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サンワテクノス Research Memo(5):成長戦略のキーワードは「双方向取引」「エンジニアリング事業」

注目トピックス 日本株

■中期計画と成長戦略

サンワテクノス<8137>は2014年3月期から2016年3月期までの3ヶ年中期経営計画「JUMP1200」を策定し、現在、その取り組みの最中にある。「JUMP1200」の業績目標は下記のとおりであるが、その実現、及び「JUMP1200」以後の中・長期的成長戦略の成否を問ううえでのキーワードが「双方向取引」と「エンジニアリング事業」だ。また、この2つに加えて、「グローバルSCM」や「成長市場」、「社会貢献」なども、次代の成長につながる新しい収益拡大へのアプローチとして着手している。

(1)「双方向取引」の深堀り

「双方向取引」は同社にとっては創業時にさかのぼる、古くからの事業モデルであり、同社を特徴付ける「強み」として、これまでの成長を支えてきた、重要なコンセプトである。

前述のように同社は、安川電機を始めとする産業電機・機械メーカーの代理店としてスタートした。したがって、当初の売上構成は今で言う電機部門と機械部門がその中核をなしていた。同社の顧客は、同社から購入した設備を用いて製品の量産を行うわけだが、同社は製造装置を納入したことで、そこで生産された電子部品の販売も手掛けるようになった。これが今日の電子部門である。すなわち、1つの顧客を相手に、製造装置等の納入とそこで量産された製品の引き取りの両方を行うことを「双方向取引」と称している。

双方向取引にはメリットが大きい。電機・機械製品の納入で終わってしまえば、1回限りの関係ということになる。しかし製品を引き取ることになれば、その顧客との関係が継続的・反復的になり、様々な情報が幾度となく交換されることになる。その積み重ねが、同社の提案力や技術力の向上・蓄積となり、顧客との信頼関係の獲得へとつながる。

ビジネスとしても双方向取引の効果は絶大だ。製造装置の納入は顧客の設備投資が需要の源であり、何年かに1回のことである。しかし顧客はその製造装置を用いて日々、製品を量産しているので、電子部門の取引頻度は極めて高く、累積した取扱い金額も大きくなる。下のグラフにあるように、電機・機械両部門の売上高は経済サイクルの変動を受けつつ、横ばいもしくは緩やかな成長軌道を歩んでいるのに対し、電子部門の売上高は、一時的な経済変動の影響は受けても、他の2部門よりも高い成長率をキープしてきた結果、現在では全社の売上高の7割超を占めるまでに至っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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