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シンワアートオークション---新たに開始する医療ツーリズムが業績に

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月30日放送において、シンワアートオークション<2437>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■会社概要
シンワアートオークション<2437>は、国内最大級の美術品オークション会社である。日本の近代美術を中心として、近代陶芸やブランド雑貨、時計、宝飾品なども手掛けている。2,000万円以上の高額落札作品における市場シェアでは業界トップの44.9%を占めている。

長期間にわたるデフレ経済の環境下で日本のオークション市場、及び同社の業績は停滞感に覆われてきた。同社は14年5月期より新中期経営計画をスタートさせるとともに、第2の創業期と位置付け、プラットフォーム構想によるオークション事業の拡大や、再生可能エネルギー関連事業など将来の安定的な収入源となり得る新規事業への参入に取り組んでいる。足元で回復基調にあるオークション市場と新規事業の本格稼働により、同社は新たな成長フェーズに入るものと考えられる。

■業績動向は
15年5月期の業績は、売上高が前期比112.8%増の29.48億円、営業利益が同42.6%減の0.77億円と大幅な増収ながら減益で着地した。また、1月9日に増額修正した会社予想に対しては、一転して売上高、各利益ともに未達となった。主力のオークション関連事業がおおむね堅調に推移したことに加えて、再生可能エネルギー関連事業の本格稼働が大幅な増収に寄与したが、オークション関連事業における商品在庫の評価減等が利益を圧迫した。

増額修正後の会社予想を下回ったのは、修正時点において、小型太陽光発電施設の完工物件が期初予想を大幅に上回る見通しとなったことからいったんは増額修正したものの、電力会社の都合により系統連系が延期になったことから、結果として増額修正部分に見込み違いが生じたことによるものである。一方、商品在庫の評価減についても、自主ルールに基づくものであり、実際の市場評価を反映したものではなく、また直ちに資本流出を伴うものではない。したがって、減益決算及び計画未達の結果については、同社業績の先行きに懸念を抱かせるものではないとみていいだろう。

■今後の見通し
16年5月期の業績について、同社は売上高を前期比5.6%増の31.13億円、営業利益を同135.1%増の1.82億円と見込んでいる。オークション関連事業及び再生可能エネルギー関連事業がそれぞれ伸長することに加えて、新たに開始する医療ツーリズムが小規模ながら業績貢献する計画となっている。また、損益面についても、前期の一過性費用(商品在庫の評価減)の解消や増収による固定費軽減等により、営業利益率は5.8%(前期は2.6%)に回復する見通しである。

同社の成長戦略の柱は、オークション事業の拡大と新規事業による安定収益源の確保、アジア戦略の3つである。特に、オークション事業において同社がマーケットメイク機能を果たすことで市場の活性化・回復を目指す「プラットフォーム構想」と、再生可能エネルギーや医療ツーリズムといった新規事業の進捗に注目したい。

■株価動向を
今期の業績回復見通しが好感され急伸する場面もあったが、足元では25日線が上値抵抗となり緩やかな調整が続いている。流動性が低い点も注意が必要となるが、押し目買いのスタンスで臨みたい。


ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送



<TM>

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