ダイナック<2675>主力4 ブランドを核にした高付加価値戦略
[14/10/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』10月9日放送において、ダイナック<2675>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■企業概要
「響」「鳥どり」「パパミラノ」などの店舗ブランドを主軸に、サントリーグループにおける外食事業の中核を担っている。主な事業は、自社直営店やゴルフ場等のレストランを受託する「レストラン・バー」と、各種イベントなどへの食事提供や運営を手掛ける「ケータリング」のほか、サービスエリアなどでの売店運営等の「その他」に分類され、レストラン・バー事業が売上高と利益の大部分を稼ぎ出す。
■事業概要
同社の事業モデルは新規出店をドライバにした売上高成長モデルであり、これには出店ロケーションはもちろんのこと、ターゲットとする来店客属性に合わせた多業態戦略や価格戦略などが重要となる。
2014 年6 月末の店舗数は245 店舗。このうち、「響」「鳥どり」「パパミラノ」などの多様な自社ブランドの直営ビジネスが154 店舗、ゴルフ場やサービスエリア等でレストランを運営する受託ビジネスは91 店舗である。
■直営ビジネスの特徴
主力の直営ビジネスは、出店地域を首都圏と京阪神に絞り込んだドミナント戦略を中心にしている。この戦略の特徴は地域のニーズに合わせた多業態戦略でユーザーを囲い込めるほか、スタッフなどの店舗オペレーションに幅が広がるうえ、流通コストの抑制も見込まれる。首都圏と京阪神の店舗配置はおおよそ2 : 1 の比率であることから、首都圏における既存店売上高の動向が同社の業績を左右するとも言える。
直営ビジネスの店舗業態は、和食、洋食、エスニック等の居酒屋やパブ・レストランなど約40 種類を展開。この多ブランド戦略が限られた好立地エリアでのドミナント戦略を可能とし、ユーザーニーズの変化にも業態変更で対応している。
■ブランド戦略
同社のブランド戦略は、1) ブランド化を推進する戦略業態、2) 個性を活かした特徴のある業態、を基本テーマに、安易な価格競争に追随することなく、新業態を含めた魅力的な店舗作りで高付加価値化を目指している。
■リピーターの取り込み戦略
同社はリピーターの確保に向け、会員制の「倶楽部ダイナック」で顧客の囲い込みを促進している。入会金・年会費無料の倶楽部ダイナックは、飲食100 円ごとに10 ポイントが付与されるなど通常10% の還元率が特典。2013 年12 月期の実働会員数は21 万人で、会員売上高は6,900 百万円に達するなど集客効果が発揮されている。今後はポイント還元率を引き上げるキャンペーンを実施するなど、リピーターの確保に向けた取り組みを強化する方針である。
■外食業界の環境
一部の試算によると、2013 年の外食産業全体の市場規模は前年比2.4% 増の29.8 兆円だった。このうち、飲酒をメインとする居酒屋・バー等の市場規模は同3.9% 増の3.7 兆円とやや上向いたものの、1992 年の5.4 兆円をピークに縮小トレンドから抜け出せていない。この要因として、景気の停滞が続くなか個人消費の低迷や接待費の削減によるデフレスパイラル、リーマンショックや東日本大震災後の消費萎縮などが考えられる。
他方、厳しい外食業界の中にあって比較的堅調なのは、社員食堂や施設内でレストランを受託する給食である。事業者のコスト削減要請で食堂やレストランのアウトソーシングが進み、新たなビジネスチャンスが創出されるなか、B2B ビジネスの給食は実績や信頼が受託決定の要因となる傾向が強い。スケールメリットを活かすためにも、ある程度得意分野に絞ったアプローチが一般的であると見られ、競合状態は比較的緩やかであると考えられる。
■足元の業績について
8 月1 日付で発表した2014 年12 月期の第2 四半期(1 月-6 月) 決算は、売上高が前年同期比5.5% 増の16,773 百万円、営業利益が同220.1% 増の156 百万円、経常利益が同289.5% 増の145 百万円、四半期純損益が37 百万円の利益(前年同期は87 百万年の損失)、店舗数は前期末比1 店舗増の245 店舗となった。増収大幅増益となったものの、2 月の大雪など天候要因で会社計画(売上高17,100 百万円、経常利益190 百万円)には未達であった。
形態別に見ると、売上高はレストラン・バーが前年同期比4.3% 増の15,163 百万円、ケータリングが同5.7% 増の439 百万円、その他が23.5% 増の1,169 百万円となった。売上総利益ではレストラン・バーが同7.2% 増の1,727 百万円、ケータリングが4.8% 増の41 百万円、その他が30.7% 増の167 百万円となり、全形態で増収増益を達成した。
■通期見通しについて
第2 四半期決算は天候要因で計画に対し未達となるなか、2014 年12 月期の会社計画は期初計画を据え置き、売上高は前期比6.2% 増の35,800 百万円、営業利益は同55.7% 増の1,140 百万円、経常利益は同54.5% 増の1,100 百万円、当期純利益は同67.7% 増の400 百万円、期末店舗数は前期末比8 店舗増の252 店舗を見込む。
