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ソルクシーズ Research Memo(4):ソフトウェア開発事業は企業のIT投資拡大を背景に好環境が続く

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(1) 2015年12月期業績見通し

ソルクシーズ<4284>の2015年12月期の業績は、売上高が前期比9.5%増の11,500百万円、営業利益が同12.8%増の610百万円、経常利益が同10.0%減の600百万円、当期純利益が同20.3%減の330百万円といずれも期初計画を据え置いている。

第3四半期以降も、主力のソフトウェア開発事業は企業のIT投資拡大を背景に好環境が続いていること、また、デジタルサイネージ事業では太陽光発電設備工事の回復が見込めることなどから計画の達成は可能とみられる。

(2)トピックス

○第3者割当による自己株式処分
同社は7月に(株)ビット・エイに対して自己株式132万株を売却した。売却額は723百万円となり、その使途としてM&A資金に300百万円程度、「いまイルモ」や「CSO」など自社ソリューションの開発投資に250百万円程度、その他ストック型ビジネスを手掛けるグループ各社や中国・東南アジアなど海外市場への拠点づくりなど業容拡大のための事業投資に150百万円程度を充てていく予定としている。

ビット・エイはホームセンター大手のコメリ<8218>の子会社で、同グループ向けのシステム開発を行っている企業である。同社はビット・エイを通じて、コメリ傘下のクレジット会社向けシステム開発を受託していた経緯があり、今後も取引関係の強化を目的に安定保有株主としての位置付けで売却することとなった。ビット・エイの出資比率は9.8%と2番目の株主となる。今後は同社のグループ会社も含めて、コメリグループとの取引量を拡大していくことが見込まれる。

○マイナンバー関連サービス
同社は2016年より制度運用が始まる「社会保障・税番号制度<マイナンバー制度>」に対応したソリューションサービス「マイレコキーパー」を7月より販売開始した。同サービスは企業が現在、社員情報を管理しているサーバーとは別のサーバーで、新たに付与される社員やその家族のマイナンバーをクラウド上に保管し、既存システムの社員情報と紐付けを支援するサービスで、初期設定費用、基本ライセンス費用のほか、マイナンバー登録・保管費用として月額費用を徴収するストック型ビジネスとなる。既に、初受注も獲得しており今後の受注拡大が期待される。

また、クラウドサービス「CSO」においてもマイナンバーに対応する新機能を追加し、法定帳票印刷ソリューションの提供を開始している。同サービスでは人事・給与システムのクラウドサービスを手掛ける(株)チームスピリットとの協業も進めていく。チームスピリットでは今後、顧客企業のマイナンバーを収集していくことになるが、収集したものを法定帳票として印刷する際に、同社の「CSO」の機能を活用することになる。このため、チームスピリットの現在の顧客企業数約400社分が少なくとも同社の「CSO」の法定帳票ソリューションのユーザーになることが見込めることになる。

同社の「CSO」の顧客数は現在150社弱と前期末の約100社から5割近く増加しており、年内に200社を目標としてきたが、マイナンバー制度対応サービスの開始などにより、十分達成は見込めそうだ。売上高としては通期で120百万円程度と前期比2割強の伸びとなる見通しで、3年後には売上高で200〜300百万円まで伸ばし、収益化を見込んでいる。

○海外拠点の新設
8月にフィリピンに駐在員事務所を開設した。同社ではオフショア開発の推進を目的に、フィリピンのCYOLABとオフショア・ラボ契約を2014年5月に締結し、既にグループ会社などが活用しているが、今後より一層、現地とのコミュニケーションを強化し、品質の向上と効率化を進めることを目的に、駐在員事務所を開設した。

また、子会社の(株)ノイマンがベトナムでの事業展開を目的に現地企業の株式取得を発表している。ノイマンは自動車教習所向けデジタル教材や管理システム等で約60%の国内シェアを持っているが、国内市場の成長が見込めないことから海外展開を模索しており、今回、ベトナムで自動車教習所及びその他教育事業を展開しているVNJ.STOCK.COMPNY(以下、VNJ)の株式30.7%を138百万円で取得することとなった(2015年11月取得予定)。今回は国内の自動車教習所も複数出資し、運営ノウハウなどを供与しながらベトナムでの多店舗展開を進めていく方針となっている。

○その他ストック型ビジネスの進捗状況
高齢者見守りサービス「いまイルモ」に関しては、契約数が数十件と伸び悩んでいる。現在、交渉を進めている大手販売代理店との契約が決まれば一気に伸びる可能性はあるが、現時点ではまだ不透明と言える。また、「いまイルモ」に関しては中国でのサービス展開も準備している。現在、中国語対応を進めており、2016年以降に商品化し、現地代理店を通じて販売を開始する予定となっている。

ノイマンで進めているeラーニングシステム「KOJIRO」に関しては共同開発先である「個別指導塾まつがく」向けは順調に推移しているものの、新規見込み客の学習塾向けは、現在コンテンツの評価中となっており、評価が良ければ正式受注が決まる見通しとなっている。また、今後は直販なども進めていく準備をしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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