にある。なお、配当予想に関しては、中間期に1 株当たり13 円(前期は8 円)、期末に13 円の計26 円とする。予想どおりの着地になった場合、配当性向は35.34% となる。
■中長期戦略
同社は、2013 年4 月、中・長期の成長戦略を打ち出している。具体的には、100 人の新卒採用の恒常的な実現、エンジニアリング事業の拡充のために従来の分野から離れた新機軸のM&A、の2 点である。前期にはさらに、3 月12 日付で新規事業部の新設が戦略に加わった。
新卒採用に関しては、採用ノウハウを社内で確立できたことにより、順調に進んでいる。2016 年春には100 人の採用を計画、成長戦略に掲げた「100 人の新卒採用の恒常的な実現」が16 年中にもスタートする計画となっている。
また、新機軸のM&A に関しては、14 年2 月期には成約がなかった。そこで、M&A に関しては最大買収予定金額を特に限定しないことにした。優良な案件さえあれば、資金余力の範囲で費用を上積みする方針である。上積みしても、同社は無借金経営で現預金も潤沢にあるため、財務上はまったく問題ない。
新規事業部の新設に関しては、外部から新事業を買収するだけでなく、社内から新しいビジネスを生み出すという発想である。新事業部は、今までの発想にまったくとらわれることなく、新しいビジネスのタネを発見・育成していく。そのため、責任者には、女性執行役員を起用した。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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