取り組みとしては、「倶楽部ダイナック」を軸にダイナックブランドのマーケティングを強化することで、常連客づくりを徹底する。ダイナックブランドの認知度向上を図るほか、他業態へ誘導することで会員売上比率を高め、高収益化を促進する。2014 年12 月期は会員売上高を前期比600百万円増の7,500 百万円、実働会員数を同2 万人増の23 万人へ引き上げる計画だ。
■中期経営計画について
同社は優良な事業ポートフォリオを活かしつつ、高付加価値分野の業容・店舗数拡大をドライバに高収益構造への変革を進めるべく、2013 年12 月期〜 2015 年12 月期中期経営計画に取り組んでいる。中期経営計画最終年度の2015 年12 月期における数値目標は、売上高が2013 年12 月期比6,300 百万円増の40,000 百万円、経常利益は同900 百万円増の1,600百万円を目指す。
売上面ではサービスエリアや道の駅などでの受託ビジネスを拡大させ、2015 年12 月期末の店舗数は2013 年12 月期末比76 店舗増の320 店舗を計画。利益面では直営ビジネスの主力4 ブランドを核にした高付加価値戦略で利益率の向上を目指す方針である。
■中期経営計画の中での具体的な取り組み
中期経営計画の主な取り組みとしては、1) 受託ビジネスの拡大、2) 高付加価値業態の強化・業態シフト加速、3) 基盤となる機能・サービスの革新、4) 強みの源泉のブラッシュアップ、である。
売上高成長を担う受託ビジネスは、参入障壁が高いことから価格競争に巻き込まれるリスクが少ないうえ、受託業者の見直し・更新による他社リプレース案件では「居抜き」等の効率的な出店も可能である。サントリーグループを背景にしたブランド力とスケールメリットが活かせるほか、2013 年12 月期は近畿大学との連携で養殖マグロレストランを受託するなど他社とのブランド協業業態(コラボ業態) に発展し、新たな受託ビジネスの形態を確立した。引き続き、業態開発と業容拡大のためのチャレンジを継続していく。
■その他の取り組み
高付加化価値業態の強化・業態シフトの加速は、フラッグシップブランドの「響」を核に主力4 ブランドのコンスタントな出店と、新ブランド「魚盛」「とりやき 源氣」の定着を図るべく新規出店及び業態変更で店舗数の拡大を急ぐ方針である。
基盤となる機能・新サービスの核心は、「倶楽部ダイナック」を軸にリピート需要の喚起を進めるとともに他業態ブランドへの誘導などでユーザー層の拡大を図り、店舗ブランドに比べ遅れている企業ブランド「ダイナック」のブランディングを確立する方針である。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
<TM>
■企業概要
「響」「鳥どり」「パパミラノ」などの店舗ブランドを主軸に、サントリーグループにおける外食事業の中核を担っている。主な事業は、自社直営店やゴルフ場等のレストランを受託する「レストラン・バー」と、各種イベントなどへの食事提供や運営を手掛ける「ケータリング」のほか、サービスエリアなどでの売店運営等の「その他」に分類され、レストラン・バー事業が売上高と利益の大部分を稼ぎ出す。
■事業概要
同社の事業モデルは新規出店をドライバにした売上高成長モデルであり、これには出店ロケーションはもちろんのこと、ターゲットとする来店客属性に合わせた多業態戦略や価格戦略などが重要となる。
2014 年6 月末の店舗数は245 店舗。このうち、「響」「鳥どり」「パパミラノ」などの多様な自社ブランドの直営ビジネスが154 店舗、ゴルフ場やサービスエリア等でレストランを運営する受託ビジネスは91 店舗である。
■直営ビジネスの特徴
主力の直営ビジネスは、出店地域を首都圏と京阪神に絞り込んだドミナント戦略を中心にしている。この戦略の特徴は地域のニーズに合わせた多業態戦略でユーザーを囲い込めるほか、スタッフなどの店舗オペレーションに幅が広がるうえ、流通コストの抑制も見込まれる。首都圏と京阪神の店舗配置はおおよそ2 : 1 の比率であることから、首都圏における既存店売上高の動向が同社の業績を左右するとも言える。
直営ビジネスの店舗業態は、和食、洋食、エスニック等の居酒屋やパブ・レストランなど約40 種類を展開。この多ブランド戦略が限られた好立地エリアでのドミナント戦略を可能とし、ユーザーニーズの変化にも業態変更で対応している。
■ブランド戦略
同社のブランド戦略は、1) ブランド化を推進する戦略業態、2) 個性を活かした特徴のある業態、を基本テーマに、安易な価格競争に追随することなく、新業態を含めた魅力的な店舗作りで高付加価値化を目指している。
■リピーターの取り込み戦略
同社はリピーターの確保に向け、会員制の「倶楽部ダイナック」で顧客の囲い込みを促進している。入会金・年会費無料の倶楽部ダイナックは、飲食100 円ごとに10 ポイントが付与されるなど通常10% の還元率が特典。2013 年12 月期の実働会員数は21 万人で、会員売上高は6,900 百万円に達するなど集客効果が発揮されている。今後はポイント還元率を引き上げるキャンペーンを実施するなど、リピーターの確保に向けた取り組みを強化する方針である。
■外食業界の環境
