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RIZAPーG Research Memo(2):第1四半期は圧倒的な計画進捗率で第2四半期予想を上方修正

注目トピックス 日本株
■2017年3月期第1四半期決算の分析

RIZAPグループ<2928>の2017年3月期第1四半期決算は、売上収益19,834百万円(前年同期比64.3%増)、営業利益3,725百万円(前年同期は21百万円の営業損失)、税引前利益3,614百万円(前年同期は99百万円の税引前損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益2,666百万円(前年同期は37百万円の四半期損失)と大幅増収かつ利益黒転で着地した。なお、同社は2017年3月期決算から、従来の日本基準に替えてIFRS(国際財務報告基準)を適用している。それに伴い、前年第1四半期決算も組み換えている。

第1四半期の期初予想はないが、第2四半期(累計期間)及び通期の期初予想に対する進捗率を見れば明らかなように、今第1四半期の収益は、特に利益において当初の会社計画を圧倒的に上回った。詳細は後述するが、同社は第1四半期決算を踏まえて、第2四半期予想を上方修正した。

弊社では、2017年3月期第1四半期決算について、極めて順調で、内容的にも充実した決算であったとポジティブに評価している。期中のM&Aに関連して負ののれんが発生し、それによって利益が押し上げられた点を指摘する向きもあるが、ポイントはそこではない。収益の中核を担うRIZAP事業において、従来から注目していたライフサポート・プログラムと“広告に頼らない集客”がともに軌道に乗ったことをしっかりと確認できたという点こそが、今第1四半期決算の最重要ポイントであると弊社では考えている。このことは、RIZAP事業の収益安定性が増大したことを意味するとともに、中計COMMIT2020で掲げる業績目標(2021年3月期に売上収益3,000億円、営業利益350億円)の実現についての確信を一段と強めるものと言える。

セグメント別の業績動向は以下のとおりだ。

RIZAP事業を含む美容・健康関連事業は、売上収益7,614百万円(前年同期比18.2%増)、セグメント営業利益1,414百万円(同457.4%増)と大幅増収増益となった。このセグメントは、パーソナルトレーニングジム運営のRIZAP(株)、RIZAPブランドでの事業展開を行うRIZAPイノベーションズ(株)、通販事業を営む健康コーポレーション(株)などで構成されている。今第1四半期は全般に好調だったが、なかでも主力のRIZAP事業において、ライフサポート・プログラムが非常な成功を収め、それが収益の質的な変化へとつながった(詳細は後述)。

アパレル関連事業は売上収益2,512百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント営業利益136百万円(前年同期は135百万円の損失)となった。このセグメントはマタニティ関連の(株)エンジェリーベ、婦人服の企画・販売の(株)馬里邑及び夢展望<3185>、婦人服・紳士服の企画・販売の(株)アンティローザ及び(株)三鈴で構成されている。今第1四半期において三鈴が新たに連結子会社化された。それに伴う負ののれん326百万円がセグメント利益に貢献した。実体面では、エンジェリーベの販売が好調に推移したほか、その他の各社も収益構造やブランド編成の見直しなど収益性改善に努めた。

住関連ライフスタイル事業は売上収益7,110百万円(前年同期比360.0%増)、セグメント営業利益847百万円(同16.6倍)となった。このセグメントは商品の企画・開発・製造・販売を手掛けるイデアインターナショナル<3140>及びパスポート<7577>、注文住宅の(株)タツミプランニングで構成されている。今第1四半期の売上高が大きく伸びたのは、新規グループ入りしたパスポートとタツミプランニングの貢献が大きい。利益面ではタツミプランニングが大きく増益に貢献した。イデアインターナショナルはトラベル用品とキッチン家電のホットプレートの好調が続いている。パスポートは今第1四半期中にグループ入りして、体質強化、シナジー追求に着手したところだ。

エンターテイメント事業は売上収益2,751百万円(前年同期比43.1%増)、セグメント営業利益1,606百万円(前年同期は68百万円の損失)となった。このセグメントはSDエンターテイメント<4650>、(株)日本文芸社等で構成されている。SDエンターテイメントではシネマ事業やGAME事業での「ネットキャッチャー」、新規事業の放課後デイサービスや認可外保育事業など、売上面では好調に推移している。利益面では戦略的に費用を投下したため、今第1四半期は減益となった。日本文芸社は今年4月にグループ入りした。ゴルフ関連の書籍など、RIZAPのメディア戦略としてシナジー拡大を追求している。なお、日本文芸社の買収に伴い負ののれん1,483百万円が発生し、セグメント利益を押し上げた。

同社は積極的にM&Aを行い、様々な業種の企業を連結子会社化しているため、売上売上総利益率の変動は必ずしも実体を反映しない。他方、販管費は効率的運営を追求する見地から各グループ企業で限界まで削減されており、結果的に、同社本体が管理する広告宣伝費の動きが販管費全体の変化をリードする構造となっている。今第1四半期はこの点で、大きな変化があった。今第1四半期の広告宣伝費は2,429百万円で、前年同期の2,780百万円から351百万円(12.6%)減少した。その原因や背景は後に詳述するが、広告宣伝費が減少する一方で売上は順調に拡大したため、売上販管費率は、前年第1四半期の61.4%から今第1四半期は41.7%に、約20ポイントもの大幅低下となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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