ティー・ワイ・オー<4358>広告主直接モデルの年平均成長率は26.5%目標
[14/05/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』5月19日放送において、ティー・ワイ・オー<4358>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概況
TV-CMの企画・制作が主力で、大手CM制作会社の一角を占めている。TV-CMの企画・制作の他にも、ブランディングやWeb を中心としたデジタル広告、スマートフォンアプリなどあらゆる広告コンテンツの企画・制作も手掛ける。
事業セグメントは、広告代理店向けにTV-CMの企画・制作等を行う「TV-CM事業」が売上高の70%超を占めている。そのほか、直接広告主向けにWeb 広告及びプロモーションメディア広告の企画・制作等を展開する「マーケティング・コミュニケーション事業」、子会社によるミュージックビデオ、アニメーションの制作等のその他事業がある。
■事業の特徴
同社の強みとしては、豊富な実績やマルチブランド展開による営業力、多くの受賞歴が実証するクリエイティブ力、多様なコンテンツ制作によるワンストップソリューションの3 つが挙げられる。
強い営業力は、年間2,000万本以上という一流広告主等への広告制作実績、マルチブランド展開によるそれぞれの特徴を生かした幅広い企画・提案力によって支えられている。特にマルチブランド展開は、徹底したファイヤーウォールのもとで広告主側の競合対策になるとともに、それぞれがカンパニー的な存在として、大きな権限移譲と独立採算性のもと高いモチベーションを維持する効果が働いており、他の大手制作会社との差別化要因ともなっている。
同社はクリエイターが設立した企業であるとともに、社員約700 名の内、約9 割をクリエイターが占めるクリエイター集団として、制作におけるクオリティには特にこだわりを持っている。これまで、JR東海、ユニクロなど消費者の印象に残る数々のCM 制作を手掛けてきた。また、卓越したクリエイティブ力を実証するものとして、数多くの受賞実績をあげることができる。
TV-CMの企画・制作のみならず、デジタルメディアやイベントといったセールスプロモーションなど、あらゆるメディアに対応した多様な広告コンテンツ制作を手掛けている。これにより、広告主の広告宣伝や販促活動に最適となるプロダクトミックスを提案できる強みがある。同社の広告主直接モデルが伸長しているのは、ワンストップソリューションによる幅広い企画・提案力が寄与しているところも大きい。
広告主直接モデルを推進していることも特徴。業界の商慣習では、広告代理店が広告主から一括して発注を受け、制作会社はその下請け的な役割を担うことが一般的であるのに対し、広告主直接モデルは、同社の様な制作会社が、広告主から案件を直接受注するモデルである。同社は、広告主直接モデルの推進によって、収益性の向上、広告主との長期的な関係の構築、案件規模の拡大、販売促進費の獲得などのメリットを追求する構えである。
■業界環境
コア領域であるTV-CM制作は、媒体取引に比べると市場規模が小さいものの、媒体価格が景気変動の影響を受けやすいのとは対照的に、景気に左右されにくい安定した市場である。実際、TV-CM 制作市場は、過去数年にわたって安定的かつ着実な伸びを見せている。今後も、2020 年の東京オリンピック開催に向けて、企業の宣伝広告活動が活発化することが予想されており、TV-CM 制作市場の拡大も見込まれている。
大手3 社によって市場全体の約3割を占めている。一方、業界団体 正会員数はここ20年ほどで大きく減少、大手3社の市場シェアが拡大していることから、業界の寡占化が進展していると考えられる。広告主側の情報管理を含めたコンプライアンス意識の高まり、スケールメリットが働く事業構造であることから小規模の事業者が案件を受け難くなってきたことなどが背景。
■これまでの業績推移
過去の業績推移を振り返ると、売上高は2008 年7 月期以降、リーマンショック等による景気後退の影響に加えて、過去の事業領域の拡充によって生じた不採算部門の整理が重なり下降線をたどった。ただ、本業回帰による事業再編が奏功、売上高は2011年7月期をボトムに2期連続で増収となり、中核事業を軸とした新たな成長ステージに入った。営業利益についても、不採算部門の整理による損失を計上した2009年7月期に大きく落ち込んだ後、V字型に回復した。
財務面でも、2009年7月期には自己資本比率が0.8%へ大きく落ち込んだが、業績回復や割当増資などで、2013年7月期の自己資本比率は32.0%の水準にまで回復している。
■2014年7月期業績
