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カイオム Research Memo(5):2014年12月期の連結業績はほぼ会社計画どおりで着地

注目トピックス 日本株

■業績動向

(1)2014年12月期決算の概要

カイオム・バイオサイエンス<4583>の2月13日付で発表された2014年12月期(9ヶ月の変則決算)の連結業績は、売上高が277百万円、営業損失が865百万円、経常損失が883百万円、当期純損失が863百万円となり、ほぼ会社計画どおりの着地となった。当期は9ヶ月の変則決算のため前期比較はできないが、前年同期間との比較で見れば売上高は57百万円減少し、営業損失は416百万円拡大した。売上高は創薬アライアンス事業の減収によるもので、営業損失は研究開発費並びにその他販管費の増加によって拡大したことになる。事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○創薬アライアンス事業
創薬アライアンス事業の売上高は253百万円(前年同期324百万円)、セグメント利益は164百万円(同208百万円)となった。中外製薬グループ向けの売上高が減少したものの、研究開発プロジェクトは計画どおり順調に進んでおり、2014年12月には委託研究、共同研究ともに契約期間の延長を行っている。また、子会社のリブテックでは、がん治療用抗体「LIV-2008」※の共同研究先であるヤクルト本社から、開発進捗によるマイルストーン達成により、第3四半期(2014年10月−12月期)にマイルストーン収入を受領している(金額は非開示)。
※LIV-2008 ・・・乳がん、肺がん、膵がん、大腸がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現する特定の抗原に結合し、がん細胞の増殖を阻害するヒト化モノクローナル抗体。

その他、当期は従来のADLib(R)システムに加えて、完全ヒトADLib(R)システムに関する検証的契約締結に向けた営業活動を開始し、国内外の企業と交渉を進めている。

○リード抗体ライセンスアウト事業
リード抗体ライセンスアウト事業での売上高実績はまだなく、現在は複数の開発パイプラインの研究を大学の研究室と共同で進めている段階にある。当期は横浜市立大学・五嶋研究室、東京大学・高橋研究室との共同研究契約を更新したほか、新たに名古屋市立大学・植村研究室及び横浜市立大学・竹居研究室との共同研究を開始している。

このうち、同社初のリード抗体候補である抗セマフォリン3A抗体に関しては、横浜市立大学・五嶋研究室と共同研究が進んでいる。炎症性疾患モデル(敗血症モデル)とがん領域を適用領域として、2014年半ばから疾患モデル動物での有用性検証試験を開始している。がん領域においては、セマフォリン3Aががん細胞の遊走・浸潤を促進する働きがあることがわかっており、抗セマフォリン3Aによってその抑制効果が認められれば、医薬品化に向けて可能性が大きく広がることになる。現状では細胞レベルの実験において、抑制効果が確認されている。

その他、技術提携先のBiotecnol社とのがん領域における治療用抗体の研究開発プロジェクトに関しても、抗体作製から機能検証の段階に1段階進むなど順調に推移している。

○基盤技術ライセンス事業
基盤技術ライセンス事業の売上高は23百万円、セグメント利益も23百万円となった。オリジナルADLib(R)システムの技術導出先である富士レビオから欧州での「ビタミンD測定用の抗体を含む診断キット」(くる病患者の診断用等として使用)販売に伴うロイヤルティ収入を受領している。

○研究開発の状況
当期の研究開発費の取り組みとしては、完全ヒトADLib(R)システムの多様化レベル向上によるライブラリの拡充に注力した。また、オリジナルADLib(R)システムを用いてインフルエンザウイルスやエボラウイルスの特定抗原に対する抗体作製に取り組み、短期間で作製に成功したことを発表しており、同領域におけるADLib(R)システムの可能性が広がった点も注目されよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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