キリン堂HD Research Memo(4):新ポイントカード制度を開始し月間来店カード会員数は121万人に増加
[16/05/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■特長・強みと課題
(1)特長と強み
キリン堂ホールディングス<3194>の有する様々な特長や強みの中で、弊社が特に重要と考える特長・強みは以下の3点だ。
a)関西地区での強いプレゼンス
同社の特長としてまず挙げられるのは関西地区に集中出店を行う、いわゆる関西ドミナント戦略を採用している点だ。2016年2月末現在、国内334店舗のうち281店舗(84.1%)が関西圏に集中している。四国と北陸も加えた広域関西圏では、312店舗(93.4%)が同域内に存在している。こうしたドミナント戦略の結果として、関西地区においてはドラッグストア3強の一角を占める地位にある。
この関西地区でのプレゼンスは顧客へのブランド浸透度という形で表れている。その一例がポイントカード会員だ。詳細は後述するが、同社は2014年4月から新ポイントカード制度をスタートさせた。2014年2月期から2016年2月期の3期間で、月間来店カード会員数は88万人から121万人に約40%増加し、売上高に占める会員比率は56.4%から76.5%に上昇した。このように新ポイントカードがスムーズに浸透した背景には、“キリン堂”というブランドと店舗が地域住民の中に深く浸透していたためと弊社では考えている。
b)全社に浸透する“未病”への意識
同社の強みとして、同社自身は従業員全体に“未病”すなわち顧客の健康保持に積極的に関与して病気を未然に防ごうという意識が浸透していることを挙げている。この未病への意識の高さは、同社が経営理念のなかで掲げる「地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーンを社会的インフラとして確立する」というビジョンと軌を一にするものと言える。後述する成長戦略や2017年2月期の注力ポイントにおいては、この“未病への意識”を業績にまで落とし込むことへの取り組みが明確に掲げられている。
弊社の理解では、未病への意識を業績に落とし込むということは、店舗の従業員が顧客に積極的に声掛けして医薬品、健康食品、美容・化粧品等などについて、顧客ニーズに合わせてカウンセリング営業を行うことだ。これを実行するためには未病への意識だけでは足りず、顧客との密接なつながり、信頼関係が築けていなければ難しいと弊社では考えている。この点、同社は関西ドミナント戦略という上記a)の強みもあるため、実行・実現のための下地は持っていると弊社では評価している。従業員の未病への意識を業績数値に落とし込めるかどうか期待を持って見守りたいと弊社では考えている。
c)商材と集荷力(仕入力)
商材の品揃えと在庫を確保する能力も同社の強みと弊社では考えている。同社は1973年に健美舎を設立して健康食品のPB化に進出しており、40年以上の蓄積を有している。また、化粧品などビューティケアにおいてもPBの品ぞろえを順次拡充してきた。これらの結果、ヘルス&ビューティケア(以下、 HBC)商品分野におけるPB比率は11.3%にまで上昇している。
NB(ナショナルブランド)商品の調達力(仕入力、集荷力とも表現される)も重要なポイントだ。これに関する好例は2015年11月11日のシングルデー・イベントだ。同社は中国消費者向けに天猫国際モールにEC出店しているが、同日は同モールの売上高ランキングで日本館の第1位、海外総合の第4位となった。関西地区と異なり中国での“キリン堂”ブランドの浸透度は高くないと考えられるが、そのなかで同社の売上高がトップとなった理由は、同社にそれだけ商品が存在していたためと考えられる。事前の企画・想定力も含めて、消費者ニーズに見合った商品をきちんと確保できる能力は、同社の強みの1つとして評価できるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(1)特長と強み
キリン堂ホールディングス<3194>の有する様々な特長や強みの中で、弊社が特に重要と考える特長・強みは以下の3点だ。
a)関西地区での強いプレゼンス
同社の特長としてまず挙げられるのは関西地区に集中出店を行う、いわゆる関西ドミナント戦略を採用している点だ。2016年2月末現在、国内334店舗のうち281店舗(84.1%)が関西圏に集中している。四国と北陸も加えた広域関西圏では、312店舗(93.4%)が同域内に存在している。こうしたドミナント戦略の結果として、関西地区においてはドラッグストア3強の一角を占める地位にある。
この関西地区でのプレゼンスは顧客へのブランド浸透度という形で表れている。その一例がポイントカード会員だ。詳細は後述するが、同社は2014年4月から新ポイントカード制度をスタートさせた。2014年2月期から2016年2月期の3期間で、月間来店カード会員数は88万人から121万人に約40%増加し、売上高に占める会員比率は56.4%から76.5%に上昇した。このように新ポイントカードがスムーズに浸透した背景には、“キリン堂”というブランドと店舗が地域住民の中に深く浸透していたためと弊社では考えている。
b)全社に浸透する“未病”への意識
同社の強みとして、同社自身は従業員全体に“未病”すなわち顧客の健康保持に積極的に関与して病気を未然に防ごうという意識が浸透していることを挙げている。この未病への意識の高さは、同社が経営理念のなかで掲げる「地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーンを社会的インフラとして確立する」というビジョンと軌を一にするものと言える。後述する成長戦略や2017年2月期の注力ポイントにおいては、この“未病への意識”を業績にまで落とし込むことへの取り組みが明確に掲げられている。
弊社の理解では、未病への意識を業績に落とし込むということは、店舗の従業員が顧客に積極的に声掛けして医薬品、健康食品、美容・化粧品等などについて、顧客ニーズに合わせてカウンセリング営業を行うことだ。これを実行するためには未病への意識だけでは足りず、顧客との密接なつながり、信頼関係が築けていなければ難しいと弊社では考えている。この点、同社は関西ドミナント戦略という上記a)の強みもあるため、実行・実現のための下地は持っていると弊社では評価している。従業員の未病への意識を業績数値に落とし込めるかどうか期待を持って見守りたいと弊社では考えている。
c)商材と集荷力(仕入力)
商材の品揃えと在庫を確保する能力も同社の強みと弊社では考えている。同社は1973年に健美舎を設立して健康食品のPB化に進出しており、40年以上の蓄積を有している。また、化粧品などビューティケアにおいてもPBの品ぞろえを順次拡充してきた。これらの結果、ヘルス&ビューティケア(以下、 HBC)商品分野におけるPB比率は11.3%にまで上昇している。
NB(ナショナルブランド)商品の調達力(仕入力、集荷力とも表現される)も重要なポイントだ。これに関する好例は2015年11月11日のシングルデー・イベントだ。同社は中国消費者向けに天猫国際モールにEC出店しているが、同日は同モールの売上高ランキングで日本館の第1位、海外総合の第4位となった。関西地区と異なり中国での“キリン堂”ブランドの浸透度は高くないと考えられるが、そのなかで同社の売上高がトップとなった理由は、同社にそれだけ商品が存在していたためと考えられる。事前の企画・想定力も含めて、消費者ニーズに見合った商品をきちんと確保できる能力は、同社の強みの1つとして評価できるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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