2014 年7月期第2 四半期(累計)の業績は、売上高が前年同期比5.0% 減の11,752 百万円、営業利益が同21.2% 減の644 百万円と減収減益となった。期初会社予想との対比でも、売上高、営業利益ともに未達であった。TV-CM事業において、一部大型案件の検収時期の変更があったことが業績下振れの主因。ただ、受注残高は順調に伸長(同21.4%増)しており、増収基調に変化はない状況だ。
また、利益面では、東証2 部への市場変更や同市場1 部指定・株式売出し関連費用(約53 百万円) など、一過性の本部経費負担が生じたことが減益の要因に。
同社では、第2 四半期(累計)の実績が期初会社予想比未達となったのは期ズレ要因によるもので、受注環境そのものは好調が続いていることから、通期業績予想の変更を行っていない。2014 年7 月期の売上高は前期比6.0% 増の26,500 百万円、営業利益が同13.8%増の1,700 百万円と増収増益を見込んでいる。
■中期計画
2014 年7月期を初年度とした中期経営計画を掲げている。過去4年間にわたり、本業回帰による事業の再生及び再構築を進めてきたが、収益力、財務基盤ともに急激な回復を遂げたことから、更なる成長を追求するフェーズへの移行を目指す内容となっている。広告代理店経由モデルの継続強化、及び広告主直接モデルの躍進、海外事業の新規展開などによって、2016年7月期には、売上高32,000 百万円(3 年間の年平均成長率8.6%)、営業利益2,150 百万円を目標としている。
今後の成長ドライバーである広告主直接モデルについては、営業力の強化、機能の充実、新規広告主の獲得、既存広告主案件の拡大などを重要政策として掲げている。特に、広告主直接モデルは、従来のCM制作やWeb制作に加え、国内イベント市場やプロモーションメディア市場などを含む広大な市場が対象となる。M&A などによる外部資源の活用により、周辺領域を取り込むことで成長を加速する戦略だ。広告主直接モデルの5 年後の売上高は18,000 百万円(年平均成長率26.5%)を目標としている。
海外事業については、現地の独立系エージェンシーを買収することを視野に検討を進めている。当初は日系企業の海外での広告活動をサポートするが、将来的にはASEAN10ヶ国及びインドにてクリエイティブ企業のネットワークを創り、当該エリアで日系企業や地域間事業展開を図る現地企業へのサービスを提供できる体制を構築することを目指す。海外事業の5 年後の売上高は4,000 百万円を目標としている。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
<TM>
■事業概況
TV-CMの企画・制作が主力で、大手CM制作会社の一角を占めている。TV-CMの企画・制作の他にも、ブランディングやWeb を中心としたデジタル広告、スマートフォンアプリなどあらゆる広告コンテンツの企画・制作も手掛ける。
事業セグメントは、広告代理店向けにTV-CMの企画・制作等を行う「TV-CM事業」が売上高の70%超を占めている。そのほか、直接広告主向けにWeb 広告及びプロモーションメディア広告の企画・制作等を展開する「マーケティング・コミュニケーション事業」、子会社によるミュージックビデオ、アニメーションの制作等のその他事業がある。
■事業の特徴
同社の強みとしては、豊富な実績やマルチブランド展開による営業力、多くの受賞歴が実証するクリエイティブ力、多様なコンテンツ制作によるワンストップソリューションの3 つが挙げられる。
強い営業力は、年間2,000万本以上という一流広告主等への広告制作実績、マルチブランド展開によるそれぞれの特徴を生かした幅広い企画・提案力によって支えられている。特にマルチブランド展開は、徹底したファイヤーウォールのもとで広告主側の競合対策になるとともに、それぞれがカンパニー的な存在として、大きな権限移譲と独立採算性のもと高いモチベーションを維持する効果が働いており、他の大手制作会社との差別化要因ともなっている。
同社はクリエイターが設立した企業であるとともに、社員約700 名の内、約9 割をクリエイターが占めるクリエイター集団として、制作におけるクオリティには特にこだわりを持っている。これまで、JR東海、ユニクロなど消費者の印象に残る数々のCM 制作を手掛けてきた。また、卓越したクリエイティブ力を実証するものとして、数多くの受賞実績をあげることができる。
TV-CMの企画・制作のみならず、デジタルメディアやイベントといったセールスプロモーションなど、あらゆるメディアに対応した多様な広告コンテンツ制作を手掛けている。これにより、広告主の広告宣伝や販促活動に最適となるプロダクトミックスを提案できる強みがある。同社の広告主直接モデルが伸長しているのは、ワンストップソリューションによる幅広い企画・提案力が寄与しているところも大きい。
