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アジュバン Research Memo(8):非正規流通対策に成功すれば、収益回復のペースは速い

注目トピックス 日本株
■新中期経営計画と中期成長性の考察

(2)非正規流通について

非正規流通問題は以前から存在していたが、アジュバンコスメジャパン<4929>はこれまで本格的な対策を講じてこなかった。しかし2016年3月期からは非正規流通排除に向けて本格的な対策を打つ計画だ。その骨子は、商品にコードを付与し、流出元を特定できるようにすることにある。当然のことながら特定することが最終目的ではなく、非正規ルートへの流出を防ぐことを目的としており、同社からの警告等を経てもなお改善されない場合には契約解除に踏み切ることも辞さないとしている。

弊社では、同社が非正規流通対策に成功すれば、同社の収益回復のペースは速いとみている。ネットの同社製品を扱うサイトを見ると、利用者の評価は全般に高評価となっていることがわかる。また、価格についても一部は大幅値引きをうたうケースもあるが、多くは正規品との価格差が小さいケースが多い。すなわち、最終消費者は、同社製品の良さを認識し、価格メリットもさることながら自宅に居ながらにして同社製品を購入できるという点にネット通販のメリットを見出しているようにみられることが、弊社が収益回復ペースは速いと予想する理由だ。

もう1つ重要なことは、同社の新中期経営計画についての説明資料を注意深く見ると、2015年3月期にみられた非正規流通のマイナスインパクトのうち、間接的な影響からの回復の要素が計画に織り込まれていないことだ。現状の業績計画では、非正規流通に流れた売上高(直接的影響)が戻ることだけを織り込んでいるようだが、2015年3月期の減収要因においては、サロンと最終消費者の双方に沸き起こった購買マインドの低下(サロンからすれば『推奨マインドの低下』というべきか)の影響も直接的影響に劣らない規模であったものと弊社ではみており、この間接的影響も戻ればそのインパクトは大きいと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)




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