【FISCOソーシャルレポーター】もきち♪:ランダム・ウォーク理論を考える
[17/05/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家もきち♪氏(ブログ「もきちのきもち 株とコンピュータ編」「もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年5月3日23時に執筆
日々ブログでファンダメンタルズ分析やテクニカル分析、アノマリーなどの研鑽を続けています。
ところが、ややもすればこれらの研鑽を否定してしまうような理論があります。
市場は全ての情報を織り込んでいるから、割安や割高になることはないという「効率的市場仮説」、株価は過去の値動きから独立しており、上昇も下落も同じ確率になるという「ランダム・ウォーク理論」などです。
今回は、この「ランダム・ウォーク理論」について考えてみたいと思います。
◆ランダム・ウォークだとしたら
マーケットの値動きがランダム・ウォークに従うと仮定してみます。
ランダム・ウォークでは直前に上昇したか下落したかに関わらず、上昇する確率も下降する確率も同じになるはずです。
つまり、連騰や続落といった同じ方向に動く確率と、反発や反落といった反転する確率が同じということになります。
もしも、同じ方向に動く回数と反転する回数の間に明らかな差があれば、直前の動きに何らかの影響を受けていると言えます。つまり、ランダム・ウォークではないと言えます。
◆日経平均株価で検証してみる
日経平均株価の日足終値で検証してみます。前営業日終値と当日終値との差から上昇・下落・変わらずの3つに分類し、前営業日と同じ方向か反転かを調べてみました。
まずは1年間(2016年5月6日から2017年5月2日)では、同じ方向119回、逆方向127回で、それぞれ48.4%と51.6%でした。
5年間(2012年5月7日から2017年5月2日)では、同じ方向608回、逆方向618回で、それぞれ49.6%と50.4%でした。
10年間(2007年5月7日から2017年5月2日)では、同じ方向1187回、逆方向1264回で、それぞれ48.4%と51.6%でした。
ちなみに、この10年間で日経平均株価が前営業日終値と変わらずということは1度もありませんでした。
◆ランダム・ウォークでのばらつき
上記検証結果を受けて、実際に日経平均株価の検証結果で同じ方向と逆方向の間に明らかな差があったのかどうかが気になります。
そこで、実際に同じ方向と逆方向を同じ確率にした乱数を使って、どの程度のばらつきが出るのか検証してみました。完全なランダム・ウォークでのばらつきです。
回数は、10年間の営業日と同じ2451個の乱数で同じ方向と逆方向を調べるという検証を、20回実施しました。
結果は、最大のばらつきが同じ方向に52.8%動いた場合で、20回の平均では同じ方向が50.5%、逆方向が49.5%でした。
この結果から、日経平均株価の10年間のばらつき51.6%は、少なくとも明らかにランダム・ウォークを否定するものではないと言えます。
◆検証結果を受けて
今回の検証では、日経平均株価の値動きをランダム・ウォークではないとは否定できませんでした。
完全なランダム・ウォークとまでは言えませんが、少なくとも日経平均株価はこの10年間ランダム・ウォークのような値動きをしていると言えます。
とは言っても、マーケットには大きく勝つ投資家と勝てない投資家がいます。勝つ投資家は勝てない投資家にはない「何か」を持っていると思います。
以上から投資家としては、仮に相場がランダム・ウォーク理論に従うとしても利益を出せる戦略が必要だと考えたほうがいいのかもしれません。
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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編
もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編
<HK>
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※2017年5月3日23時に執筆
日々ブログでファンダメンタルズ分析やテクニカル分析、アノマリーなどの研鑽を続けています。
ところが、ややもすればこれらの研鑽を否定してしまうような理論があります。
市場は全ての情報を織り込んでいるから、割安や割高になることはないという「効率的市場仮説」、株価は過去の値動きから独立しており、上昇も下落も同じ確率になるという「ランダム・ウォーク理論」などです。
今回は、この「ランダム・ウォーク理論」について考えてみたいと思います。
◆ランダム・ウォークだとしたら
マーケットの値動きがランダム・ウォークに従うと仮定してみます。
ランダム・ウォークでは直前に上昇したか下落したかに関わらず、上昇する確率も下降する確率も同じになるはずです。
つまり、連騰や続落といった同じ方向に動く確率と、反発や反落といった反転する確率が同じということになります。
もしも、同じ方向に動く回数と反転する回数の間に明らかな差があれば、直前の動きに何らかの影響を受けていると言えます。つまり、ランダム・ウォークではないと言えます。
◆日経平均株価で検証してみる
日経平均株価の日足終値で検証してみます。前営業日終値と当日終値との差から上昇・下落・変わらずの3つに分類し、前営業日と同じ方向か反転かを調べてみました。
まずは1年間(2016年5月6日から2017年5月2日)では、同じ方向119回、逆方向127回で、それぞれ48.4%と51.6%でした。
5年間(2012年5月7日から2017年5月2日)では、同じ方向608回、逆方向618回で、それぞれ49.6%と50.4%でした。
10年間(2007年5月7日から2017年5月2日)では、同じ方向1187回、逆方向1264回で、それぞれ48.4%と51.6%でした。
ちなみに、この10年間で日経平均株価が前営業日終値と変わらずということは1度もありませんでした。
◆ランダム・ウォークでのばらつき
上記検証結果を受けて、実際に日経平均株価の検証結果で同じ方向と逆方向の間に明らかな差があったのかどうかが気になります。
そこで、実際に同じ方向と逆方向を同じ確率にした乱数を使って、どの程度のばらつきが出るのか検証してみました。完全なランダム・ウォークでのばらつきです。
回数は、10年間の営業日と同じ2451個の乱数で同じ方向と逆方向を調べるという検証を、20回実施しました。
結果は、最大のばらつきが同じ方向に52.8%動いた場合で、20回の平均では同じ方向が50.5%、逆方向が49.5%でした。
この結果から、日経平均株価の10年間のばらつき51.6%は、少なくとも明らかにランダム・ウォークを否定するものではないと言えます。
◆検証結果を受けて
今回の検証では、日経平均株価の値動きをランダム・ウォークではないとは否定できませんでした。
完全なランダム・ウォークとまでは言えませんが、少なくとも日経平均株価はこの10年間ランダム・ウォークのような値動きをしていると言えます。
とは言っても、マーケットには大きく勝つ投資家と勝てない投資家がいます。勝つ投資家は勝てない投資家にはない「何か」を持っていると思います。
以上から投資家としては、仮に相場がランダム・ウォーク理論に従うとしても利益を出せる戦略が必要だと考えたほうがいいのかもしれません。
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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編
もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編
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