一部の試算によると、2013 年の外食産業全体の市場規模は前年比2.4% 増の29.8 兆円だった。このうち、飲酒をメインとする居酒屋・バー等の市場規模は同3.9% 増の3.7 兆円とやや上向いたものの、1992 年の5.4 兆円をピークに縮小トレンドから抜け出せていない。この要因として、景気の停滞が続くなか個人消費の低迷や接待費の削減によるデフレスパイラル、リーマンショックや東日本大震災後の消費萎縮などが考えられる。
他方、厳しい外食業界の中にあって比較的堅調なのは、社員食堂や施設内でレストランを受託する給食である。事業者のコスト削減要請で食堂やレストランのアウトソーシングが進み、新たなビジネスチャンスが創出されるなか、B2B ビジネスの給食は実績や信頼が受託決定の要因となる傾向が強い。スケールメリットを活かすためにも、ある程度得意分野に絞ったアプローチが一般的であると見られ、競合状態は比較的緩やかであると考えられる。
■足元の業績について
8 月1 日付で発表した2014 年12 月期の第2 四半期(1 月-6 月) 決算は、売上高が前年同期比5.5% 増の16,773 百万円、営業利益が同220.1% 増の156 百万円、経常利益が同289.5% 増の145 百万円、四半期純損益が37 百万円の利益(前年同期は87 百万年の損失)、店舗数は前期末比1 店舗増の245 店舗となった。増収大幅増益となったものの、2 月の大雪など天候要因で会社計画(売上高17,100 百万円、経常利益190 百万円)には未達であった。
形態別に見ると、売上高はレストラン・バーが前年同期比4.3% 増の15,163 百万円、ケータリングが同5.7% 増の439 百万円、その他が23.5% 増の1,169 百万円となった。売上総利益ではレストラン・バーが同7.2% 増の1,727 百万円、ケータリングが4.8% 増の41 百万円、その他が30.7% 増の167 百万円となり、全形態で増収増益を達成した。
■通期見通しについて
第2 四半期決算は天候要因で計画に対し未達となるなか、2014 年12 月期の会社計画は期初計画を据え置き、売上高は前期比6.2% 増の35,800 百万円、営業利益は同55.7% 増の1,140 百万円、経常利益は同54.5% 増の1,100 百万円、当期純利益は同67.7% 増の400 百万円、期末店舗数は前期末比8 店舗増の252 店舗を見込む。
取り組みとしては、「倶楽部ダイナック」を軸にダイナックブランドのマーケティングを強化することで、常連客づくりを徹底する。ダイナックブランドの認知度向上を図るほか、他業態へ誘導することで会員売上比率を高め、高収益化を促進する。2014 年12 月期は会員売上高を前期比600百万円増の7,500 百万円、実働会員数を同2 万人増の23 万人へ引き上げる計画だ。
■中期経営計画について
同社は優良な事業ポートフォリオを活かしつつ、高付加価値分野の業容・店舗数拡大をドライバに高収益構造への変革を進めるべく、2013 年12 月期〜 2015 年12 月期中期経営計画に取り組んでいる。中期経営計画最終年度の2015 年12 月期における数値目標は、売上高が2013 年12 月期比6,300 百万円増の40,000 百万円、経常利益は同900 百万円増の1,600百万円を目指す。
売上面ではサービスエリアや道の駅などでの受託ビジネスを拡大させ、2015 年12 月期末の店舗数は2013 年12 月期末比76 店舗増の320 店舗を計画。利益面では直営ビジネスの主力4 ブランドを核にした高付加価値戦略で利益率の向上を目指す方針である。
■中期経営計画の中での具体的な取り組み
中期経営計画の主な取り組みとしては、1) 受託ビジネスの拡大、2) 高付加価値業態の強化・業態シフト加速、3) 基盤となる機能・サービスの革新、4) 強みの源泉のブラッシュアップ、である。
売上高成長を担う受託ビジネスは、参入障壁が高いことから価格競争に巻き込まれるリスクが少ないうえ、受託業者の見直し・更新による他社リプレース案件では「居抜き」等の効率的な出店も可能である。サントリーグループを背景にしたブランド力とスケールメリットが活かせるほか、2013 年12 月期は近畿大学との連携で養殖マグロレストランを受託するなど他社とのブランド協業業態(コラボ業態) に発展し、新たな受託ビジネスの形態を確立した。引き続き、業態開発と業容拡大のためのチャレンジを継続していく。
■その他の取り組み
高付加化価値業態の強化・業態シフトの加速は、フラッグシップブランドの「響」を核に主力4 ブランドのコンスタントな出店と、新ブランド「魚盛」「とりやき 源氣」の定着を図るべく新規出店及び業態変更で店舗数の拡大を急ぐ方針である。
基盤となる機能・新サービスの核心は、「倶楽部ダイナック」を軸にリピート需要の喚起を進めるとともに他業態ブランドへの誘導などでユーザー層の拡大を図り、店舗ブランドに比べ遅れている企業ブランド「ダイナック」のブランディングを確立する方針である。
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『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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