TOKAIHD Research Memo(4):2017年3月期に売上高2,095億円、営業利益126億円を目指す
[14/09/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■新中期3ヶ年計画
(1)中期計画Innovation Plan2016“Growing”の概要
TOKAIホールディングス<3167>は2014年6月に2017年3月期を最終年度とする中期計画「Innovation Plan 2016“Growing”」を発表した。具体的な経営目標値としては、最終年度に売上高2,095億円、営業利益126億円の達成を目指していく(表参照)。営業利益は前期実績から52億円の増益となるが、このうち顧客基盤の拡大や顧客獲得コストの減少など「外部成長」で27億円の増益を、また、スケールメリットによる生産効率向上や償却負担減など「内部成長」で25億円の増益を見込んでいる。
新中期計画の基本方針は、「顧客件数の積み上げによる増収と収益性の向上」「財務体質改善の継続」「継続的かつ安定的な株主還元の実施」を打ち出している。特に、今回の中期計画では、セットメニューの導入による1顧客当たり売上高の拡大と顧客件数の積み上げに注力していく。
現在、同社のグループ顧客数252万件のうち、複数サービスを契約している顧客は全体の12%にしか過ぎない。ガスや放送、通信サービスなど総合生活インフラ事業者を標榜する同社にとって、グループ間でのシナジーを活かしきれているとは言えない状態で、従前からの経営課題ともなっていた。例えば、ブロードバンドサービスの顧客約87万件のうち、単独契約の顧客が79万件、その他サービスを1つ契約している顧客が6.5万件、2つ契約している顧客が1.3万件といった具合だ。
当面はグループの主力サービスであるLPガスと通信サービスのセットメニューを導入する計画で、利用料金の割引またはTLCポイントの割増付与などの特典制度を導入することによって割安感を打ち出し、顧客の囲い込みを進めていく戦略だ。2014年8月よりテストマーケティングを静岡、関東でスタートしており、11月からの本格販売開始を予定している。また、その他の既存サービスにおいても、段階的にセットメニューに追加していくほか、2016年に解禁される電力小売りの完全自由化に合わせて、電力サービスの取扱いも検討を進めている。
こうしたセットメニューの導入によって、契約件数の拡大が見込まれるほか、顧客獲得コストの低減効果も期待できることになる。セットメニューでの加入であればコストを半分に圧縮することが可能となる。また、解約率に関しても複数契約にすることで、単独契約の場合と比較して低下する効果が期待できる。セットメニューの導入によって生じるコスト圧縮分を値下げの原資に回すことになるが、それでも全体で見れば収益性の向上につながるとみている。
なお、今回の中期計画の業績目標値には、セットメニュー導入の効果を織り込んでいないため、セットメニューの導入による契約件数の増加が進めば、業績目標値を上回る可能性も十分出てこよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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