大研医器<7775>成長戦略の目玉はMEMS デバイスの新製品・新領域への展開
[14/07/02]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月30日放送において、大研医器<7775>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概要
病院内で使用する吸引器(フィットフィックス関連)、加圧式医薬品注入器(シリンジェクター関連) で国内トップシェアを握る。ユーザーの利便性向上につながるような独創的な製品開発力が強みとなっている。生産体制については、国内に試作・少量の生産ラインを自社で持っているが、量産段階に移ると国内外の外部企業に生産委託する形をとっており、需要の変動にも迅速に対応できる体制を整えている。付加価値の高いディスポーザブル型の医療機器を開発し、市場シェアを拡大することにより、高成長かつ高収益で安定性の高い収益体質を築き上げている。
■フィットフィックス関連とはどういったものか
売上高の60% 強を占めるフィットフィックス関連の主な製品には、「フィットフィックス」「キューインポット」がある。「フィットフィックス」は同社が1990 年に業界で初めて開発したもので、手術中に出る血液・体液等の排液を吸引し、密閉容器内で凝固するプラスチック製の凝固剤一体型吸引器である。従来の吸引器はガラス瓶でできており、洗浄後に再利用するなど、血液暴露による感染症のリスクがあったが、同社の開発した「フィットフィックス」は排液による感染リスクを除去し、医療従事者の負担を大幅に軽減することにつながった。国内市場シェアは70% 以上と安定している。
「キューインポット」は2004 年に開発、販売が開始された製品で、病棟で入院患者の痰など比較的排液量が少ないものを吸引する吸引器のこと。吸引器内に取り付けられた使い捨て型のライナー(袋) に吸引し、凝固した排液をライナーごと焼却処分にする。本体の吸引器をいかに病棟に設置していけるかが売上成長の鍵を握ることになる。
■足元の業績は
2014 年3 月期の業績は、売上高が前期比8.0% 増の7,635 百万円、営業利益が同10.2%増の1,389 百万円、経常利益が同12.1% 増の1,401 百万円、当期純利益が同11.9% 増の881 百万円となった。売上高、営業利益、経常利益ともに8 期連続の増収経常増益となり、過去最高を連続で更新した。
■今期業績の見通しは
2015 年3 月期の業績は、売上高が前期比6.3% 増の8,120 百万円、営業利益が同11.9%増の1,555 百万円、経常利益が同10.6% 増の1,550 百万円、当期純利益が同12.1% 増の988 百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。新製品プロモーションのための販売促進費用や研究開発費がそれぞれ増加するものの、増収効果でカバーするとしている。営業利益率も19.2% とさらに上昇する見通しだ。
製品別売上高では、キューインポットが前期比17.8% 増、PCA 装置付きシリンジェクターが同10.5% 増といずれも2 ケタ増収が続き、収益のけん引役となる。このうち、キューインポットは、病床数で300 床以上の病院を中心に本体の設置台数を前期末比1 万台増の8.6 万台へ拡大し、市場シェアでは3.4 ポイント増の31.1% まで上昇する見通しだ。
■成長戦略は
同社は5 年後の売上高30,000 百万円の達成を目指している。既存の主力製品は年間500 百万円程度の増収ペースが続く見通しだが、それに加えて新製品・新領域への展開や海外マーケットへの本格参入で一気に売上高を伸ばしていく戦略だ。
成長戦略の目玉として挙げられるのが、MEMS 技術を活用した新製品の展開。MEMS (MicroElectroMechanical Systems)とは、機械要素部品とセンサやアクチュエータ、電子回路などを1 つの基板上に集積化したデバイスのことを指す。エレクトロニクス市場だけでなく医療やロボット、自動車など様々な市場において、成長が期待される有望デバイスである。現在、実用化されているデバイスとしては、インクジェットプリンタヘッドや自動車、携帯電話等に搭載される加速度センサ、ジャイロセンサなどがある。
このMEMS デバイスを搭載した新製品を、既存領域だけでなく新領域で事業展開していく。MEMSデバイスを使うことで従来製品よりも、小型化かつ低コスト化を実現することが可能であり、今後の成長分野の1 つとして注目されているものである。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■事業概要
