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アイ・エス・ビー Research Memo(14):自己資本利益率は今後の一段の改善が望まれる

注目トピックス 日本株

■財務分析と業績動向

(1)財務分析

アイ・エス・ビー<9702>の2013年12月期実績の自己資本利益率(ROE)は6.0%だった。赤字からの回復途上とはいえ、日本企業の平均を下回る水準であり、今後の一段の改善が望まれる水準だ。同社の低いROEに対して、ROA(総資産経常利益率)は7.4%と比較的高い水準にあり、ROEを上回っている。これは同社の自己資本比率が60%を超える高い水準にあり、財務レバレッジを活用するようなバランスシートの構造になっていないことが直接の原因である。無理に有利子負債を増大させる必要はないが、ROEを高めるためにバランスシートの構造をどう形づくっていくかは検討の余地があると言えよう。

同社の高いROAは主に総資産回転率によりもたらされており、売上高経常利益率は3.8%にとどまっている。同社のマージンが低い理由について、フィスコでは同社の大手企業との関係にあるのではないかとみている。すなわち同社は大手企業の信頼を勝ち得て大手企業とともに成長を遂げてきたが、同時にそれは顧客と同社の間に大手企業が介在する受注案件の比率を高め、それゆえ同社のマージンが低位にとどまっているものと考えている。マージンの改善については同社自身も最優先課題として中計に位置付けており、今中計の最終年度である2015年12月期には5%の売上高営業利益率を目標に掲げている。

弊社では、同社の中計が達成された場合に、同社のROEがどのようになるかを試算してみた。当期純利益は会社予想がないため、実効税率35%で計算した。また、自己資本については配当が25円配で継続するという前提とした。こうした想定の下、会社の中計目標が達成されれば、2015年12月期のROEは10.4%との試算結果が得られた。配当金を25円でなく、配当性向30%を厳守という形で自己資本を推計するとROEは10.7%に高まる。10%を超えるROEは日本企業としてはプラスの評価を得られる水準であり、ROEの上昇は株価バリュエーションにも好影響をもたらすと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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