広告主直接モデルを推進していることも特徴。業界の商慣習では、広告代理店が広告主から一括して発注を受け、制作会社はその下請け的な役割を担うことが一般的であるのに対し、広告主直接モデルは、同社の様な制作会社が、広告主から案件を直接受注するモデルである。同社は、広告主直接モデルの推進によって、収益性の向上、広告主との長期的な関係の構築、案件規模の拡大、販売促進費の獲得などのメリットを追求する構えである。
■業界環境
コア領域であるTV-CM制作は、媒体取引に比べると市場規模が小さいものの、媒体価格が景気変動の影響を受けやすいのとは対照的に、景気に左右されにくい安定した市場である。実際、TV-CM 制作市場は、過去数年にわたって安定的かつ着実な伸びを見せている。今後も、2020 年の東京オリンピック開催に向けて、企業の宣伝広告活動が活発化することが予想されており、TV-CM 制作市場の拡大も見込まれている。
大手3 社によって市場全体の約3割を占めている。一方、業界団体 正会員数はここ20年ほどで大きく減少、大手3社の市場シェアが拡大していることから、業界の寡占化が進展していると考えられる。広告主側の情報管理を含めたコンプライアンス意識の高まり、スケールメリットが働く事業構造であることから小規模の事業者が案件を受け難くなってきたことなどが背景。
■これまでの業績推移
過去の業績推移を振り返ると、売上高は2008 年7 月期以降、リーマンショック等による景気後退の影響に加えて、過去の事業領域の拡充によって生じた不採算部門の整理が重なり下降線をたどった。ただ、本業回帰による事業再編が奏功、売上高は2011年7月期をボトムに2期連続で増収となり、中核事業を軸とした新たな成長ステージに入った。営業利益についても、不採算部門の整理による損失を計上した2009年7月期に大きく落ち込んだ後、V字型に回復した。
財務面でも、2009年7月期には自己資本比率が0.8%へ大きく落ち込んだが、業績回復や割当増資などで、2013年7月期の自己資本比率は32.0%の水準にまで回復している。
■2014年7月期業績
2014 年7月期第2 四半期(累計)の業績は、売上高が前年同期比5.0% 減の11,752 百万円、営業利益が同21.2% 減の644 百万円と減収減益となった。期初会社予想との対比でも、売上高、営業利益ともに未達であった。TV-CM事業において、一部大型案件の検収時期の変更があったことが業績下振れの主因。ただ、受注残高は順調に伸長(同21.4%増)しており、増収基調に変化はない状況だ。
また、利益面では、東証2 部への市場変更や同市場1 部指定・株式売出し関連費用(約53 百万円) など、一過性の本部経費負担が生じたことが減益の要因に。
同社では、第2 四半期(累計)の実績が期初会社予想比未達となったのは期ズレ要因によるもので、受注環境そのものは好調が続いていることから、通期業績予想の変更を行っていない。2014 年7 月期の売上高は前期比6.0% 増の26,500 百万円、営業利益が同13.8%増の1,700 百万円と増収増益を見込んでいる。
■中期計画
2014 年7月期を初年度とした中期経営計画を掲げている。過去4年間にわたり、本業回帰による事業の再生及び再構築を進めてきたが、収益力、財務基盤ともに急激な回復を遂げたことから、更なる成長を追求するフェーズへの移行を目指す内容となっている。広告代理店経由モデルの継続強化、及び広告主直接モデルの躍進、海外事業の新規展開などによって、2016年7月期には、売上高32,000 百万円(3 年間の年平均成長率8.6%)、営業利益2,150 百万円を目標としている。
今後の成長ドライバーである広告主直接モデルについては、営業力の強化、機能の充実、新規広告主の獲得、既存広告主案件の拡大などを重要政策として掲げている。特に、広告主直接モデルは、従来のCM制作やWeb制作に加え、国内イベント市場やプロモーションメディア市場などを含む広大な市場が対象となる。M&A などによる外部資源の活用により、周辺領域を取り込むことで成長を加速する戦略だ。広告主直接モデルの5 年後の売上高は18,000 百万円(年平均成長率26.5%)を目標としている。
海外事業については、現地の独立系エージェンシーを買収することを視野に検討を進めている。当初は日系企業の海外での広告活動をサポートするが、将来的にはASEAN10ヶ国及びインドにてクリエイティブ企業のネットワークを創り、当該エリアで日系企業や地域間事業展開を図る現地企業へのサービスを提供できる体制を構築することを目指す。海外事業の5 年後の売上高は4,000 百万円を目標としている。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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