病院内で使用する吸引器(フィットフィックス関連)、加圧式医薬品注入器(シリンジェクター関連) で国内トップシェアを握る。ユーザーの利便性向上につながるような独創的な製品開発力が強みとなっている。生産体制については、国内に試作・少量の生産ラインを自社で持っているが、量産段階に移ると国内外の外部企業に生産委託する形をとっており、需要の変動にも迅速に対応できる体制を整えている。付加価値の高いディスポーザブル型の医療機器を開発し、市場シェアを拡大することにより、高成長かつ高収益で安定性の高い収益体質を築き上げている。
■フィットフィックス関連とはどういったものか
売上高の60% 強を占めるフィットフィックス関連の主な製品には、「フィットフィックス」「キューインポット」がある。「フィットフィックス」は同社が1990 年に業界で初めて開発したもので、手術中に出る血液・体液等の排液を吸引し、密閉容器内で凝固するプラスチック製の凝固剤一体型吸引器である。従来の吸引器はガラス瓶でできており、洗浄後に再利用するなど、血液暴露による感染症のリスクがあったが、同社の開発した「フィットフィックス」は排液による感染リスクを除去し、医療従事者の負担を大幅に軽減することにつながった。国内市場シェアは70% 以上と安定している。
「キューインポット」は2004 年に開発、販売が開始された製品で、病棟で入院患者の痰など比較的排液量が少ないものを吸引する吸引器のこと。吸引器内に取り付けられた使い捨て型のライナー(袋) に吸引し、凝固した排液をライナーごと焼却処分にする。本体の吸引器をいかに病棟に設置していけるかが売上成長の鍵を握ることになる。
■足元の業績は
2014 年3 月期の業績は、売上高が前期比8.0% 増の7,635 百万円、営業利益が同10.2%増の1,389 百万円、経常利益が同12.1% 増の1,401 百万円、当期純利益が同11.9% 増の881 百万円となった。売上高、営業利益、経常利益ともに8 期連続の増収経常増益となり、過去最高を連続で更新した。
■今期業績の見通しは
2015 年3 月期の業績は、売上高が前期比6.3% 増の8,120 百万円、営業利益が同11.9%増の1,555 百万円、経常利益が同10.6% 増の1,550 百万円、当期純利益が同12.1% 増の988 百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。新製品プロモーションのための販売促進費用や研究開発費がそれぞれ増加するものの、増収効果でカバーするとしている。営業利益率も19.2% とさらに上昇する見通しだ。
製品別売上高では、キューインポットが前期比17.8% 増、PCA 装置付きシリンジェクターが同10.5% 増といずれも2 ケタ増収が続き、収益のけん引役となる。このうち、キューインポットは、病床数で300 床以上の病院を中心に本体の設置台数を前期末比1 万台増の8.6 万台へ拡大し、市場シェアでは3.4 ポイント増の31.1% まで上昇する見通しだ。
■成長戦略は
同社は5 年後の売上高30,000 百万円の達成を目指している。既存の主力製品は年間500 百万円程度の増収ペースが続く見通しだが、それに加えて新製品・新領域への展開や海外マーケットへの本格参入で一気に売上高を伸ばしていく戦略だ。
成長戦略の目玉として挙げられるのが、MEMS 技術を活用した新製品の展開。MEMS (MicroElectroMechanical Systems)とは、機械要素部品とセンサやアクチュエータ、電子回路などを1 つの基板上に集積化したデバイスのことを指す。エレクトロニクス市場だけでなく医療やロボット、自動車など様々な市場において、成長が期待される有望デバイスである。現在、実用化されているデバイスとしては、インクジェットプリンタヘッドや自動車、携帯電話等に搭載される加速度センサ、ジャイロセンサなどがある。
このMEMS デバイスを搭載した新製品を、既存領域だけでなく新領域で事業展開していく。MEMSデバイスを使うことで従来製品よりも、小型化かつ低コスト化を実現することが可能であり、今後の成長分野の1 つとして注目されているものである。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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